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メンタルヘルス対策でまずやるべきこと

私はこれまでいろいろな事業場の方から「メンタルの対応で困っているんです」という相談を受けてきた。相談される相手によって具体的に困っている内容や課題は異なるが、多くの場合、「何から始めたらよいでしょうか」と聞かれる。今回は、職場のおけるメンタルヘルス対策をすすめる際に、まずやるべきことをお伝えしたい。

各企業や事業場でメンタルヘルス対策に取り組もうとうする時、多くの場合、「何をするか」から決めようとすることが多い。私に相談いただく場合も、「良い方法はないか?」という問いから始まり、従業員が気軽に相談できるようにカウンセラーに入ってもらおうと思っている、管理職研修などのセミナーをやりたい、休復職者支援のためのルールを作ってはどうか、などと話が広がっていく。私もできるだけ、相談者の課題が解決するために一緒に考えさせていただくが、社内に持ち帰っていただくと話が進まないことがよくある。また、はじめてはみたものの、思った結果を手取れないという話も聞く。

「何をするか」を先に決めるとうまくいかない

メンタルヘルス対策と言っても、メンタルヘルス不調の発生予防から、再発防止、従業員個々への対応もあれば、管理監督者への対応、さらには、方針やルールを決めるなど、目的や対象、進め方などの違いより、さまざまな対策がある。さらにその具体的な内容に踏み込めば、さらに多くの情報がある。一方で、そのメンタルヘルス対策に何を期待しているか、というのも、担当者や、専門家の中でも、違いがある。だから、上述したように、「何をするのか」を先に決めようとしても、何のために、なぜそれをするのかがあいまいなため、意思決定がしにくくなるし、とりあえずやってみたものの、思ったようにいかないということになる。

「何のために、なぜやるのか」、「何を、どの程度、期待するのか」

メンタルヘルス対策をやろうと考えたとき、まず私がご提案しているのは、社内のデータ等も参照しながら、「何のために、なぜやるのか」、「何を、どの程度、期待するのか」を関係者で議論することだ。実際やってみると、みんな同じ考えをもっているようで、実際に話をしてみると、案外違うことを考えていることが多い。例えば、メンタルヘルス不調者を減らしたいと考えていても、より具体的に聴いていくと、新規の発生を減らしたいという人もいれば、繰り返し休職する人を減らしたいという人もいるし、休職には至らないがずっとパフォーマンスがあがらない労働者に問題意識を持っている人もいる。さらに、メンタルヘルス不調を減らす目的に焦点を当てれば、周囲や対応する上司の負担を減らしたいと思っている人もいれば、社外や労働組合からの視線を意識している場合もある。
「何のために、なぜやるのか」、「何を、どの程度、期待するのか」が明確になれば、「何をするか」も明確になり、具体的な対策がうちやすくなるのだ。

120%の状態で戻ってくる

なお、「何のために、なぜやるのか」、「何を、どの程度、期待するのか」については、それを考える人のこれまでの経験や得てきた情報により無意識的に制限されていることが多い。メンタルヘルス不調になれば、もとのパフォーマンスにはもどらないと考えている方もおおかもしれないが、活躍研究所では、「メンタルヘルス不調になった従業員が当たり前に活躍する会社を作る」べく、「メンタルヘルス不調になっても120%の状態で戻ってくる」ということを繰り返しお伝えし、それを実現するための具体的な取り進めについてご提案させていただいている。ご興味があれば、ぜひ、お声かけいただきたい。


合同会社活躍研究所では、企業向けに活躍型メンタルヘルス対策の導入支援

合同会社活躍研究所では、企業向けに活躍型メンタルヘルス対策の導入支援を行っております。ご興味をお持ちの方は、お気軽にお問い合わせください。
<著者について>
野﨑卓朗(Nozaki Takuro)
 日本産業衛生学会 専門医・指導医
 労働衛生コンサルタント(保健衛生)
 産業医科大学 産業生態科学研究所 産業精神保健学 非常勤助教
 日本産業ストレス学会理事
 日本産業精神保健学会編集委員
 厚生労働省委託事業「働く人のメンタルヘルスポータルサイト『こころの 
 耳』」作業部会委員長
 株式会社AWARENESS認定コーチ
 
 「メンタルヘルス不調になった従業員が当たり前に活躍する会社を作る」

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