野﨑卓朗|職場復帰支援コンサルタント

合同会社活躍研究所 代表 メンタルヘルス不調になっても、その人の活躍を誰も信じる社会を創るために、活躍支援型メンタルヘルス対策を広げる活動をしています。 問い合わせはこちら→https://kyri.co.jp/

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「メンタルヘルス不調になった従業員が当たり前に活躍する会社を作る」

野﨑卓朗(Nozaki Takuro) 日本産業衛生学会 専門医・指導医 労働衛生コンサルタント(保健衛生) 産業医科大学 産業生態科学研究所 産業精神保健学 非常勤助教 日本産業ストレス学会理事 日本産業精神保健学会編集委員 厚生労働省委託事業「働く人のメンタルヘルスポータルサイト『こころの耳』」作業部会委員長 私が産業医になった理由 ―早くに父を亡くし、困っている人を助けたいと思った 男3人兄弟の3男として千葉県に生まれる。2歳で父が急死。高校時代に母親が体調を崩し

    • 「早く」職場に復帰することの価値は何か

      日々、メンタルヘルス不調者と関わる中で、休業中の方からよく聞くのが「早く戻りたい」という言葉だ。そして、家族も、上司や人事労務担当者、場合よっては、治療する主治医や、復職を支援する産業保健師も、本人の早い復帰を期待している。 本来の状態ではないものを元に戻すのは早い方がいいし、病気になって休んでいれば、早く復職することに異論はないかもしれない。 しかし、私は、メンタルヘルス不調者にの復職支援に携わっている中で「早く」職場に復帰することに対して、慎重にならざるを得ないとも考えて

      • 始まり方にみえる、メンタルヘルス不調事例の課題

        メンタルヘルス不調者への対応は、「ある日突然やってくる」、と思っている関係者が多い。 今まで普通に勤務していた部下が突然、「しばらく会社をやすませてください」と相談にきたというようなケースはよくある。場合によっては、主治医から要休業の旨を記載した診断書を提出してきた、という話も聞く。 メンタルヘルス不調者のケース対応がいつも上記のように始まるわけではないし、日常のコミュニケーションの状況、上司のマネジメントのスタイルがスタイルが影響すると考えるが、始まり方だけに注目しても、

        • 受講報告 EQS(Emotional Intelligence Quotient Seminar)

          EQS(Emotional Intelligence Quotient Seminar)にオンラインで参加してきた。メンタルヘルス対策の観点からも、とても有意義が示唆をいただけたので、共有したい・ EQSでは、EQ(Emotional Intelligence Quotient)について上記の定義を用いていたが、EQは、IQ(Intelligence Quotient:知能指数)の対になる言葉として、注目を浴びたものだが、ビジネスやリーダーで求められるのは、IQよりもEQだ

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          社会的に死ぬこと

          メンタルヘルス不調になった方の話の中で、明言するしないはあれど、社会的に死ぬ、社会で生きていけないということが話題になることがよくある。 今回はこの「社会的に死ぬこと」について考えてみたい 社会的に死ぬということが、メンタルヘルス不調の方との話の中ででくるのは、体調を崩す理由に関わっている場合と、体調を崩したあとの対応に関する場合の大きく二つに大別される。 前者は、例えば、特定の仕事を任されたが、思ったような成果につながらない時、多くの場合は、このままでは難しいと上司に相談

          メンタルヘルス不調になった人は、性格を変えるべきなのか?

          産業現場では、うつ病などで、精神や行動上の問題を呈するメンタルヘルス不調を苦しむ人をよく見かけるし、「いったんメンタルヘルス不調になると、もとの状態に戻ったり、立ち直ることが難しい」と思っている方も多い。しかし、適切な支援と準備があれば、それを乗り越えて元の状態やそれ以上の状態になって活躍されている方がいるのも現実である。このようにメンタルヘルス不調を乗り越えていく人達と関わる中で、「性格をかえるということか?」という問いに向き合うことがよくある。「性格」は,心理学での「個人

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          メンタルヘルス不調者対応の現場からーみんなが笑顔になれる復帰判定会議

          従来の配慮中心とした配慮型メンタルヘルス対策に対し、不調者自身の活躍を信じて支援する活躍支援型メンタルヘルス対策についてこれまでも紹介してきたが、今回は、活躍支援型メンタルヘルス対策の中で行われれる復帰判定会議についてご紹介したい。 復帰判定会議とは事業者によって、出席者や対象とする事例は異なるが、一般的に従業員の職場復帰に関して、会社としての意思決定を行うために開催される会議のことを指す。私が関わる事業場等においては、メンタルヘルス不調に限らず、休業した従業員の復帰可否の

          メンタルヘルス不調者対応の現場からーみんなが笑顔になれる復帰判定会議

          メンタルヘルス不調者は、怠け者なのか

          メンタルヘルス不調になった人をみて、「怠けているだけ」「心が弱い」という人がいる。メンタルヘルス不調は、厚生労働省の指針によると、「精神および行動の障害に分類される精神障害や自殺のみならず、ストレスや強い悩み、不安など、労働者の心身の健康、社会生活および生活の質に影響を与える可能性のある精神的および行動上の問題を幅広く含むもの」と定義されているので、確かにその名の通り精神的な問題がある状態ともいえる。 しかし、実態はどうなのか、日頃からメンタルヘルス不調者に携わっている立場か

          メンタルヘルス不調者は、怠け者なのか

          受講報告 T2S~Takahashi 2days Seminar~

          先日、T2S~Takahashi 2days Seminar~に参加してきた。 T2Sは、株式会社AWARENESSの代表である高橋敏浩マスタートレーナーが、2日にわたって幸せについて語り、『心の底から幸せを感じる人生』を手にするセミナー。セミナーとはいえ、私は、知識を得たり、勉強するというより、アーティストのライブに行くそんな感覚で、これまでも妻と一緒に繰り返し受講しており、受講するたびに、本当に幸せとは何かに立ち返り、自分の人生をより豊かにするきっかけをいただける時間。こ

          受講報告 T2S~Takahashi 2days Seminar~

          休めないは本当か

          メンタルヘルス不調に陥ってしまった人と話をする中で、すでに日常生活に支障をきたし、仕事においても本来の職務を全うできていない状態の方に対して、休業を勧めても、「休めない」と断固として休むという選択ができない人がいる。また、休業するほどではなくても、業務負荷が高く、心身への影響を自覚している状態の方の中にも、短期的な休業や、負荷の軽減を相談することを提案しても、それを受け入れない方もいる。 今回は、体調が悪化してもブレーキをかけることができない人への対応について考えたい。 心

          いつでも休める職場を作る意味

          仕事は休めないというプレッシャーメンタルヘルス不調者対応をしている中で、「仕事を休めない」とか、「急に休まれると困る」という話を聴くことが多い。一方で、ストレスチェックの集団分析で、健康リスクが低い職場や、継続的に高いパフォーマンスを発揮している職場で話を聴くと、あまりこういう話はでてこない。 企業等に勤務されている方の多くは、毎日仕事をすることが当たり前になっていると思うが、病気やケガ、プライベートの事情でどうしても仕事を休まなければならないことがある。そして、ほとんど場合

          いつでも休める職場を作る意味

          現在地を知ることが大きな一歩

          メンタルヘルス不調者への対応や、コーチングのクライアントで悩みを抱えている方の話を聞く中で、意識して確認しているのが、その本人の「現在地」である。 多くの場合、うまくいかない、苦しい状態をかえたい、抜け出したいと思っていても、そもそも今の自分がどんな状態なのか、そのスタート地点である「現在地」が曖昧だったりする。なぜ自分が悩んでいるのか、自分がそうとらえるのは自分のどんな信念に基づいてあるのか、そもそも自分はどんな人間なのか…。他人の意見や反応、反射的な感情に目がいき、本当の

          同じ事実、異なる反応ー何がストレスを生むのかー

          メンタルヘルス不調はなぜおきるのかメンタルヘルス不調は複合的な要因によって生じるが、大きな心理的なストレスはその主な要因の一つだということは異論がないと思う。原因となる事実があり、それに対してストレス反応がおき、それがメンタルヘルス不調につながるという考え方だ。日本におけるストレスチェックも、「ストレス要因」がありそれに伴う「ストレス反応」が大きくなることでメンタルヘルス不調につながるというNIOSHのストレスモデルが元になっている。 同じ事実でも異なる反応が起きるしかし、

          同じ事実、異なる反応ー何がストレスを生むのかー

          メンタルヘルス不調者が新しい一歩を踏み出すために

          私は、メンタルヘルス不調になって休業した従業員が、体調を改善させ、職場に戻って活躍するために、仕組みづくりやそのための考え方についてお伝えをしている。メンタルヘルス不調になっても、適切な療養と治療、そして職場復帰に向けた準備ができれば、それまで以上に活躍できると信じているし、事実として、私が関わった多くの方がそれを実現している。 その中でも今回は、メンタルヘルス不調になった方が、活躍するために新しい一歩を踏み出すきっかけがどんなものかお伝えしたい。 等身大の自分これは、必ず

          メンタルヘルス不調者が新しい一歩を踏み出すために

          受講報告 エンパワーキッズ1dayセミナー

          私が認定コーチをさせていただている能力開発会社の株式会社AWARENESSが、立ち上げた子育て支援プログラム「AWARENESSエンパワーキッズ」の1DAYセミナーに参加してきた。表向きは子育てに関するものであるが、人材育成に直結する部分も多くあり、そこを中心に紹介したい。 子育て(部下育成)になぜ悩むのか子育てや部下育成で悩んでいる親や上司は多く、「悩みはなにか?」と聞かれれば、あれもこれもとたくさん出てくるが、「なぜ、悩むのか?」と問われ、思わず答えに窮した。悩みは、親

          受講報告 エンパワーキッズ1dayセミナー

          メンタルヘルス不調者対応の現場からー体調が悪い部下に事実を伝えることの価値

          先日、「最近いつも顔色が良くない部下がおり、ミスも多いし成果物もあがってこない。病院を受診したり、産業医に相談するよう提案しているが、本人は大丈夫の一点張りで、困ってるんです。」という相談をいただいた。このような相談はメンタルヘルス不調者の現場では、比較的よくある。メンタルヘルス不調者の初期対応については下記の記事でも触れた。 上記の記事では、具体的な成果物の状況や、勤怠状況などの客観的な情報などの事実を元に話をし、上司の意見や評価は、その事実とは分けて話をすることをお勧め

          メンタルヘルス不調者対応の現場からー体調が悪い部下に事実を伝えることの価値