新著書がくる! ⑥〜書くという競技〜
こんにちは!勝浦です。
来る11月1日(水)に発刊する新著「ひと言でまとめる技術」
その完成までの軌跡をコラムで連載しています。
amzn.asia/d/g0dMOqO
今日のコラム内容をひと言でまとめると、
「書くことは競技である」です。
コピーライターが本を書くと、
「ああ、ふだんから文章を書いているから、本を書くのも得意なんだね」
といった反応を受けます。
でも、これは少し短絡的。
コピーライターは、基本的にキャッチコピーと、せいぜい400字くらいのボディコピー、ネーミング。あとはCMやイベントやデジタル企画を考えたりしています。
数万字の長文を書くことは日常業務においてほとんどありません。
なので、「コピーライターが本を書くことが得意である」という仮説は、
「同じ走る競技なんだから、短距離走者はマラソンも得意なはずだ」
と言っているのと同じです。やや乱暴です。
もちろん、普通の社会人よりは「書くことへの筋肉」は発達しています。
でも「俺は瞬間芸しかできない=短文しか書けない」とうそぶく方も多いです。このあたり、全コピーライター仲間に一度アンケートを取ってみたいですね。
商業出版には、必要とされる目安の文字数があります。
新書・・・8万字~12万字
ビジネス書・・・8万字~12万字
ライトノベル・・・5万字~10万字
ビジネス関係の書籍であれば10万字が
ひとつの目安と言えるでしょう。
この10万字を書くというルールをもつ競技が、実用書における執筆活動なのです。(文芸は内容はもちろん、かなり文字数の幅が広いので、また違った競技ですね)
ただし、最近の動向では世に本が出た時の文字数は減少傾向にあるそうです。読者は手にとった時に、
「はたして自分はこの本を読み終えることができるのか?」
という判断を無意識におこなっています。
コンテンツ間の時間の奪い合いが激化している現代では文字数が多すぎる、
読みづらい、と思われた瞬間にページを閉じ離脱されてしまうのです。
つまり「本を読む人はまだ一定数いるが、許容できる文字数は減っている」
ということですね。
このあたりは、「文字数が多いとお得に感じる」
僕みたいな根っからの読書好きからすると、ちょっと理解しづらいですが、
市場の動向は個人の価値観を無視して進んでいきます。
受け入れるしかありません。
ただし、執筆においては、
「10万字は多すぎるから、8万字でいいの?やった執筆作業がー短縮されたー!」とはなりません。
実際書かれたことのある方なら、理解できると思いますが、
まず必要十分な内容を書き終えてから、推敲の段階でバッサリ削ったほうが、書籍はいいものになります。
また、章立て(目次)をつくって書き始めると、
筆が走ってたくさん書ける章と、内容が薄い章とでコントラストがついていきます。この場合ボリュームが多くなった章はそのままにして、
不足している章を充実させていきます。
これを繰り返すと、文字数は想定よりも増えていきます。
競技としての執筆期間を終えた時、
初稿段階で文字数は10万字を余裕で超えて
12万字くらいになりました。
ではこの肥大化した文章をどうやって「削る」のでしょう?
つづく