「本当の自分」とは?
自分のことを正しく理解してもらえない
私はどんな人ですか?
そう聞いた時に
「優しい人」
という回答がくると、悲しくなります。
その理由は二つ
一つはこれまで私に優しく接してくれた人のように、
私は優しくないと思うし、
何なら意地悪なことばかりしてきたと考えているから
とはいえ、優しさに優劣はないし、受け取る側の判断だと思います。
それでも、私は人に対して興味がない・気遣いが苦手だと認識しています。
もう一つは、何の特徴もない人に気を遣って使える安全な回答が、
「優しい人」だから(経験と推測による勝手な持論です)
(この辺が私の意地悪な思考が出ていると思っています笑)
人の捉え方はそれぞれなので、
本当に「優しい人」と思ってもらえているのなら、
素直に喜んで良いのかもしれませんが、
私はひねくれているので納得ができません笑
その他にも、他者から納得のいかない評価をされたとき、
本当の自分を理解してもらえていないと何度も悲観していました。
学生の時の自分と社会人の自分
学生時代の自分と社会に出てからの自分は全く別人のように感じます。
「私はどんな色にも染まれる
カメレオンのように組織の課題を補うことができます」
学生団体に所属して1年経過した時の面談シートか何かに
そんなことを書いたような気がします。
今思うと恥ずかしいですが…
当時は、本当にそう思っていたし、
ある程度そつなくこなせる自信がありました。
特に自分の理想のために、狙った人を惹きつけて、
仲間に入れることは少しは成功した記憶があります。
(参画するまでは良かったが、教育やフォローは下手くそで、
失敗でしたが…)
今よりも生き生きと活動していた気がします
社会人になって、
できると思って挑戦したことが全然できていなかったり、
時間を注いで考えて行動したつもりでも、
大した成果に結び付かなかったり…
そのせいで、会社の人間からは「自分に自信がない人」として
認識されていると思います。(実際そうなのですが)
経験値が足りなかったといえばそれまでですが、
輝きを失った人へ変わってしまったのではないかと焦りを感じます。
こんな自分嫌いだなぁ、でも本来はこんなはずじゃなかったのになぁ
と思うことも何度もありました。
本当の自分とは何なのか
学生の時と社会人の時、どっちが本当の自分?
芥川賞作家の平野啓一郎さんの新書「私とは何か」を読んで
もやもやがスッキリした感覚になりました。
この内容を知れば、心が軽くなる人が他にもいるのではないかと思い、
下手くそながら、感想をシェアをします。
平野さんは「分人主義」という考え方を提唱しています。
この本では「本当の自分」は存在しないよということを言っています。
書き留めるのが難しいですが、印象に残っている考え方です
他者との相互作用で生まれる分人の組み合わせによって自分はできている。
個性とは分人の構成比率である。誰とどう付き合っているかで分人構成比率は変化する。
自分の経験に照らし合わせても「なるほど」と思うことが多い内容でした。
学生から社会人へ環境が変わったことで、
自分が変わったのではなく、分人の比率が変化しただけ。
どれも本当の自分なのだと認めることができました。
平野さんはTEDでもスピーチしているので、
私の下手な説明よりも理解が早いと思います。
好きな自分でいるために
もし、「この人と関わっている時の自分が嫌いだなぁ」と感じたら、
その人と付き合う頻度を減らし、
自分の好きな分人の比率を増やすことができるそうです。
相手や環境次第で出現する分人は変わるけど、どんな自分も受け入れよう。「あの人と一緒にいる時の自分が好き」と思える人を大事にしよう。
思考のツールが増えて、非常に救われる内容でした。
読みやすい本なので、対人関係に悩んでいる方がいれば、
ぜひ読んでみてほしいです。