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幻夢の話

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著者が睡眠中に見た、ぼんやりした夢の話。平たく言えば夢日記。フィクションである。
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記事一覧

10年前からそうだ。
嫌な気持ちを味わわせた輩
メンツを潰した輩
消えて欲しいと思った輩は
しばらくして

大怪我
入院
移動

とにかく私の前から消えてゆくのだ。

まるで消去ボタンを押したかのように
私の視界からそっくり消える

これでよかったのかな?
一種の才能かもな。

亡くなった叔父さんの夢

叔父と私は車から降りた。スーツを着た男達が出迎え、頭を下げる。どうやら旅館に来たようだ。空は暗くなり、月灯りが湯に反射し揺めく。檜で作られた立派な浴槽に浸かり、闇に浮かぶ湯気を見つめた。思えば、私は6つ歳をとったが叔父は6年前と何一つ変わらぬ姿だった。

或る男の夢

男は黄緑のアメ車を運転している。助手席が空いているが、女はそこには座らず運転席のシートの後ろに付いている手すりにつかまり、まるで映画のワンシーンのように走る車にしがみつく。振り落とされぬよう必死に捕まり、やっと車が停まった先は古びたカウンターだけの焼肉屋だった。

知らない男の夢

どうやらツアーでドイツに来たらしい。異国人の男と女はベッドの上で休憩しているが、小さい蛆虫のような物が女の洋服の上を這う。女は気持ち悪くなり殺虫剤を取り出してベッドの隅から隅までくまなく散布し、ベランダに出てその男と砂煙で曇り1km先が見えない街中を眺めた。

昔好きだった人の夢

夢に出る男は大体決まっている。高校まで一緒だった水泳部の男、中学で学年1位だった男。今日の夢には前者がでてきた。気になりFacebookで探すと、実家の不動産屋を継ぐために大阪に帰ったらしい。水泳をやめ激太りした時以上に太った姿をみて時は残酷だなと痛感した。

今日の夢

マンションの外階段を登った先の扉を開けると病室が広がり、老人男性がベッドに仰向けに寝ていた。私を含む3人が白衣を着て取り囲み、そのうちの1人が私に向かって言った。「今日は尿を採取しますよ!」私は、局部にコップの様な物をあてがわれ無理矢理尿を取られる老人の姿を想像した。

久しぶりに会う女の夢

15年近くの付き合いであるその女は、帰り際に私に笑って見慣れぬ歯を見せた。下の歯が4本、真っ白なセラミックに変わっている。「歯医者で見積もりとったら残り全部で1000万って言われちゃった!」私は彼女の財力とこれから美しくなるであろう彼女にある不安を感じた。

白昼夢

「会いたい」或る男にたまにメールを送る女ではあるが、男は仕事に忙殺され「時間があれば会おう」という返事が遅れて来るだけだ。友達という建前だが、女が抱える刹那的な悲しさを埋めるため時間を見て男に会う。だが未だに男から「会いたい」というメールは受け取ったことはなくて笑える。

今日見た或る男と中年男の夢

男は私の家で風呂に入っている。だが私は違う中年男と性的関係を持つわけでもなく身体を密着させベッドで一緒に寝ている。私に甘えるその中年男を優しい言葉でたしなめる。すると脱衣所のドアが開き、泡だらけの男は下半身を露出し叫ぶ。「着替えの服忘れちゃったよ!」

今日見た、或る男の夢

男が家に連れ込んでいた、髪をボブに切りそろえた小柄なキャバクラ嬢は男の家の戸を叩いた私の顔を見て驚愕の表情をしていたが、珍しく私は怒りというかその種の感情には支配されず、その男が不特定多数と関係を持っていることに対し不潔さを覚え、性病の心配ばかりしていた。