セルフペテン師
私は自分の心に嘘を吐き続けるペテン師である。
もう10年以上も前から、
自分の人生や性格を必要以上に悲観し、
根拠のない決めつけや他人の言霊に
モノコトを考える場所を占拠されている。
自身のより良い姿を認知されるため
態度の大きさ声の大きさを
一般に許容される水準まで
コントロールしようとするが度々失敗する。
往々にして、自らの身の上や関係のない話を喋りすぎ
周りが引き、笑い嗤う。
人が持つモノを欲しくないと言うのは嘘
人ができるコトをできないのは真
人並み以下の共感力と
著しい自己保身能力が
私が私を私で居られなくする。
仕事を得るために、脆い信頼性を築くために
厚い仮面をかぶって
表情特に口元や目元の動きをカバーする。
言葉で私を騙して
全て忘却するために、記憶を消して
愚行を思い出した夜は
風呂に溜めたお湯に入り泣く
ドギツい色の入浴剤が誤魔化すのは
風呂の湯だけでなく、香りやストーリー、
欠点と年輪、コンプレックス。
そうやって自分に嘘をつき続けているが
周りは本当の私を知っている。
減らず口、空回り、無駄な動きを繰り返す。
しかし、
人より機敏さが足りなくとも
私は今日も生き続けている。
息継ぎをして、
濁った水面から顔を出し
クリアな秋の空を眺めている。
自分の心にイカサマをしながら
騙し騙し生きている。
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