「一緒にはたらく人も幸せになる仕事をしたい」高校生の探究プロジェクトがあふれる社会をめざす私の価値観
こんにちは!カタリバ広報部の本田です。
職員一人ひとりにスポットを当てて、一緒にはたらくあの人のことをもっと知りたい。そんな思いからスタートした、連載「9BOX 〜わたしが大切にしている9つの価値観〜」。
▼前回の記事
今回は、「全国高校生マイプロジェクト」で全国の高校生のマイプロジェクト*を支える岩城 佳那さん(以下、いわっちょさん**)にインタビューしました。
クラフトビールを製造・販売する企業でのマーケティング職を経て、全国高校生マイプロジェクトの広報・ファンドレイジングを担当するいわっちょさん。そんな彼女が大切にしている、9つの価値観に迫ります。
いわっちょさんの9BOX~わたしが大切にしている9つの価値観~
Q. 真ん中に書かれた「他者と価値をつくりたい」という言葉が、気になりました。詳しく教えていただけますか?
「前提として自分一人でできることって、あまり多くない」と思っています。それは社会人になってすぐの頃の経験が大きくて。
学生時代は、教室の中で評価されるような勉学やスポーツが得意で自信もあったのですが、社会に出たら自分よりもパフォーマンスの高い人がゴロゴロいて、自分の力不足を感じるようになったんです。
その一方で、人より少し得意だなと感じたのが、周囲をエンパワーメントすることやみんなが楽しく仕事できるよう気を配ること。良くも悪くも相手の表情や反応に敏感な方なので、自然と他者にも視点が行くんです。だから自分が一番価値を発揮できる形は、「人と一緒に何かをつくっていくこと」なのではないかと思ってます。
Q. 9BOXに書いてあるキーワードの中で、いわっちょさんが一番意識しているのはどれですか?
左上に書いた、「どうせやるならハッピーに」です。
自分が取り組んでいる事業で大きな成果を出せることももちろん重要ですけど、成果を出すまでのプロセスのなかにも社会に提供できる価値があると感じています。仮に成果が同じだった時に、一緒にはたらく人が幸せを感じられる仕事と、そうでない仕事があるとしたら、幸せを感じられる仕事の方がいいですよね。
他者に自然と意識が向く性格でもあるので、仕事のうえで人と人とのコミュニケーションを快いものにすることは、私が社会に提供できることの一つのような気がしています。
Q.「社内外で仲間作り」という言葉も気になりました。仲間作りをするうえで、普段から意識していることはありますか?
何か意識していることがあるか改めて考えてみたんですけど、「これをやれば仲間づくりはバッチリ!」みたいなことは正直思い浮かばなくて。ただ、最近ちょっとハマっているのは、相手の将来の夢ややってみたいことを聞くことです。そういう話を聞くことで相手を応援したり尊敬したりする気持ちが生まれて、一緒に仕事をするうえでもアサインについて配慮できるなど、いい影響が生まれているように感じています。
「どうせやるならハッピーに」に近いかもしれないのですが、どうせ一緒に何かやるのであれば、「一緒に仕事をしてて楽しいな」とか、「この人の未来につながる今になるといいな」ということを感じながら仕事をできる方が幸せですよね。
後輩にフィードバックをする時も、相手の描く目標に近づく糧になるよう、声をかけたいなと思っています。
Q.マイプロジェクトの仕事で「他者と価値をつくっている」と感じることはありますか?
全国高校生マイプロジェクトでは、高校生の探究学習が応援される「学びの土壌」を各地で育んでいくために、地域に根ざして教育活動を行う団体や企業(地域パートナー)と一緒に活動しています。
とある県では、地域パートナーと私たちカタリバ、さらに全国展開するブランドの店舗の方や、地場企業の方という4者が中心となって、マイプロジェクトを持続的な取り組みにするためのファンドレイズに取り組んでおり、様々な立場からの観点を出しつつ、お互いの強み弱みを活かしあいながら日々活動しています。
そのファンドレイズの取り組みの一環として、協賛を検討してくださっている企業の方々にその地域のSummit(高校生の学びの発表会)をご覧いただいたところ、企業の方々から「もっとこうすれば、高校生によりよい学びを届けられるのではないか?」「一緒に何かできないか?」といった前向きな声をたくさんいただいて。
一般的な協賛は、出した金額に対する広告宣伝効果などの見返りを求めるものかと思います。しかしマイプロジェクトへの協賛を検討してくださる企業は費用対効果の観点以上に、マイプロジェクトを通じて地域社会を一緒に盛り上げていこうという姿勢で関心を寄せてくださることに、「地域での学びの土壌づくり」の可能性を改めて感じました。
色々な立場の人たちが集まって価値を作っていく難しさを感じながらも、地域で学びを支える新しいモデルづくりに挑めていることに非常にワクワクしています。
Q.最後に、いわっちょさんが「マイプロジェクト」に想いを持っている背景についても、お聞きしてみたいです。
大学を卒業して社会に出た時に、「自分ってなんにもできないな。しんどいなあ」と感じたことが原体験としてあります。私だけでなく、社会に出てギャップに苦しんでいる人も少なくないのではないかと感じています。
マイプロジェクトでは、高校生が大人に見守られながら、自分の思いを大切にしつつ社会に価値を発揮していくことにチャレンジできます。高校生の未来の幸せもつくるし、社会の未来をつくっていくこともできる取り組みだなと感じたんです。
自分の原体験を癒しながらソーシャルグッドの領域に関わることは、見方によっては偽善的に映るかもしれませんが、自己満足な取り組みにならないようその点に自覚も持ちながら、「やらないよりはやった方がいいじゃん」マインドで、日々取り組んでいます。
≪インタビューを終えて≫
周囲への配慮も深いいわっちょさん。「成果だけじゃなく、一緒にはたらく人の幸せも大切にしたい」という言葉がとても心に残りました。
直近では、マイプロジェクトOB・OGや社会人サポーターを巻き込み関係人口を広げるプロジェクトもスタートしたとのこと。新たな取り組みのこれからが楽しみです!