初恋の味、努力と無縁のダイエット【無塩ナッツ】
幼少時代、私は肥満だった。
小学校では保健室で同様のフォルムの生徒が集まり、イルカ倶楽部(「イルカ」⇔「軽い」)と名付けられた授業が始まる。
ジュースには砂糖がこれだけ入ってるだの、クラスで体型をからかわれた際の対応はこうだの、自尊心を削る催しに参加させられもした。
もちろん、運動神経がいいはずなどなく、学校での体育の時間が苦痛だったのは言うまでもない。
クラスメイトが楽しそうにスポーツを楽しむ中、自分はいつも後ろで諦めの眼差しをしていた。
思春期へと成長するにつれて、自信も失われていく。鏡を見ると、だらしない身体が映し出され、心が痛んだ。しかし、食欲は我慢できない。意志力も弱いのである。
何かを変えなければならないと感じるようになったのは高校生の頃。私にも年頃らしく、気になる相手ができたのだ。
一念発起しダイエットについて調べている中で「無塩ナッツ」に出会った。
ナッツは高カロリーな食べ物と聞いていたが、調べてみると、ナッツは健康的な脂肪やタンパク質、繊維質を豊富に含んでおり、満足感を与えるだけでなく、代謝を促進する効果もあることがわかった。
成長期なのだからそれよりも運動?続くわけない!!
母親にお願いし、無塩ナッツ生活を試してみることにした。最初は味に戸惑ったが、やがて少しずつ慣れていく。
何より空腹は治まる。決めた。リスになる覚悟だ。これから私の身体を構成するのは、木の実だ。
毎日、少量ながらも無塩ナッツを摂るようになり、徐々に体重が減り始めた。
ナッツを食べることで、健康的な食生活への意識が高まり、他ジャンルの食品にも目を向けるようになった。
野菜や果物、全粒穀物など、栄養バランスの良い食材を摂るようになり、ナッツを併せて食べることで、丼飯のドカ食いは減った。
初恋は実らなかったが、現在の体型は健康診断でいうところの「痩せ気味」である。
今もこの習慣は続いている。実はこの文章作成の最中も、ナッツを歯に詰まらせながら書いています。
近年では健康志向の影響からか、ナッツはダイエット食として地位を確立しており、愛用する楽天市場では、素焼き、キャラメル、バター、ドライフルーツミックスなどバリエーションに富み、飽きることはない。
ふるさと納税のラインナップとしても充実している。お菓子の置き換えとして、空腹の衝動回避として、この先もお世話になることに疑いの余地はない。
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