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中医学でみる「肺」のはたらき② こんなことも担ってます

まさに今の季節の臓なんですYO


前回、「肺」のはたらきの第一弾をお伝えしました。

今回はその続きからになります。

(3)「肺」は宣発(せんぱつ)と粛降(しゅくこう)を主る(つかさどる)

【宣発のはたらき】
飲食物から得られた「水穀の精微」(体に必要な栄養素)&「津液」(血液以外の水分)と「気」を全身すみずみにめぐらせている。
➡この働きが正常ならば、皮膚は常にみずみずしく、外邪の侵入を防ぐことが出来る(抵抗力)。

この作用が失調すると
皮膚の乾燥,抵抗力の低下などがあらわれる,非常に疲れやすくなる
(全身に気をおくることができなくなる) などがおきてくる。

・「津液」の一部を「汗」として排出する
汗を出すことの役目=濁気を出す,体内に侵入した外邪を追い出す こと。

この作用が失調すると
汗をかかない、風邪をひきやすい などの症状としてあらわれる。

【粛降のはたらき】
・呼吸で取り込んだ清気を、シャワーのように下向きに振り下ろす
この時、通り道をキレイにするためにいらないものを洗い流している。
洗い流された水分は「腎」へおろされ、不要分は膀胱へ。

この作用が失調すると
➡不要な水分が体内に滞り、息切れ、
疲れやすい、むくみ、尿が少ない
などの症状があらわれる。

・汗の排泄を抑える
「肺」は汗を出すばかりでなく、環境の変化に応じて皮毛、汗孔を閉じて発汗を抑える。

この作用が失調すると
汗孔が開いたままの状態になり、汗が止まらない、外邪が侵入しやすい
などの症状としてあらわれる。

宣発と粛降は相反するはたらきです。
吸わないと吐けないし、吐かないと吸えない
両方が正常にはたらくことで、はじめて成り立ちます。
 

(4)「肺」は水の通り道をコントロールしている

宣発のはたらきにより
◇「津液」と「水穀の精微」を全身に振り巡らせる。
◇毛穴の開閉を調節して、汗を排泄する。

粛降のはたらきにより
◇吸入した清気を「腎」へおろす。
◇不要な水分は「腎」と「膀胱」の気化作用により、尿として排泄。

水の通り道をコントロールしている とは
体内の液体をスムーズに巡らせつつ、不要分はしっかり排泄させる
これらがバランス良く行われるように調節すること をさしている。

これらが失調すると
汗がでない、むくみ などがあらわれる。

「肺」は水の上源 と言われています。
水道の蛇口を開けたり閉めたりするように、水分代謝の調節をしてくれています。
これも中医学独特の考え方ですが、とても分かりやすいのではないでしょうか。

(5)「肺」と関連する体の部分は「皮毛」と「鼻」

・「肺」は皮毛を通じて外邪の侵入を防ぐ

「肺」の宣発作用により
皮膚、汗腺、産毛などのからだの表面部は
常に『衛気(えき)』(気の一種)と
「津液」で養われている。

『衛気』は、皮毛を温め、「津液」は皮毛を潤している。
このふたつのはたらきにより、外邪の侵入を防いでいる。

これらが失調すると
風邪をひきやすい、皮膚のかゆみ、皮膚の乾燥などがおきてくる。

・「肺」は鼻の働きを維持している
呼吸をする際、鼻から清気と濁気の交換をしている。

このはたらきが正常ならば、鼻のとおりがよく嗅覚も敏感。
失調すると
鼻づまり、鼻水、嗅覚異常となってあらわれる。

少し分かりにくい表現もありましたが、ここまでのことをまとめると・・・

◆全身の「気」と関係が深い。
◆宣発と粛降が、正常に作用することで
外邪から体を守っている。
◆  全身に「津液」(うるおい)を降り巡らせたり、汗にして体外に出したりと、水分代謝のコントロールをしている。
◆鼻、皮膚の生理機能を維持する。

こんな感じでしょうか。(フーっ。まとまった^_^;  のか・・?)


2回に分けて、「肺」のはたらきをお伝えしました。

最初に書きましたように
まさに今の季節の臓が「肺」です。

8月の上旬に立秋を迎え、まだまだ暑いとはいえ季節は『秋』です。
秋が深まってくると、肌や空気も、乾燥してきます。

その対策になるのが、「肺」の養生です。
これは次の回にお伝えしていきたいと思います。

何か少しでも
お役に立てることがあれば嬉しいです。


YO

#中医学
#身体ケア

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