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中医学でみる「腎」のはたらき② むくみとの関係ともう一つ大切なのが…

前回は、中医学でみる「腎」のはたらき
4つのうちの2つについて、サクッとお伝えしました。

今回は、その続きです。

(3)水を主る(つかさどる)


前回の(1)と(2)では、
発育、成長や老化に関するはたらきが主でした。

今回の、水を主るとはどういうことなのか?
詳しくみていきましょう。

みなさんは、腎臓のはたらきは?と聞かれたら
どんな答えをだされるでしょうか?

不要になった老廃物を尿として排泄してくれるところ 
とお答えになる方が多いでしょうか。

ですが、中医学では、水の代謝には「腎」だけでなく
「脾」「肺」を合わせた3つの臓が重要
とされています。

「脾」が飲食物からできた『津液(体に必要な潤い)』を「肺」に上げ
「肺」はそれを、全身にくまなく降り巡らせて潤します。

その後全身から集められた水分が一度「腎」にやってきます。
まだ使えるキレイな部分は「肺」へ上げ
もう要らない部分は膀胱へ送り、尿として排泄します。

「腎」が不要なものを尿として排泄するのはもちろんのこと
適度な体の潤いを保つためには、「脾」「肺」「腎」の3つの臓それぞれが
しっかりはたらいてくれることが大切です。
この3つの臓のどれかに不調があると
むくみが出たり、乾燥してカサカサするなどの症状がでてきます。

「腎」が健康だと、お小水の調節がしっかり適切に出来ます。
昼間のうちにしっかり出して、夜はちゃんと止められる
このコントロールがうまく出来なくなっているとしたら
「腎」の弱りの影響もあるかもしれません。

(4)納気を主る

納気とは
「肺」が吸入した「自然界の清気」を、ぐっと深く吸い込むはたらき
のことです。
深い呼吸をすること とも言えます。

呼吸と言うと、何となく「肺」のイメージがありませんか?
(私はそうでした)

「肺」に取り込まれた自然界の清気は、それだけでは体の中で活用出来ません。
「腎」が、それをググっと下まで引っ張り下ろし、腎にある先天の精と合わさることで、体を動かす大元の「元気」を作り出すことが出来るのです。


下に引っ張り下ろす~という働きのイメージとして、腹式呼吸が分かりやすいかと思います。
実際、おへその下の約10㎝の場所「丹田」に意識を向けて呼吸する腹式呼吸法をする健康法もあります。


私事ですが、ストレス大の時は呼吸が浅く胸が閉じた感じになり
深呼吸が良いとは分かっても、こういう時は深く息が吸えません。

そんな時は、大抵みぞおちのあたりが硬くなっているので
そこを『ゆるめる』イメージをしながら、四指の先を当て上体を前に倒します。これを数回繰り返してあげると、みぞおちが緩んできます。
(出来れば膝を立てて横たわると、もっとお腹を緩めやすいです。)

その後、丹田を意識して腹式呼吸を繰り返すと
体が温かくなりリラックス出来ます。
酸素が巡り、気血も巡るからなんでしょうね。


今回は、「腎」のはたらきについて後半部分をお伝えしました。

持って生まれたところは変えられないかもしれません。
ですが、養生することで老化のスピードを遅くしたり
不調を改善していくことは出来ると思います。

次回は養生食材や、「腎」と関係が深い冬の養生について
お伝えできればと思います。

お付き合いいただきありがとうございました。


YO


#中医学
#身体ケア

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