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6つの技術で上手くいく!先生初心者のための授業の教科書 1.はじめに

 「生徒が話を聞いてくれない」「授業中に寝ている生徒が多い」「好き勝手なことを始めてしまう子がいる」…

 このような悩みを抱える先生は少なくありません。そして、このような状況を生徒のせいにして片付けてしまう先生も少なくないというのが、10年間の現場経験で見えてきてしまった現状です。

 「あのクラスはダメだ」「この学年はハズレだ」「あいつは本当に集中力がなくて困る」…

 こういったセリフを、職員室で耳にすることもありました。でも最初に挙げたような状況の原因は、多くの場合先生側にあります。先生の「授業技術」が十分でないせいで生徒のモチベーションを失わせてしまい、授業を聞いてくれなくなっているのです。

 とはいえ、先生ばかりを責めるわけにはいきません。なぜなら、先生にはこの「授業技術」を学ぶ機会がないからです。授業の計画書である「学習指導案」の書き方は勉強します。でも実際に授業を「する」技術って、本当に勉強する機会がないんです。(私は教育系大学の出身ではないので、余計になかったのかもしれません。)

 だから何が基本か、何が正しいのかもわからず、自己流で授業をすることになります。そうなると上手くできなかった先生は、何を改善したらいいのかもわからず、上手くいかないことを生徒のせいにしてしまいます。

    実際私も、最初は全然上手くいきませんでした。冒頭の3つの状況は、まさに最初のころの私が抱えていた悩みです。この悩みを解消しようと色々な本を読みました。でも「これが基本です!」と、まとめられている本って本当にない。指導案の書き方本や授業のネタ本、よりよい実践のための工夫を集めた本。こういった本はたくさんあります。でも欲しかったのは、授業を「する」ための基本が書かれた「教科書」でした。

 本稿は、先生になった頃の私が欲しかった「教科書」です。10年間の経験をもとに、授業を「する」ための基本となる技術を6つにまとめました。6つの技術とは「説明・発問・指示・提示・評価・観察」です。次からの各章では、6つの技術それぞれの内容とポイントについて、詳しく書いていきたいと思います。これらの技術をマスターすれば、最低限の「普通の授業」ができるようになるはずです。

 ICTやSDGsなど、新たな教育観・教育課題・教育技術が生まれる時代には、古臭いと感じられる内容かもしれません。しかし基本を身につけていなければ、最新の技術も役立てられないと思うのです。

 本稿がこれから授業に挑んでいく「先生初心者」の方々にとっての「教科書」として、お役に立てば幸いです。下の目次にリンクを張っておきました。順番に読んでいただいてもいいと思いますが、お忙しい先生方は、気になる章だけでもクリックしていただけたら嬉しいです。

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目次

1.はじめに(本章)

2.説明の技術

3.発問の技術

4.指示の技術

5.提示の技術

6.評価の技術

7.観察の技術

8.おわりに

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 先述の通り、本稿は私の経験を元にまとめたものです。様々なご意見を頂いて、「授業技術の教科書」としてブラッシュアップしていきたいと思っています。建設的なご意見をお待ちしています。

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