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【はがきサイズの短編】あなたをいつでも見守っている テーマ:影
こんにちは!高木梢です。
なんとなんと!今回初めてフォロワーさまからお題を頂きました!!(花吹雪を投げて扇子を持って踊っている)
テーマは、「影」です!すてき!
初めて具体的なだれかのために物語をつくりました。緊張しましたが(実はいろいろと心配性なのです)、それ以上にいつもより楽しく書けてすごくすごく幸せな時間でした。ありがとうございます。
まだまだ拙い文章と作品ですが、少しでも楽しく感じでいただけたら嬉しいです。
「初恋の人は?」
「アタックハンターって漫画のウォッシュ」
「高校のとき一番面白かったことは?」
「漫研の子達と夜の公園でマックのポテトを食べたこと。ほかにもたくさん」
「うん、たしかに私だわ」
夕日がさす自分の部屋で、自分の影と会話が弾んでいる人なんて私くらいしかいないだろう。だって、大学に入って一人暮らしを始めて1ヶ月、どこにいっても一人で、会話する相手がいないんだもん。
それで最初は鏡に向かって話していたんだけど、今日後ろからねえ聞いてよって声がした。見ると、それは私の影法師だった。
「私は今までのあなた。あなたは、これからの私。私は、もう一人のあなたなの」
私のことならなんでも知ってるという影に私は興奮し、楽しかった遠い地元の中学と高校の思い出や漫画の話をさんざん語った。影は本当になんでもよく知っていて、2人で一日中何回も大笑いした。
「あーあ、大学にあなたがいてくれたらよかったのに。高校に戻りたいな。大学の子たち、話合わないんだもん」
そう言うと、影は困ったような優しい声で呟いた。
「今のあなたがこれからの私になるの。私は、あなたが写し出す模様。影は、未来を作れない…」
窓からさしこむ日が傾いていた。
「忘れないで。今のあなたにできることをどうか大切に」
あっと気づいた時には、影は消えて夜が訪れていた。
もしかして、影は私にこれを言いたくて話しかけたのだろうか。今をいじけて過ごしている私を、心配して…
今の私にできること。机の上の新歓のチラシが目に入った。
「漫研サークル、行ってみようかな…」
そう呟いて、鏡を見た。昨日よりはいい顔をしているような気がした。
電気をつけても、影は二度と私に話しかけてくることはなかった。
Fin
ここまで読んでくださり、ありがとうございました。
素敵なお題、画像をお借りしました。
ほんとうにほんとうに、ありがとうございます!
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