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長男と次男 39 《不登校実録》

なにもできていない僕


年が明けて3学期。
「新学期になったら学校に行けるかな?」
なんていう期待は、もはや持っていない。

ここまで傷の回復を優先してきたのに
3学期だからって、中学校生活最後だからって
学校に行って欲しいとは思わない、私。

無理に行って、次男が苦しむなら行かなくていい。
回復と充電の期間は十二分に摂りたい。
それが正直な気持ち。

僕はなんにもできていないなぁ…

次男が私に向かってボソッと呟いた。

少し好転していると私は思っていたけれど
本人の中ではなかなかそうもいかないらしい。


未来の自分に向けての行動ができない

将来に向けて勉強しなきゃいけないと
頭では思うが心がついていかない。

結局いつも通りの生活。
ゆっくり起きてゲームをして、ご飯を食べて寝る。
将来のことなんて考えたくないから
変化のない、安定した毎日にどっぷり浸かる…

どうにか英語教室やプログラミング教室には通うが
行く直前はめんどくさくて嫌でたまらない。
行けば楽しいのに、前向きになれないのだ、と。

◇◇◇


次男はまだまだ自分の気持ちを
うまくコントロールできていない。
そもそも大人であっても難しい場合も多いのだから
次男の年齢では仕方ないと思うのだけど
本人は自分の不甲斐なさが嫌なんだ。

その上、心の奥にあった澱みを吐き出し始めたから
自身の傷や黒い部分に面食らっているようだ。
次男は一層自分に自信がなくなっているのではないかと
私は感じていた。


今の自分の姿を


2024年に次男ができるようになったことなどを
ふたりで一緒に振り返ってみた。

「めんどくさいと言いながらも習い事に行ってるね。
そういえば、めっちゃ気合入れて修学旅行にも行った!
高校に行くと自分で決めて、入試も受けたよね。
なんにもしていないことなんて全くなくて、
むしろ相当前向きに歩いてると思うよ?」

そうなのかな…
そっか…確かにね…

「頑張らなきゃ!と思いすぎる必要はないんじゃない?
“今” の自分が楽しめるように、充実できるように
何をしようかな?って考えればいいよ。」

嫌だと思っていても、なんとか前に進むことができる。
自分にはちゃんとそういう力がついてきている。
次男は今の自分を認めて欲しい

「自己肯定感という言葉があるけど、
あれは、自分がすごい!と思うことではなくて。
しんどい自分やダメな自分もひっくるめて
自分はこういう者ですと認めること
だからね。
次男は “今” の自分をちゃんと見て欲しいと思うよ」

次男にはたくさん我慢させてしまってきた。
辛い気持ちを表に出さず、内側にため込んで。
心の内側にたくさんついた傷のことも
全部「自分」の姿だと、もう認めていいんだよ。

次男が驚いたような顔で私を見る。
そしてしばらく見つめたまま考えている。

「そっか…ありがとね」

咀嚼して吸収するにはまだ時間が掛かるのだろう。
だから私はいくらでも伝えるよ。


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