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【創作小説】まわれ!今川やきくん!日本の巻⑻
「♫じぃ〜んせ!い!! ら!く!あ!りゃ!!くぅ〜もっ!あっ!るっ!……ぜーーーーっ!!」
「♫ぺーーーーっ!」
出だしは やはり…水戸○門…。
「ところで、八兵衛殿…」
「八兵衛殿って…オレはシャケだ!」
「おお!これは 拙者も うっかり!失礼つかまった! ところで、八兵衛シャケ殿…。なぜ これが また うっかりしてしまったのだ?」
「あ、いやぁ…それがな…」
「うんうん。どない?」
「オレは回遊魚だ」
「怪獣!? シャケ殿は八兵衛じゃなくて、怪獣だったのか?」
「何をバカな…。回って遊ぶ魚と書いて、回遊魚!」
「ぎょぎょぎょーーっ!ならば オレと一緒じゃないか!」
「一緒?」
「そうだぜーーーーっ!オレも世界のスイーツと勝負しに世界中を回ってたんだ!日本のスイーツ代表として!ガハハ!」
「それはすごい!オレは日本のさらに北にある オホーツク海や ベーリング海、アラスカの海を回ってきただけだ」
「それだってすごいじゃないかっ!海の水、冷たくて寒かったろ?オレは寒さと水に弱いからなーー! シャケつえーーーーっ!!」
今川ダンボ…。褒めるトコ そこ?
まぁ…よい…。
「そしてだな。北太平洋を回り終えたオレは 故郷の北海道の川へ帰ろうと、ウキウキしながら海を泳いでいたんだが…」
「カーーーーーーツ!!楽しそうだな!やっぱり故郷はいいもんだよなーーっ!」
「途中の海で…『泳げ!!泳げ!!』って聴こえて来て…」
「八兵衛シャケ殿は 既に泳いでいるじゃないか!」
「そうなんだよ。だから声のする方を見たら そこに “たい焼きくん ” がいたんだ」
「ぎょぎょぎょーーっ!! な、な、なんと!! あの!昭和の歴史に残るほどのレジェンド!!」
「レジェンド?」
「そ、そうでござるよ! “たい焼きくん ”と言ったら ウチら鉄板スイーツ界の神!!!」
「神?そうなのか?なるほど 道理で…」
「んん? これまた この先も話が深そうでござるな!」
「そうさ! 今川やきくん、オレと たい焼きくんの話を聞いたら きっとおったまげる!」
「おったまげるだって!? 来たよ!来たよ!来たぜーーーーっ!!さすが神!!たい焼きカッケーーーーーーッ!!なんだかオレも!泳ぎたくなってきたぜーーーーっ!!」
泳げないくせに…。
続く