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【創作小説】まわれ!今川やきくん!ベルギーの巻(12)


「ほぅーら!さ!できたぜーーーー!」

「ぺ!」

「どら!顔だけ青い鳥よ、これをかぶってみなさい!」

「ぺぺ!」


もはや幸せならば 何でありと思い立ち、お店にあるワッフルの包み紙を一枚拝借(はいしゃく)、
黄色く塗ってハンカチ風を作成した水玉模様の今川焼き。

その黄色いハンカチ風をほっかむりした顔だけ青い鳥。


「あら!まぁ!ペーちゃんステキになったわ!」

「ピー!」

「ん!…だよなーーーーっ!無事、イースターの良き日に黄色くなって復活完了!幸せオーラをプンプン放ってるぜーーーーっ!」

「ぺぺぺペーーーーっちゃん!」


そ、そう?


「さあ!こーれーでっ!!命の伝統を受け継いだも同然だぜーーーー!うむ」

「ぺぺ!」


え〜!? イヤイヤイヤ…ハンカチほっかむりしただけだし…。


「ま、まぁ…そう信じましょうか。そう…伝統と言えば…さっきちょっと話に出て来たイースター島…」

「あ!ああ!モアイだぜーーーー!」

「そう!モアイ像があるイースター島はね、1722年のイースターの日に、オランダの海軍がこの島を発見したんですって!」

「へぇ〜!んじゃ、オランダの土曜の夜は『イースター!!不思議発見!! 』になるんだなーーーー!」



なりません。
今川やきくん、ふたたびボッシュート…。


「島の名前になってしまうくらい、イースターは 昔から特別な日だったのね」

「お!おお!そうなのか!そんな特別な島にあるモアイ像…。しかしだな…」

「しかし…?」

「モアイ像は 日本にもあるんだぜーーーーっ!」

「え?そうなの?」


イースター島より モアイ像にこだわる今川焼き…。

とどめのボッシュート…。




続く

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