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読書記録『史料でみる和菓子とくらし』

お久しぶりです。神崎です。
いつの間にやら、あっという間に時間が経っていました。
noteを始めた頃とは仕事も暮らしも変わって、やりたいことも少しずつ変わっています。けれど読書は相変わらず続けているので、出会った言葉をこれからも記録していければと考えている所存です。

というわけで、本日の読書記録はこちら。

史料でみる和菓子とくらし
(2022.4/淡交社/今村規子著)

月刊『なごみ』2020年の連載を単行本化。
錦絵や見本帳、茶会記、手紙など、さまざまな歴史史料の中から和菓子にまつわる記録を紹介し、昔の人々が年中行事の中で和菓子をどのように楽しみ、大切にしてきたかをひもとく読み物です。
「金平糖をかたどった明治初期の看板」「江戸時代の人気菓子店を連ねた番付」「菓子を所望する文豪たちの手紙」など、貴重な史料の数々は当時の庶民の暮らしや時代ごとの流行、甘党たちの和菓子愛を伝えます。
カラーの史料もふんだんに取り上げ、和菓子の文化史を目で楽しめる一冊です。

(honto商品説明欄より引用)

和菓子好きや、雑学や歴史小話が好きな方、日本語含め日本文化が好きな方に特におすすめな本です。史料と聞くと堅苦しいイメージですが全くそんなことはなく、カラーの写真史料も多くて読みやすい本です。特に合間に挟まれた和菓子トリビアがとてもおもしろくて好きでした。

私が特に好きな和菓子トリビアはこちら。

羊羹の由来って? 
なぜ羊羹に羊の字がつくのか、ご存知でしょうか? 実は、羊羹は本来、中国の羊肉の羹(とろみのあるスープ)だったのです。これを、鎌倉〜室町時代、中国に留学した禅僧が日本に伝えたのですが、禅僧は肉食が禁じられていたこと、日本に羊がいなかったことから、当初は植物性の材料を使った見立て料理として作られました。やがてその中身が独立して菓子になったと考えられています。

P.35「和菓子トリビア」より

羊羹に羊の文字が入っている意味を考えたことはなかったため、これには驚きました。手のひらに収まるような小さな甘味一つに、長い時間の中で受け継がれてきた歴史が存在する。そう理解すると、甘さの中の奥深さを更に楽しめて楽しいです。

他にも、大小という江戸時代のカレンダー的なものに登場する和菓子の話や、武士のお菓子作りの話、菓子袋やカタログの話などなど、和菓子を更に楽しめるようになる知識が豊富に詰まっていました。和菓子屋さんで和菓子を選ぶのが更に楽しくなりそうで、読んで良かったです。

ついでに、和菓子について学びたい方は『和菓子のアン』っていう小説もおすすめですよ。コミカライズも出ているので、読みやすい方からどうぞお楽しみください。

それでは今日はこの辺で。
次の読書記録で会いましょう。

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神崎翼
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