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読書感想文・読書備忘録017:『 会話を哲学する 』 著:三木那由他

読書感想文・読書備忘録017

『 会話を哲学する 』

著:三木那由他


ここでは、ざっくりと「概要」をご案内して、私なりの「感想」をラフにご案内しておこうと思います。
 
ここで紹介する本は、本来ならは、ご自分で買って読んでいただくだけの価値がある。そう思うからです。

 


概略


この本は、日常的な会話の中に潜む哲学的な側面を、フィクション作品を中心にゆっくりとした刺激的な1冊です。

この本の最大の特徴は、『ワンピース』や『鋼の錬金術師』といった人気漫画作品のゆっくりを例に挙げながら、会話の本質を「コミュニケーション」と「操作」という二つの側面から分析している点です。

著者は、これらの概念を大切にし、私たちが日常的に行っている会話の奥深いさと複雑さを浮き彫りにしています。

特に印象的なのは、会話における「マニピュレーション」の側面を詳細に論じている点です。


この視点は、多くの読者に新鮮な驚きを与えてくれたようです。

本書は、言語哲学の専門的な内容を、フィクション作品というなかなか難しい解説をすることに成功しています。

これにより、哲学書としては異例の幅広い読者層を獲得し、大きな話題を呼びました。

特に、マンガやアニメファン、創作活動に携わる人々からの勝利が大きかったことは注目に値します。


著者の三木氏は、分析哲学的な手法を用いつつも、従来の哲学者が人工例ではなく、フィクション作品から豊かな例を引き出すことで、より生き生きとした議論を展開しています。

これは、哲学的な思考実験をより身近なものとする試みとして高く評価できます。

この本は、無意識会話分析の本ではありません。

それは、私たちの日常コミュニケーションの中に潜む哲学的な広がりを読者に見せているように感じます。


会話の仕方を振り返り、言葉の使い方や相手との関係性について深く考えるきっかけを得ることができるでしょう。

総じて、本書は言語哲学の新たな地平を開く瞬間、一般読者に哲学的思考の面白さを伝える優れた著作だと言えます。

三木氏の鋭い洞察と平易な語り口は、読者に会話という日常ような行為の中に潜む驚くべき複雑さと魅力を再発見させてくれます。

『会話を哲学する』は、言葉と人間関係に興味を持つ全ての人々にとって、新たな視点と深い洞察を提供する貴重な一冊と言えるでしょう。



感想

 
まず、三木氏は会話に「コミュニケーション」と「マニピュレーション」という2つの要素が存在すると指摘しています。

これは、ビジネスにおいてリーダーシップや人間関係を理解する上で非常に重要です。

コミュニケーションの規範性として、会話の中で話し手と聞き手が互いに暗黙の約束事を構築していくという側面は、ビジネスにおける信頼関係の構築や、組織文化の形成に直結します。

チーム内で明確な期待を共有し、責任を明確にすることは、効果的な協働に繋がります。

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また、日々の会話を通じて組織の価値観や規範を浸透させることが、健全な組織文化を育む鍵となります。

一方で、三木氏は会話にマニピュレーション、すなわち相手の心理や行動を操作しようとする側面も含まれていると述べています。

これは、ビジネスにおける交渉や説得の場面で特に重要です。

相手の感情や行動に配慮しつつ自分の意見を効果的に伝える技術を磨くことが求められます。

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しかし、マニピュレーションを適切に使うには倫理的な判断力も重要であり、影響力を行使する際には慎重な配慮が必要です。

また、本書は会話の多層性についても深く掘り下げています。

表面的な意味だけでなく、話者の真の意図を読み取ることの大切さは、ビジネスにおける「行間を読む」力として重要です。

積極的に相手の発言を傾聴し、非言語的なサイン文脈を含めて総合的に理解する能力は、対人関係をより深く理解するために欠かせません。


さらに、三木氏は会話を通じて新しい意味や関係性が生み出される創造性についても指摘しています。

ビジネスにおいても、オープンな対話が新しいアイデアや解決策を生み出すための重要な手段となります。

多様な意見を尊重し、自由に議論できる環境を整えることで、創造的な解決策を見出すことが可能です。

本書は、会話を通じた個人の成長と社会的関係の構築についても深い洞察を提供しています。


会話は自己理解と他者理解を深める手段であり、これはキャリア開発やチームビルディングにおいても重要な視点です。

日々の会話を通じて自分の価値観や強みを明確にし、異なる背景を持つ人々との対話を通じて多様な視点を学ぶことが、柔軟な思考と成長に繋がります。

また、リーダーシップにおいても、会話は信頼関係を構築するための重要な手段です。

日々の会話を通じてチームメンバーとの信頼関係を深め、コンフリクトが生じた際には対話を通じて調整し、win-winの解決策を見出す力が求められます。


結論として、この本は、日常的な会話に潜む深い洞察を明らかにし、ビジネスリーダーや社会人にとって非常に重要な視点を提供しています。

コミュニケーションとマニピュレーションの二面性、会話の多層性、そして会話を通じた個人と社会の成長など、本書で提示されている考え方は、ビジネス環境にも直接応用可能です。

会話の創造性と可能性を強調する著者のメッセージは、将来のリーダーにとって極めて重要な指針となるでしょう。

この本は、私たちに日常的な会話の奥深さを再認識させるとともに、より豊かで効果的なコミュニケーションを実践するための行動を促しています。

この本から得た洞察を日々の生活やキャリアに活かすことで、私たちは個人としても組織としても、より深い理解と創造性を持って社会に貢献できるはずです。


これが「マーケティング&マネジメント セミナー講師の視点」で読み解いた「この本」に関する感想です。

アファリエイトではなく、単純な紹介です。
とても良い本ですよ。

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