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報連相には「想い」を乗せよ ― ただの伝書鳩になるな

仕事をする上で、「報連相(報告・連絡・相談)」は基本中の基本だと言われる。
だが、ただ情報を伝えるだけでは意味がない。

「私はこう思う」「この方向に持っていきたい」——そうした想いが乗っていなければ、単なる情報の中継点になってしまう。

私自身、営業をしているときに、クライアント同士の要望の板挟みになることがよくあった。
そのたびに、右から左へ、左から右へと、情報をただ流してしまっていた。
ある日、上司に「お前、伝書鳩か!」と怒られたことを、今でも覚えている。


1. ただの情報伝達では、仕事にならない

報連相をする側は、「とりあえず報告した」「連絡したからOK」と思ってしまいがちだ。
だが、受け取る側からすると、ただの情報を投げつけられても困ることが多い。

例えば、こんなやり取りを考えてみてほしい。

A:「クライアントから納期を1週間早めてほしいと言われました」

B:「それは厳しいですね。どうしましょう?」

このやり取りは、一見すると普通の報告のように見えるが、実はただの伝言ゲームでしかない。
Bからすると、「じゃあ、お前はどうしたいんだ?」という疑問が生まれるだけで、何の方向性も示されていない。


2. 想いを乗せた報連相の違い

同じシチュエーションでも、「想いを乗せる」とこう変わる。

A:「クライアントから納期を1週間早めてほしいと言われました。ただ、現状のスケジュールでは厳しいので、仕様の一部を段階リリースする形で対応できないかと考えています。どうでしょうか?」

B:「なるほど。その案なら、リソース的にも対応できそうですね。」

この違いは明確だ。
前者は、ただの「伝書鳩」になっているだけだが、後者は「問題解決に向けた提案」がセットになっている。

情報を流すだけではなく、「自分の考え」を乗せることで、話がスムーズに進みやすくなる。


3. 「こうしたい」という意志を持つことが重要

報連相の本質は、「単なる情報共有」ではなく、「意思決定のサポート」 だ。
そのため、以下のポイントを意識することが重要になる。

報告するだけでなく、「自分はこう考える」という意見を伝える
受け取る側が判断しやすいように、選択肢や提案をセットにする
「こう着地させたい」という方向性を明確にする

特に、クライアントワークでは、相手の要望をただそのまま持ち帰るのではなく、「現実的にどうするのがベストか」 を考えた上で報連相をすることが求められる。


4. 「伝書鳩」にならないために意識すべきこと

では、具体的にどうすれば「想いを乗せた報連相」ができるのか?
以下のフレームワークを意識すると、実践しやすくなる。

① 状況整理 → ② 自分の意見 → ③ 着地点の提案

💬 例1:上司への報告の場合
「○○の件ですが、クライアントから仕様変更の依頼が来ています」
「○○の件ですが、クライアントから仕様変更の依頼が来ています。ただ、全て対応するとスケジュールが厳しくなるので、影響の少ない部分だけ変更する形で提案しようと考えています。いかがでしょうか?」

💬 例2:チーム内での相談の場合
「A社から納期を早めるよう要望が来ています」
「A社から納期を早めるよう要望が来ています。現状のリソースだと厳しいため、短縮できる工程を見直して対応する方向で考えていますが、他に良い案はありますか?」


5. まとめ — 報連相は「自分の意志を伝える場」

💡 報連相は、ただの情報伝達ではなく、意思決定のサポートである
💡 「こうしたい」「ここに着地させたい」という想いを乗せることが大事
💡 伝書鳩ではなく、「考えを持った報告者」になることを意識する

情報を流すだけなら、AIでもできる時代だ。
だからこそ、人間が行う報連相には「想い」を乗せることが求められる。

ただの伝書鳩ではなく、「考えを持った仕事」をしていきたいものだ。


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