かなかわ

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最近の記事

(後編)寒覚鬼トンネル-ウルトラマックスGIGAジャンボ餃子店に幽霊現るの巻-

「ねえ、ユキちゃん……もしも、さ」 「なんだよ」 「もしも……わたしがさ」 「だからなんだよって」 「ユキちゃんと一緒に死にたいって言ったら、どうする?」 「なにそれ」 「一緒に死んでくれる?」 「……嫌だよ」 「そっか」 「うん」 「……」 「嫌だけど、さ」 「……」 「一緒に生きようって言うなら、別」 「ユキちゃん、わたしのこと嫌いなくせに」 「うん」 「一緒に生きてくれるんだ」 「……やっぱ、それも嫌」 「じゃあ……私、どうすればいい

    • (前編)寒覚鬼トンネル-ウルトラマックスGIGAジャンボ餃子店に幽霊現るの巻-

       願い事は口にすれば叶わない。  だとするならば、私たちは名付けられたその時から、願いは叶わないのだと呪われたようなものだった。 「幸せに恵まれるように」と願われた私、幸恵。 「美しく幸せになるように」と願われたアイツ、美幸。  私の家庭は父の浮気をきっかけに荒れ果て。  アイツは英才教育の末に引きこもるようになって。  私の家は壊れた。  アイツの家も壊れた。  私は家出を繰り返し。  アイツは家に引き篭もった。  私は誰とも連まなかったけど、  アイツは引き篭

      • 解決編だけどお腹痛い

        「皆様にお集まりいただいたのは他でもありません。この館の大奥様、西園寺キミ子さん殺人事件の犯人がわかったのです」  ざわ、と宴会用の鶴の間に集められた関係者がざわめいた。  だが……そんな中で俺は割と冷ややかな方だった。なぜなら、今回の事件に関して、俺は何一つ関係ない身だからだ。  断言しよう、俺は犯人ではない。  なんなら目撃者でもなければ、事件関係者でもない。ただのモブ。  現場となったのは、ここ、日本有数の元財閥一家である西園寺家が所有する屋敷、【華繚館(かりょう

        • 「おまえに口がきけたなら」

           なん、と声が聞こえた気がした。  布団の中で、ぼくはその声を聞く。ぼくだけの世界、その外から聞こえたはずなのに、くぐもっていない、声。  だからそれは嘘だと分かった。  偽物だと分かった。  硬く閉じていた瞼の内側が、また熱くなる。  止めていたはずの呼吸が、胸で詰まる。  どうしようもなくなって、溢れ出す。  もうあの子はいないのに、ぼくは苦しめ続けただけなのに。  それなのに。  なぁん、とまた声がした。  ぼくは身勝手にも腹を立てる。自分自身に嫌気がさ

        (後編)寒覚鬼トンネル-ウルトラマックスGIGAジャンボ餃子店に幽霊現るの巻-

          「毒々読書」2024年7月30日

          ・ヘイガイズ ・久しぶりの日記です。思えばこの日記も一年ですね。1th anniversary yeah ・一年を祝えるほど書いてませんが ・最近、やばい。マジでやばい ・何がやばいって……本を買いすぎなんですよ! ・このスクショに写ってるほとんどが、6〜7月にかけて買ってきた本の数々です。やばい!!!! ・とはいえこれ全部面白かった。おすすめです。特にプロジェクトヘイルメアリー、も〜面白かった。 ・「爆弾」も面白かった。なお、2が明日発売らしくて、なぜか一日前

          「毒々読書」2024年7月30日

          最終端世紀魔女神話大全集〜マジコロジック〜

          未完成。テスト 【最終章】 『おしまい』 その雷が落ちた時、わたしはこの世に生まれ落ちた。  これは単なるレトリックのような物。実際にはわたしの体には生まれ落ちてから十七年分の時間が重なっていた……と知ったのは後のこと。けれど……この時のわたしにはそれでもレトリックとは思えない、そんな確信があった。  焦れったそうな二度目の雷で、わたしは覚醒する。  目を見開き、雨に打たれ続ける泥に塗れた体を起こし、ゆっくりと振り向く。次いで、反対へと、ゆっくり。  大きな大きな失くしもの

          最終端世紀魔女神話大全集〜マジコロジック〜

          「スーパークリエイター」2024年5月15日

          ・お久しぶりです。半年ぶりくらいの日記ですね。俺が日記を書いているなんてこと知らない人も多いんじゃないでしょうか ・別に描くことがないとかではなかったんですが、マジで何となく今年になってから描く気が起きませんでした ・今年に入ってからの目立った出来事といえば、 ・フォロワー平均一万超えの絵師数人でオフ会行って、「skeb交換会しましょう!」って言われて死にそうになったりとか ・スムージー飲んでみたりとか ・デジタルサーカスの先行試写会に当たったりだとか ・いろいろ

          「スーパークリエイター」2024年5月15日

          「仕事の終わりと小説の始まり」2023年12月29日

          ・仕事が納まりました。ざまあみやがれ。2度と出てくるなよ ・仕事終わり、「ムフフ、今日は電車を乗り換えしてまで遠くの美味しいラーメン屋に行っちゃうゾ🩷」とスキップをしながら店に向かったところ、「本日スープ完売のためおしまいです」と書いてあって、その場に倒れ込んでしまった ・駅からもそこそこ歩くのに〜!!!! ・悔しかったので目についた別のラーメン屋に入った。美味しくなかったです ・図書館で「死体の汁を啜れ」と「踊るジョーカー」を借りてきました。どちらも既読済のミステリ

          「仕事の終わりと小説の始まり」2023年12月29日

          「メリー」2023年12月25日

          ・メリークリスマス。かなかわです。 ・彼女とかいませんが、俺はあんまりこういうイベントで「リア充爆発汁……( *`ω´)」とかはあんまり思わない方です。世間からの疎外感もない ・街が華やかに飾り付けられ、陽気なクリスマスソングが流れ、こじつけに近いクリスマスグッズが売られるあさましさを眺めると、なんだかウキウキしてしまう方です ・しかも夜には売れ残ったスーパーの惣菜コーナーのオードブルやらデカ皿飯が半額!!!!キャホホーーーーーーーイ!!!! ・ということで、今回は2

          「メリー」2023年12月25日

          「スーパー休日RPG」2023年12月10日

          ・ヘッダーは昨日仕事で行った五反田のイルミネーション ・マリオRPGをクリアしました。面白かった ・ゲームにおいて、俺は「製作者がここでこう感じてほしいと思って設置された演出」に弱いんですが、マリオRPGは製作者の「楽しめ〜!」という工夫が本当に多くて楽しかった ・セリフひとつとってもユーモアで、キャラの動きもコミカルで笑えるところがたくさんあった ・アレンジ曲もすごくいい。お気に入りは武器軍団戦と、坂道でのかけっこのやつ ・あ、原作の方は一瞬だけやったくらい ・

          「スーパー休日RPG」2023年12月10日

          「無人駅」2023年11月30日

          ・色々あって無人駅に取り残されました ・人生はこんなにも波瀾万丈なんですね、明かりが6畳ほどの駅舎しかなく、あとは山、そして森、暗黒 ・風の音なのか遠くを走る車の音なのかもわからず、人の気配がまるでない ・孤独…………………… ・近くに登山に向いた山があるらしく、登山をした人がノートを残していた ・開くと結構書き込みがある ・流石にプライバシーだから写真撮って載っけたりはしないけど、絵が上手い人は絵を描いてたりしてる ・子供が色鉛筆でこの駅を書いた絵もある ・

          「無人駅」2023年11月30日

          「貧乏です」2023年11月27日

          ・ハァ〜、働いても働いても全く金がありませんね。どうなってるんでしょうか ・こんな愚痴聞きたくないでしょうから、ここまでにしといてやりますが ・実は仕事の都合で横浜に丸一日いました。カス! ・寒かった〜、とにかく寒かった。仕事終わった頃には全身が凍りつき、手から氷の玉を発射して敵を凍らせつつ帰りました。 ・せっかく横浜に来たので、何か面白いものでもみて帰ろうかなと思ったものの、ちょうど先週横浜観光はしたばかりなので、チラッと赤レンガ倉庫みて帰りました ・これは赤レン

          「貧乏です」2023年11月27日

          「爆裂休日日記」11月22日

          ・一ヶ月に一回のペースになりましたね、お久しぶりです ・実は最近の私は超多忙。とにかく多忙でした。具体的に言えば、二週間という14日間の内に休みが一日しかないとか、そういうのでした ・カスが…… ・というわけで、ここ数日は仕事に休みをもらっていました ・その間色々あった ・イラストレーターのダイエクストさんにご飯をご馳走になったりしました ・ご飯500グラムに揚げ物やら肉やらがたくさん載ってる、「めしきんぐ」というお店のメイン的なメニューでした ・奢ってもらって

          「爆裂休日日記」11月22日

          怪物だーーーーーーーーーーーれだ

          今年の邦画、「怪物」の話をしていいですか?します あの映画のフレーズに「怪物だーれだ?」とあるせいか、「登場人物の中で“怪物”は誰か?」という“怪物探し”の映画として見る人が多い気がする そして、主人公の母や、先生を「主人公たちの気持ちに理解を示さない大人」として怪物認定している人も多い気がする でも、母親も先生も、「怪物」と言ってしまえるほどの悪性はないように感じた 主人公たちがあまりに何も言わない、そしてなんなら嘘を言う、隠し事もするせいで、動き方を間違えまくってし

          怪物だーーーーーーーーーーーれだ

          「創造神となってたので日記が遅れました」2023年10月6日

          ・久しぶりの日記ですね。9月は丸々日記無しでした。 ・理由はいろいろありますが、八月九月、そして十月は創作で遊びまくってるからです ・8月31日、講談社の某新人賞にミステリ小説を投稿しました。タイトルは内緒。 【あらすじ】  舞台は空の上に浮かぶ西洋の城。そこに住むのは魔法大戦にて崩壊した地上から逃げてきた子供達と、彼らを育てる悪魔の“先生”。  ある日、下界に降りていったはずの先生が、城の中の密室から瀕死の重傷で発見される。  心配した子供達が駆け寄ると、先生は凶暴化

          「創造神となってたので日記が遅れました」2023年10月6日

          シノマギア(試作)

          28% unmatched 〜氷像の視線〜 【シノマギア】と呼ばれる、被害者が死ぬ間際に見た一分間の世界を追体験する装置がある警察の話……という設定まで思いついたものの、実際そのギミックを使って何ができるか?を確かめるために即興で書いてみたものとなります。  ミステリ部分の謎とその解決のロジックだけは完成しているため、犯人当てはできますが、キャラや物語、世界観などはほぼ枠組みのみとなります。  ゲームのテストプレイのようなものとして、良ければと思い公開します。  要は、あんま

          シノマギア(試作)