燻されまくりの勉強会
灸法臨床研究会 お灸の学校10
日曜日は、江島杉山神社で行われた灸法臨床研究会の「お灸の学校」に参加してきました。
江島杉山神社 は現在の日本鍼術の主流となっている「管鍼法」(鍼管と呼ばれる管に鍼を入れ、わずかに出た鍼の柄を軽く叩くことで、ほぼ痛みを感じさせることなく刺入できる日本独自の方法)を確立した、江戸時代の鍼灸師 杉山和一先生が祀られており、鍼灸師なら一度は・・・と言われる神社です。免許取得から6年ご縁が無かったのに、今年は3回も詣でる機会を頂き、今回は初本殿での勉強会!タイミングって不思議ですね。
備前百会灸
夏にお寺で暑気払いの祈祷として行われる「ほうろく灸」をご存じですか?
素焼きのほうろく皿を逆さに頭の上に乗せ、その上にもぐさを置きに火をつけるお灸で、「土用の丑の日」に祈祷を受けると暑気払い・頭痛封じ・中風(脳梗塞)封じなどに効き目があると、古くから行われて来ました。
本来、お灸は「きゅう師」の国家資格保持者しか他者に行うことは出来ないのですが、「祈祷」の意味合いが強いため、お寺で夏に行われる行事となっています。
この「ほうろく灸」をヒントに、備前焼の土を使って専用のお皿を使い、「百会」というツボにお灸をするのが備前百会灸です。
セルフケアでも安全に使えるようにと考案されたお皿は安定感があり、万が一にも手が触れないように網の蓋ができる徹底ぶり。
直接灸のように「ツン」と熱が入ります。
「ツン」と来た後はタオルをかまして、ほんのり心地よい熱を感じているとトロンと芯から緩む感じがします。
「鍼灸重宝記」経絡要穴之目録には百会は、頭風・中風・言語謇渋・口噤み・半身かなはず・心煩れ悶へ・驚悸・健忘・痎瘧・脱肛・風癇・角弓反張・羊鳴・・・など様々な症状に効果があると記されています。
実技中には、背筋が伸びた感じ・肩こり・腰痛が楽になったといった感想が聞こえていました。
ネパール棒灸
棒灸はもぐさを和紙で巻いて棒状にした物です。
日本で使用する棒灸は直径1.8cm×長さ20㎝位で、身体から3~4㎝離れた所からかざして局所を温めるように使用します。
ネパール棒灸はネパールで医療活動をしている畑美奈栄先生のもとで生まれ、太さが2.8㎝!と通常の棒灸より太く硬いので、熱量が多いのが特徴で燃焼温度が600℃以上!!
手ぬぐいの上&一瞬とはいえ、直接身体に押付け、その熱を専用ミトンで押圧することで、身体の深部に浸透させます。ミトンの使い方で熱の入る方向を変えるなど、テクニック次第で幅広い使い方が出来そうと感じました。
東洋医学では「冷え」は万病の原因となるとされます。そんな冷えに対しこの強力な熱は素晴らしい対抗策となりえるでしょう。
竹ノ輪灸
伊藤瑞凰先生が戦後に始められた、小さな竹筒に、温灸用のもぐさを詰めて火を付けて使用する温灸療法です。
竹筒の半分くらいにギューギューにもぐさを詰め、火を付けます。竹筒が温かくなったら、皮膚の上でローラーのように転がします。
じんわりと温かい温熱刺激と、リズムよく皮膚を転がる心地よさでリラックスします。
灰が落ちるのでは?という恐怖心で結構緊張しながら施術しましたが、される側的には最高に気持ち良かったです。
鍼の痛みには強いのですが、熱に弱い私は学生時代の興味は完全に鍼に向いていたのですが、お寺などでも行われる位浸透していたお灸はバラエティーが豊富で最近になって楽しくて仕方ありません(笑)
今回のお灸は火力の強い=煙が沢山出るもぐさを使うので、院での施術にはちょっと向かない感じですが、鍼灸の経験のない方のとっかかりには良いのではないかな?と思いました。
寒い時期に開催されるシクロクロスの出展時にお試しして頂けないかな?と、練習始めています。