【文楽と雑記】増補大江山など
2024年4月27日(土)、28日(月)に、国立文楽劇場@大阪に、令和6年4月文楽公演を観に行きました。私は関東に住んでいて、基本的に遠出はしないのですが、文楽に限って大阪に行くことがあります。
以下、記録を残します。
■公演概要
4月公演は、29日(月・祝)が千穐楽で、公演も終盤のため、簡単に記載します。
第1部(午前11時〜):絵本太功記
第2部(午後2時30分〜):団子売、襲名披露口上、和田合戦女舞鶴、釣女
第3部(午後6時15分〜):御所桜堀川夜討、増補大江山
今回の目玉は、5月の東京公演でも披露される「豊竹呂太夫の十一代目豊竹若太夫襲名披露」だと思います。私は、文楽を見始めてまだ2年ほどで、こうした襲名披露を見るのは初めてです。代々継承される名跡について、まだ十分に理解出来ていないことも多く、少しずつ学んでいきたいと思います。
追記:
初代の豊竹若太夫(1681〜1764)は、竹本座に対して豊竹座を立ち上げた人物です。
そして、この豊竹若太夫の名を広めたのは、十一代目の祖父にあたる十代目の豊竹若太夫(1888〜1967)であると口上で話がありました。文楽が2つに分裂した際は三和会に所属し、その中心となって活躍したそうです。「命がけの浄瑠璃」という言葉が印象に残りました。
そして今回、十一代目の豊竹若太夫(1947〜)の襲名です。喜寿での襲名とありました。
※口上に加え、公演プログラムも参考にしたのですが、内容・文章表現ともに拙くすみません!
■文楽の鑑賞について
これまでの記事に何度か書いたこともあるのですが、私はまだ文楽の初心者であることもあり、床本を目で追うことに終始してしまったり、鑑賞の仕方が定まらないことが多くあります。そして、肩の力が抜け過ぎているというか、睡魔に襲われることもしばしばです。
それが理由ははっきりしないのですが、3月ぐらいから少し緊張感が入り、(しっかりしたご飯物より)喉ごしの良い蕎麦などを食べたいなと思う日が増えたのです。それに伴い、(能狂言や)文楽も少しは緊張感を持って鑑賞出来るようになった気がします。
今後どうなるか分かりませんが、こうした「オン」と「オフ」のスイッチを、もう少し自覚的にコントロールして行ければなぁと思います。一歩前進したようであり、課題が具体化したような点です。
文楽についてもう少し具体的に書くと、私は耳で聴くより、目で情報を追う傾向が強いので、取り敢えずは舞台の人形に目を向けるようにしました。
■(今回の公演の)感想
今回は、演目の中から「釣女」と「増補大江山」に絞って感想を書いてみたいと思います。
(1)「釣女」
「釣女」は、狂言をもとにした松羽目物で、妻を授かりたい大名と太郎冠者が釣糸を垂らします。私は、笑いが主軸になる演目は、それほど得意ではないのですが、最近は少しずつ楽しめるようになってきました。
(2)「増補大江山」
大江山に住む酒呑童子と源頼光の対決を描く『大江山酒呑童子』をベースとしています。「戻り橋の段」では、源頼光の配下である四天王の一人・渡辺綱と妖女・若菜の戦いが描かれました。
冒頭の画像でもあげていますが、今回初めて「ガブ」という「かしら」を見ました。童顔のようにも映る女性のかしらが、口がガブっと開く鬼のような形相に変わります。子どもの頃にテレビで見たことがあり、初めて実際に見ることが出来ました。
妖女・若菜の主遣いは吉田一輔さんでした。中盤、若菜が日本舞踊のように妖女の舞を見せます。細かな人形の動き駆使されているようで見応えがありました。
終盤は、妖女・若菜と吉田玉助さんが主遣いをする渡辺綱との一騎打ちです。上手い表現が見つからないのですが、気合が伝わってきました。もし、もう一度見る機会があれば、太夫の声や三味線の音楽にも耳を傾けたいです。
■最後に
28日(日)は、「絵本太功記」という作品を見て、関東に戻りたいと思います。
本日は以上です。