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【読書】CREATIVE DECISION MAKINIG 意思決定の地図とコンパス

 2023年7月16日現在、田村洋一さんの『CREATIVE DECISION MAKINIG 意思決定の地図とコンパス』を読んでいます。読了したというよりは、最近の自分の問題意識に合った本のように思え、その問題意識と照らし合わせながら読んでいる途中です。
 以下、メモを残したいと思います。本に記載されていることの整理というよりは、自分の考えや問題意識の整理が中心になると思います。


■私の最近の問題意識

 私は会社員です。①現状や事実を分析することは、ある程度出来る(得意な)ように思うのですが、②企画をして、前向きに物事を進めていくチカラは、正直弱いように思います。

 例えば、私が上司に報告する際、以下のようになります。
私「Aという観点からは○○になります。他方で、Bという観点からは△△になります。」
上司「分かったから、で、どういう風にしたいの?」
私「…」

 ここで、なぜ私は方向性を出すのに戸惑ってしまうのでしょうか。
 1つは権限の問題です。上司のタイプにもよりますが、自分の役職で方向性まで出してよいのか、など思ってしまいます。
 もう1つは、正解を求めてしまうが故に、不安になってしまうのだと思います。自分の考える方向性であっているのかな、間違ったらよくないな、などと考えてしまうのです。

 では、どうしたら自分で「こういう風にしたい。こういう風に変えていきたい」と考え、行動出来る人間になるのでしょうか。いくつか案を考えてみました。
 1つは、他の人に学ぶことです。同僚に学ぶこともありますが、過去の偉人の伝記や評伝を読んで学ぶことも出来ます。最近の伝記には、この人物のこういう部分が素晴らしい、長けているなど記載されているものもあります。しかし、スキルとして内在化させるには、まだ一歩足りないように思いました。
 もう1つ考えたのは、自己肯定感を育むことです。子供のときに親から受けた影響なども大きいように思います。「失敗しても、後から修正すればよい」など、一種ポジティブな感情を育むことが有用ではないか、と考えたりしました。

 本書では、上述2つのどちらでも無かったように思います。「問題解決型の意思決定」ではなく、「創造的な意思決定」について、いくつかの考え方や方法が記載されていました。次の項目で記載します。

■本書から学んだこと

 本書から学んだ点を、いくつか抜粋する形で記載してみようと思います。

問題解決と価値創造は別の方法である。本来ビジネスとは価値を創造する営みであり、どんなに問題を解決しても価値の創造に至る保証はない。いつのまにか主客転倒しているのだ。

p5「まえがき」より抜粋

間違えていい。いや、もしそれがリスク回避して安全を確保した上での計算に基づくリスクテイクであれば、大いに間違えたほうがいい。反脆く生きるのは間違いを愛することなのである。

p183「第7章 しなやかでしたたかな反脆弱性」より抜粋

主たる問いは「どんな結果を創り出したいのか」であり、「その結果のビジョンから見て今はどんな現実に直面しているか」である。このふたつの問いが緊張構造を創り出す。

p193「第8章 クリエイティブな意思決定の実践」より抜粋

「自分のために生きる」ということが道徳的であると同時に実際的なのだ。<中略>倫理的利己主義には葛藤がない。誰かのために何かをするのは自分の選択だ。他者を助けること自体は「自分のために生きる」ことと矛盾しない。それどころか、むしろ自分にとって大切な他者を助けることこそ真に利己的であり、「自分のために生きる」ことそのものなのである。

p209「第9章 客観主義哲学と倫理的利己主義」より抜粋

■最後に思うこと

 本の抜粋から、自分の考えの整理に戻りたいと思います。

  • 自分が将来どうなりたいか、それに対し、自分の現状はどうなのか、具体的に考えてみることが必要なように思いました。そのためにも、自分が何に重きを置いているのか、日頃から自分の価値観をある程度明確にしておく必要があるように思います。

  • 私は文系の学生で、これまで法学や政治学、経済学に触れることが多かったです。そこで当て嵌められる「モデル」は、契約であったり、交渉であったり、主体的で利己的な人間がベースにあったように思います。自分の利己主義を他人にも許すことが出来るか、という観点から修正や制限をかけることも必要になると思いますが、基本は利己主義であってよいように思いました。

  • また、「自由」と「平等」は、相反する(相克する)側面がある概念だと他の本で読んだことがあります。例えば、「自由」が激しい社会では格差が生じます。逆に「平等」を重視すると「自由」が制限されることがあります。私は、これまでぼんやりと捉えてきたのですが、最近、どちらを基本に考えるかというと、「自由」なのかな、と考えるようになりました。上述したのと同じように、修正・制限をかけつつ「自由」をベースと考えることが、よりベターな社会になるように思うのです。この点、もう少し議論を詰めないといけないのですが、ここでは省略します。

  • プライベートな空間なのか、ビジネスなどのパブリックな空間なのかにもよりますが、くよくよしがちな私は、パブリックな空間では、もう少し、自分にとって利益とは何か、どのように価値を増大させていくかなど、功利主義的に考えてみてもよいのかな、と思いました。

  • noteで、美術館に行ったり、舞台を観た感想を書いたりしていますが、何かしら創造的意思決定に生かせないか、考えたりもします。この点、具体策が見つかっていないのが現状です。今後、田村さんの他の本などを読んで、考えてみようかと思ったりしました。

 本日は、以上です。


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