福島第一原発のニュース 〜会計検査院〜
会計検査院で福島第一原発の検査をしていたので、その観点からコメントします。
福島第一の汚染水処理設備で排気フィルター破損 東電が公表せず交換
東京電力は13日、福島第一原発の汚染水を処理する多核種除去設備(ALPS)で、排気中の放射性物質を吸着するフィルターが25カ所中24カ所で破損していたことを明らかにした。2年前の点検でも25カ所すべてで破損が見つかっていたが、東電は当時、公表せずに部品を交換し、再発防止策も講じていなかった。
これだけ見ると、維持管理がきちんとできていないということで、会計検査院の指摘対象になりそうです。
実際、私は福島第一原発を検査した時に、フェーシングの維持管理が適切でないと指摘しました(背景金額203億円)。こちら↓で記事にしています。
ALPSには3種類あって、国の補助金(137億円)が直接出ているのは高性能ALPSと呼ばれるものだけです。そして、この高性能ALPSは、既存ALPS+増設ALPSの処理量だけで十分となったことから、長期間稼働を停止しています(検査報告に記載済み)。
なので、今回のニュースは、補助金の出ていないALPSの話と思われるので、会計検査院的にはやや指摘しにくいのかもしれません。
とはいえ、原子力規制委員会が問題視する前に会計検査院が見つけていたら、きっと指摘していたことでしょう。東京電力はいわゆる国有化の状態にあるため、補助金が出ていない事業であっても指摘ができるからです。
実際、私が指摘した前記のフェーシングについては、国の補助金は出ていません。
ただ、ALPSの検査は東京電力が出してくる資料を読み込むことが中心になると思われるので、ご丁寧にこんなことがありました、なんてことにはならず、端緒を掴むのも容易ではないでしょうね。
その点、フェーシングは表面を見れば容易に気付けます。それなりの放射線を浴びることになりましたが…。
会計検査院にご興味のある方はこちらもご覧ください。
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