梶舟景司

小説を書くなどしている。詳しくは固定記事にて。 連絡等はこちらまで kshi.kajifune@gmail.com

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    • 個人出版電子書籍(KDP本)の、〔新装改訂版〕をリリースしました

      ようやく出せました……。 Kindle Unlimitedの読み放題にも対応中。 無料サンプルだけでもお気軽にどうぞ。

      • ChatGPTに小説のあらすじをいくつか考えてもらったので、公開してみる

        ハイパーテクノロジーの急速な発展と共に、あらゆる分野に進出した人工知能チャットボット=ChatGPT。 しかし、それは”AIによる社会の変容に置いていかれるかも”という新たな社会的不安をも生み出すことになった。 日夜世間を駆け巡るAI関連のニュースに、梶舟個人としてはとりあえずOpenAIのアカウントを取得し、試しに使ってみることにした。 いわゆる「課金するほどじゃないか?」なライト層——『にわかAIユーザー』の誕生である。 (参考文献:https://v-storage.

        • 【掌編小説】うろ覚え・裸の王様

          「裸の王様のお話って、最後どうなるんだっけ?」 「裸の王様って、あの童話の?」 「そうそう。主人公が暴虐な王様に処刑されそうになるけど、妹の結婚式があるからって言って親友を人質に置いていくやつ」 「違う! それ違うお話混ざってる!」 「処刑されるのは自分なのに、親友を身代わりにするなんて、そんな最低な奴はその場で処刑されればいいのに」 「危ない! お前の思想が危ない!」 「それで期限までに戻ってくるんだけど、そしたら出迎えた王様が全裸で、『ばか者には見えない服を着てるんだ!』

          簡単なプロフィールと主な作品歴など

          ◆簡単なプロフィール梶舟景司(かじふねけいし)​。’92年埼玉県生まれ。小説を書くなどしている。 2018年頃からKindle ダイレクト・パブリッシング (KDP) での活動を開始。以降、Kindleでの個人出版、WEBでの作品発表、各種コンテストへの応募の三方面で創作を行う。 ​2020年「本が読める特別な彼女」の英訳がアメリカのSF誌『クラークスワールド』に掲載され商業デビュー。(→WEB版)『小説すばる』2021年5月号にエッセイを寄稿。 ◆連絡先ご連絡ご依頼等は以

          簡単なプロフィールと主な作品歴など

          【マトリックス・レザレクションズ感想】かつて「リローデッド」と「レボリューションズ」を観た映画館で「レザレクションズ」を観てきた(ネタバレ無し)

          映画「マトリックス」を初めて観たのは、続編の「リローデッド」公開前夜の、金曜ロードショーでの地上波放送だったと思う。 当時、かの有名な”体を反らせる弾除け”のことは、清涼飲料水DAKARAの小便小僧によるパロディCMで知っていた。「何年前の映画パクってんだよ!」という小僧のセリフがあったと思う とにかく、公開から数年遅れて僕は「マトリックス」を観て、そして魅了された。(注1)当時、僕は小学生で、(当時の小学生の間には)休み時間に友達と指をピストルの形にして、口で銃声を真似て

          【マトリックス・レザレクションズ感想】かつて「リローデッド」と「レボリューションズ」を観た映画館で「レザレクションズ」を観てきた(ネタバレ無し)

          全文無料公開の冲方丁『アクティベイター』読んだら面白くて、そしてある妄想が”アクティベート”された件

          こちらで読ませていただきました。↓ https://note.com/shueisha_bungei/m/mff26d5a978a4 現代東京を舞台とした、ノンストップ・アクション・サスペンス。わざわざ自分なんかが長々感想を書くまでもなく面白いので、まあ長々感想を書くことはしませんが…………一つだけ、どうしてもお伝えしたいことがあり、久々にnoteにログインした次第です。 (以下、敬称略。また小説の内容に若干触れます。) 亡命を希望し、中国から飛来した最新鋭ステルス爆撃

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          密航日帰り旅行に言い訳を

          2020/8/23 見出し画像を追加し、一部修正しました。  朝から一人の生徒の姿が見当たらないらしい、という噂を聞いたのは、週末の昼過ぎだった。  一応当然のこととして、週末は授業がない。食堂も空いている時間内に行けば食事にありつける。その日、僕が食堂まで下りて遅めの昼食(献立はエビのサラダとアサリのパスタでまあまあラッキー)をとっていると、向かいの席にいきなり座ってきたマキが言った。 「聞いたか? シンザキが学校を抜け出したらしい」  どこか興奮したような、同学年の男の

          密航日帰り旅行に言い訳を

          本が読める特別な彼女

           窓の外、よく晴れた初夏の空に大きなクジラが泳いでいる。空中なのだから浮いている、というべきかもしれない。  巨体に不釣り合いに大きな目がついていて、その目が私のほうを向いたと思った瞬間、みるみるうちにクジラの体は腐ったように不気味な赤黒い色に染まり、肉がぽとりぽとりと落ち始めた。  視線を窓から教室に戻す。白い内装の物理授業用ルーム。電源がついたままの〈教科書〉は、直前まで行われていた授業の内容を映し出したまま。  机の上に並んで置かれた私の色白な手を、無数の小さな黒い蟻が

          本が読める特別な彼女

          【掌編小説】風邪の(予防のために)手を洗え

          1 「完璧な手洗いというものは存在しない。完璧な人生というものが存在しないようにね」  昔、街へ来る前の僕が偶然知り合った石鹸職人は、僕に向かってそう言った。僕がその言葉の意味を本当に理解できたのはもっとずっとあとになってからだったが、それは僕にとって一種の諦めとして機能した。完璧な手洗いというものは存在しない、と。  しかし完璧な石鹸というものは存在する。僕はその存在を、街の店の棚で薄く埃をかぶっていた本の中の記述で知った。  完璧な――どれほど使っても決して無くな

          【掌編小説】風邪の(予防のために)手を洗え

          クリスマスにチキンを食べる理由

          あなたはクリスマスにチキンを食べる理由をご存知だろうか? クリスマスにチキンを食べる理由ーーそれが古代中国の風習に由来していることは、意外に知られていない。 古代中国では、毎日のように卵を産む鶏を富と子孫繁栄の象徴のように捉える文化があり、そこから「新年も幸多い年になりますように」という願いを込めて、一年の終わりの頃に鶏1羽をまるごとを家族で食べる風習があったという。 それを引き合いに出して、クリスマスにチキンを食べる風習を打ち出したのは、戦後の百貨店業界だった。 当

          クリスマスにチキンを食べる理由

          精神のなんとか

          本作は「精神のなんとか」というタイトルで短編小説などを競作するイベント「精神のなんとか祭り」応募作品です。 1 精神のなんとか 精神のなんとかとは、なんだろう。  困ったことに、これが「精神/の/なんとか」である保証はどこにもない。「精神/のなんとか」というおそらくは名詞であろう二語からなるフレーズであるかもしれず、あるいは「精神のなん/と/か」というバディ物のタイトルなのかもしれないのだ(ちょうど「ぐりとぐら」のような感じで)。  今、なんとなくスラッシュで単語らしきも

          精神のなんとか

          ベランダに鳩が来る度に追い払っていたら、ある日鳩が鳩の弁護士を連れてきた件

          ※画像はイメージです。 どうも! ここ数日急に寒くなってきましたね! ところで皆さん、家のベランダ等々に来る鳩を何度も追い払っていると、ある日鳩が鳩の弁護士を連れてくることがあるってご存じでしたか? 私の家(普通の賃貸のマンションです)でもよく鳩がベランダに来て、その度にフンで汚されたり、鳴き声がうるさかったりして困っていました。 そこで、来ていることに気がついたときは鳩を追い払うようにしていたのですが…… そんなある日!! とうとう鳩が鳩の弁護士を連れてうちに来た

          ベランダに鳩が来る度に追い払っていたら、ある日鳩が鳩の弁護士を連れてきた件

          #夜更けのおつまみ 顆粒の「ガラスープの素」

          同意はしてもらえないだろうけれど、顆粒のガラスープの素はお酒のおつまみになる。個人的には。 いかにもビールに合いそうなスナック菓子の、パッケージ裏に書いてある原材料表示を見てみてほしい。そこには結構な確率で「チキンエキス」や「ポークエキス」といった名前が並んでいるはずだ。 これらの添加物(調味料)はその名のとおり、動物系の素材から抽出した成分を凝縮したもので、注意して見るとスナック菓子以外の食品にもしばしば使用されているのに気づく。 例えば顆粒のガラスープの素。 つま

          #夜更けのおつまみ 顆粒の「ガラスープの素」