aisiteru、スペース、愛してる
言葉にできないくらい君が好き、なんて表面を撫でる清涼感を楽しむだけの言葉しか吐けない。樹立していた先人たちの、緑陰の葉擦れの音みたいな言葉を切り出したい。予測変換で産まれた僕たちの、電気信号のやりとりから脱け出したい。風流な言葉を、お遊戯会の紙飾りみたいに使いたくない。僕の血と肉と骨、全部の説明をしたい。肉体を切り刻んでも、存在の証明がしたい。
熱を持った口から出てきた、とりあえず愛してる、は温い風で、今日も街に吹き荒れる。激情のない人間はゆっくりゆっくり流される。髪が乱れて口の端に入っても、膝を突き合わせているのは迷惑か。僕には及第点が無くて、何点決められても、カウンターがストップしても、条件クリアにはならない。現実を知らない子どものままでは、次のステージに行けないのか。