オンライン個人塾で先生をしている私がやっている授業(英語編)【タイ移住日記2024/2/23-24】
ライター以外にもいろんな仕事をしているという話を他のnoteでもしたが、今日は個別指導塾で働いている時に考えていること、意識していること、どんな授業をしているかを書き出してみる。補習校(日本人学校のミニバージョンで、日本人が比較的少ない都市に設置)でも働いているので、そのときとの違いなども含みながら書いていこうと思います。
あくまでも、これはのんびりエッセイ書いている時とは違い、今後自分がどうしていこうかを考える仕事のついでに、公開したらいろんな考えを知ることにもつながるのではないか、と思い、あえて曝け出している。まあ、note1本分になるし、自分の低い自己肯定感も少しは上げられるだろうということだ。
海外在住の小中学生に教える
教えているのは日本国外に住んでいる子供たち。ご家族の駐在などで日本国外に引越しして、現地の日本人学校やインターナショナルスクールに通っている。今のところ現地校に通う子は担当していない。
担当しているのは英語・社会・国語
私は思いっきり文系人間(こういう区分も今の時代は無意味となるだろう。だれもがテクノロジーを享受しつつも、生成AIを使おうとなれば、効果的に文章を書かなければ、成功できない)なので、得意としているのは上記3科目。補習校では算数も教えなければならないのだけど、塾では算数得意な先生方がたくさんいるので、私は上記3科目だけ。
塾では基本的に教案などは存在しないので(学校の先生や私が非常勤している日本人補習校は教案付きの教科書を持っているので、それを利用して授業を組み立てる)、自ら授業を組み立てなければならない。
大前提でどういう心持ちで授業を進めているかについて書いたあと、各教科の教え方についてまとめてみる。
教えるときの心持ち
一番大事なのは子供の性格に合わせた授業をする
学校や補習校ではできないことを個人塾ではできる。その最たるものが、「一人一人の性格に合わせられる」ことだろう。
学校では色んな子供たちがいる中で展開できる授業は一つ。なので、全員が集中できるように、その間をとった授業をしなければならない。だが、それぞれ、得意・不得意、好き・嫌いがあるので、たとえ、一クラスの人数が少ない補習校であっても、全員が集中できる授業を行うのは難しい。というか、不可能に近い。
これ、大人でも同じで、大人はしっかり聞いているように見えても、頭の中では違うこと考えていたり、話した内容を100%インプットできる人なんていない。
個人塾ならではなのは、一対一で行うので、相手の性格を深く知ることができ、その結果やりたい事、やるべき事を絞り込むことが出来る。
長所探しをする。短所は探さなくてよい。
性格、は、特性とも言い換え出来る。やはり教えていると親御さんは「○○が苦手なんです」というのは教えてくれるが、「○○が得意なんです」と教えてくれることはめったにない。なので、塾の先生、補習校の先生どちらもだが、まずは各個人の得意なことを探す作業から始める。
短所は1時間その子と接するだけでわかる。深掘りせずとも自ずと見えてくる。一方、何も意識していないと、短所ばかり芋蔓式に出てくるので、頭を抱えることになる。
先生のメンタル的にも短所ばかりが見えていると、教え方どうしよう、あの子の短所はこうだから・・・と短所だけを補うことになる。まさにそれが日本の教育なのだ、と補習校で働き始めて感じた。良くも悪くも、補習校(日本人学校はよりそうなのだろう)は日本の公立学校と同じように運営されているので、みんなが同じラインに立てるよう平等教育が目的となってしまう。
個人塾では、もちろん親御さんが学校の授業で後れを取らないように、ということで子供の希望の有無関係なく、入れていることが多いだろう。なので、もちろん学校の授業に沿った学習を進めなければならない。
ただ、私は個人塾だからこそできるのは、その子の長所や好きなことを伸ばしてあげることだと思う。私はそれを進めてきた結果、生徒が積極的に勉強をして、授業も積極的に参加してくれるモチベーションを高めることが出来たと感じている。さらに副次的な効果として、嫌いな科目でも少しは頑張ろうと思えるようになったと言われた。
【英語】長文読解が弱い・・・テストで点を取れなかったと落ち込む生徒への指導法
期末試験が終わり、結果が返ってきた。私が英語を教える中学生は、初見の長文の問題で点数が取れなかったとのこと。保護者の方に聞くと、その学年にしてはだいぶ難しい問題が出題されている気がするとのこと。
それでテンションダダ下がりの中、生徒さんと保護者の方の総意で、国語の授業を英語に振り替えてもっと読解ができるようになりたいとのこと。
わたし的には、海外にいるお子さんなので、母語教育の時間を減らすのはちょっと・・・と思った(これについてはまた違う記事で書こうかな)が、私もクライアントの希望に沿うしかないので、国語の時間を英語の長文読解に充てることに。
その生徒は中1で英検なども未受験。学校と私の授業でしか英語は触れていないとのことで、中1の読解問題特化したものは世の中にはあまりない。なぜなら中1の教科書レベルで進めているとまだまだ知っている文法や単語が少なく、問題集が少ない。どうしようか、自分で作成する暇もないし、ただ単に問題を解くだけでは面白くないとも言われたし。。
私が編み出した案はこうだ。
Youtubeを最大限活用して、好きな洋楽の歌詞の長文読解にする。
これはどこかの本で読んだわけではなく、私の中学の英語の先生がやっていた手法を少し拝借させてもらった。
私が中学のころは薄型テレビをクラスに一台置こうというようなデジタル教育の最初期で今とは比べものにならない時代。インターネットを接続してYoutubeを見るなんて誰も考えない時代。
イケイケの中学校の英語の先生がやっていた方法
私の先生はラジカセと先生持ち出しのCDを持ってきて、授業の挨拶が終わるや否や、曲を流し始める。
プリントを配られると、そこにはその曲の歌詞が載っている。毎月最初にこのプリントが配られ、ラジカセから流れる歌詞を聞き取り、歌詞の穴埋め問題を解いていく。3回流されて答え合わせをするためにちょいちょい止めながらこの単語は何?と聞き、みんなで答える。そしてその曲を歌えるようになるのを目標に、毎回授業の冒頭10分で英語の時間なのにみんなで当時はやっていたイケてる曲(テイラー、アブリル・ラヴィーン、ワンD、ダニエル・パウター、ニッケルバックなど同世代の人には刺さるだろう)を大合唱。青春だ。
多分このT先生(ハンドボール部の先生で、私が所属していたサッカー部
のとなりでいつも練習していた。この授業も、そして部活の感じもかっこよく一番人気の先生だった。私は中2、3で英語の授業を担当してもらったので最高だった)の影響で、英語が好きだったのがさらに加速した。
ディズニー映画で英語勉強
私の授業では、このように、流行りのイケてる音楽を聴き、オンライン授業ということで歌詞の聞き取りは技術的に難しいのでそれはなしで、歌詞の持つイメージを考えてみようという授業を行うことにした。
生徒がディズニー好きということで、ディズニーの歌詞英語のモノを見てもらって知っている単語と文法は自ら読み解いてもらい、未習のものは解説したあとにどういう意味か読解してもらった。
その後、それだけでは面白くないと判断した私は、ディズニーだから丁度良いと思い、日本語版の歌詞と比較してもらうことにした。
私も年間会員でディズニープラスを毎年更新しているほど、ディズニー映画が好きなのだが、ディズニー映画のよいところは、ローカライゼーションしてくれるおかげでいろんな言語のバージョンが存在する。もちろん映画の世界観を壊さないように同じような文脈で訳されることは必須なのだが、よくよく読んでみると、若干ニュアンスで訳されていて、直訳ではない。翻訳されているのだ。そして日本語の音やリズムに合うように言葉が並べられている。
アナ雪ブームの際に「ありのままで」を翻訳した東京外大(私が落ちた大学だけど、自分が国際関係学を学んだ大学に入ってからは自分の言語学への興味のなさに気づいて入らなくてよかったと思った。言語学系の授業だけめちゃくちゃだった)の先生が話題になっていたが、私もその先生の記事を読んで、翻訳っておもろいなあということを再認識した。言語学はあまり好きじゃないけど。社会学は大好き。
この授業の良い点・悪い点
この授業の良いところは、楽しみながら勉強できる点である。実際に私の生徒が話していたのは、その子もディズニー映画が好きなので、ディズニーの英語バージョンを聞いたときの解像度が上がって、いつもと違う楽しみ方ができるというようなことだった。
そしてこの子は日本語ネイティブで、同年代の子と比べると国語で書いてくる文章もなかなかセンスがある。随筆を書く授業もしたが(どんな授業を塾でやってるねん、と思われる方は次回の記事をお待ちください!)、なかなか言葉選び、構成が無意識的にしっかりできている。
この言語に対するセンスもなかなか大事なところがよくないところだ。同じ授業をしたとして、英語の習熟度はあまり関係ないが、もともとの言語運用能力とセンスにだいぶかかってしまっている。
なのでこれが複数人の授業で行ったり、すべての生徒に対して有効であるとは正直思わない。
なのでぜひ生徒さんに合っている場合は試してみてほしい。
国語と社会編は次回!
書きすぎたので次回に回します。ここまで読んでいただきありがとうございました!
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