優しい処方箋
普段から後ろ向きだって言い放っていたとしても、
どうして好きなものがある時は前向きになれるのだろう。
生き方さえ左右されてしまう魔法。
自然と心が動く魔法。
この世界は魔法で作られている。
どうでもいいことをどうでもいいと笑える幸せ。
考えてることもどうでもよくなれたら、もっと自由?
ううん、それが好きな人にとってはどうでもよくない。
好きなもの奪っちゃいけない。
同じ場所で繋がったんだ。
ひどく憂鬱な日がある。
震えるほど怖がる日がある。
それでも心は次第に必ず解ける。身体は生きたがる。
時間がかかったとしても、決して急かしてはならない。
冷えきった体温も、凍える掌も、もう一度取り戻せる。
どうにも人の声が必要な時がある。
でも、それ以上に自分の声が必要な時がある。
同時には聞けないから、ちゃんと順番に、臨機応変に。
どちらかだけの声を大にしちゃいけないよ。
聞こえなくなってしまう。再生と停止の繰り返し。
どんな痛みを抱えてきたの?
どんな傷が残ってしまったの?
どんな思いがして、どんな感情を思い浮かべるの?
問い詰めたりしないよ、言いたくないならいいよ。
開くのは他人も自分も同じだった。
ずっと聞いてほしかった。だから私が聞くよ。
どんな言葉が今のキミに必要?
心はちゃんと分かって選んでる。
その時その時で欲しかったものは違った。
それを持ってる人の傍にいた。満たされるまで。
光や優しさ、希望や願い、涙、愛。
今はきっと勇気と翼が強い。
たくさん貰ってきて、たくさん一緒に探した。
欲しい時に必要な分だけ。
用法と容量は守ってね、なんてまるでお薬だね。
優しい処方箋。おまじない。お守り。
等身大の自分でいるために、
何でもいいから、自分の心にそっと持っておこう。