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【読書】仏教 心を軽くする知慧。齋藤孝。No.005


仏教 心を軽くする智慧 著者 齋藤孝

きっかけ


最初の疑問として、「日本は仏教の国のはずなのに、なぜ無宗教の国と言われているのか?」という疑問があった。
僕自身も、自分は仏教徒だという認識はない。
むしろキリスト教を信じる人たちのように、生活に根ざしている感覚が分からない。
考えだせばキリがないほど疑問が出てくるが、仏教とはという観点で何か知識を得たいと思っていた。

仏教の開祖はブッダである、正式名称を「ゴータマ・シッダールタ」。
仏教はインドから伝来した。
日本文化を外国人に紹介する際、侍、ハラキリ、寿司と来て「仏教」と言うのは少々言い過ぎだが、その仏教が日本生まれではない事自体、大人になってから知った。

著者の齋藤孝さんによると、仏教は
究極且つ普遍的なストレスマネジメント術と明言している。
「感情」「理性」「身体」をベースにストレス管理する。
ストレスを管理ができるのであれば現代人にとって実に知っておきたい技術ではないだろうか。
かなり現実的な考え方だが、ブッダ本人も現実主義者である。
下記の文章は冒頭の一文でブッダの言葉である。

そもそも仏教は実践することに意味がある
神にすがるより、自らの力で歩め

冒頭でこの言葉にぶち当たる。
実践することに意味があると言うところは理解できるが、神を頼らず自分の力で生きよとは、宗教にしてはやはり現実的である。

この世は苦。


中々辛い言葉であるが、これは真実である。
この言葉はブッダの思想の出発点と本書で書かれている。
私の解釈では
あなたの人生が苦ではなくて、この世は苦と言っているということ
皆さんにもこう捉えていただいて安心して欲しい。
皆それぞれ多かれ少なかれ何か問題を抱えているのは事実で、苦がない人などいない。
しかしエネルギーにしてしまう人もいる、燃料にして燃やして仕舞えばいいのだ。


読後の変化。


深呼吸でリラックスと集中できる

仕事のふとした拍子に深呼吸をすることにした。
これは自分の中でリセットや区切りという感じのイメージだが、それでも帰宅後の疲労感が少ないように思えた。
本を読む際にも呼吸を意識し、雑念をとっぱらい読み始めるようにしている先入観やただ否定的になるのを防ぎ、精読するための集中力が高まる。
合わせて何事も「修行」という感覚で行うことで、楽しくポジティブに取り組めるようになった。
ただ修行という言葉で嫌になってしまう方もいるかもしれないので万人受けする考え方ではないとは思う。


諸行無常の考えでウジウジしない

更に、些細なことを楽しむようになった。例えば川の流れに集中してみると脳をすごく休ませている感覚がある。
そうしていると悩んでいたことがバカらしくなるし、穏やかな気持ちになる。川の流れを見つめることで「諸行無常」を感じることもできる。
そうすることで更に自分の感情に意識的になることができる。特に怒りの感情に関してはかなり制御することができるようになった。
感情を意識的にコントロールできる事を知るだけでも、怒りが高まる前にかなり冷静に向かうことができる。感情に流されないということは、間違った判断もしにくくなる、良いことしかないのである。

まとめ。


この本は悟りに導く本ではない、しかし現代人の問題が、悟るよりもかなり科学的に自主的に解決できる考え方が書かれていると思う。
仏教を知るとう意味で、この本から入れて良かったなと思う。
難しすぎず、現代の人々の問題や、わかりやすい例えを使って楽しみながら読み進めることができた。
今後もっと仏教について深掘りしたいと強く思った次第である。
そして日本人は無宗教でもいいかもしれないと思った。
自分の問題をしっかり認識して、必要な時に仏教のエッセンスを取り入れ自分なりに解釈して、人生を穏やかに幸せに一生懸命生きることができれば、ブッダも怒りはしない。
そうブッダが起こるわけがない。

もし怒られたとしてもそれは、「諸行無常である」。



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