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初期スタートアップ向け:スタートアップ営業オペレーション

はじめに:本記事のターゲットについて

こんにちはジェイ(@junta_suzuki)です。
まずは、簡単に自己紹介がてらに最近のアップデートを。

【2019年版】インサイドセールス職フォロー必須のTwitterアカウント20選に選んでいただいたり。

上記、見ていただければなんとなく自己紹介になると思います!w
(なげやり)

さて、今回は「スタートアップ営業オペレーション」という記事をお送りいたします。普段、初期スタートアップ向けに勉強会でお話しさせていただくことを中心にnoteにしてみました。

・ BtoB営業に携わっている or 興味がある方
・スタートアップ経営者の方でBtoB営業をされている方
・営業としてのキャリアについて考えている方

のお役に立てれば幸いです。

営業外の方も、「うちの営業に見せよう!」とシェアしていただけるように頑張ります。

前提として、これから話すことは一つのケーススタディです。全ての事業に合致する営業オペレーションは存在しません。

カッコいいなと思った他人が着ている服を、自分で着てみても、カッコよくなかったりするのと同じです。(ありがち)

自分の事業、ビジネスモデル、戦略などに合わせた管理方法や営業設計があるはずです。そこを考えることが醍醐味だと思っています。

ただし、参考になったり、汎用的な部分もあるかと思いますので、ケーススタディとして共有させていただければ!
(細かい相談はDMくださいませ。僕でお力添えできることあれば、できる限りお応えさせていただきます。)

第1章 スタートアップ営業オペレーション:立ち上げ前夜

まずはじめに、スタートアップ営業オペレーションを立ち上げる前。
下記3つの準備についてお話しします。

A. マインドセット
B. 行動サイクル
C. 営業活動の背骨作り(言語化)

「どんなマインドセット」で「どのような行動サイクル」で、「どう背骨を作ればいいか」を解説していきます!

A. マインドセット

■「正しいもの」を「正しく売る」
まず絶対的に営業として大事なマインドは、「正しいもの」を「正しく売る」ということ。その顧客にとって「正しいもの」を届けるために、顧客の声を聞いてプロダクトにフィードバックする。そして、決して押し売りではなく「正しい売り方」で売るということ。

■「売れる営業」から「売れるようにできる営業」に
「売れる営業」が凄いというマインドから「売れるようにできる営業」が凄いというマインドにアップデートが必要です。固まったプロダクトを決まった売り方で売る営業から、固まっていないプロダクトの売り方を仮説検証できる営業が必要な時代です。

SaaSが盛り上がりを見せ、サービスが飽和していく時代。
営業として、小手先のテクニックより、本質的な価値をベースにしたコミュニケーションが必要になってきます。

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B. 行動サイクル

■顧客と自社の「反復運動」
「どういうものが欲しいか」(顧客のこと)と、「どうやって売るか」(自社のこと)を考えます。この反復運動こそが営業の力の見せ所であり、楽しいところです。顧客と自社の架け橋になるので、顧客へのヒアリング力と、自社の中での調整力が必要です。

■「痛み」を「強み」で解決
「顧客の共通課題(痛み)」を「自社の強み」で解決していきます。市場の課題を分かっているかどうか。顧客の課題を分かっているかどうか。答えは顧客が持っています。

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C. 営業活動の背骨作り(言語化)

どんな状況の
どんな市場の
どんな人に
どんな価値を
どうやって届けるか

上記、営業メンバー全員がスグに言えますか?
最初は仮説でいいので明確に一度、言語化しておくべきです。これがバチッと決まり、検証を重ねることがPMFの指標にもなると思います。ただし、市場環境は変わるので、検証は終わりません。

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下記、第1章 スタートアップ営業オペレーション立ち上げ前夜のまとめです。

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第2章 スタートアップ営業オペレーション:全体像

続いて、スタートアップ営業オペレーションを築く上での全体像を、目的と4つのSTEPに分けてお話しします。

■スタートアップ営業オペレーションの目的

「売るもの、売り方を検証し、価値提案し続ける」

■4つのSTEP

A. スタートアップ営業オペレーションを、4つのアクションに分ける。
B. 4つのアクションそれぞれにファネルを設計する。
C. 定義したファネルをベストプラクティス化できる運用を考える。
D. 具体的に各アクションで何をやるかのアプローチ方法を考える。

下記のようなアウトラインになります。

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まず先に、縦軸に全体像をA.アクション、B.ファネル、C.ベストプラクティス、D.アプローチの4つをもとに解説していきます。個々の詳細は後ほど横軸でお話しします。

■縦軸に全体像

A. アクション

はじめに営業活動を大きく4つのアクションに分けて考えます。
①ターゲティング、②マーケティング、③セールス、④ファン化です。図にすると下記のような感じになります。

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B. ファネル

続いてファネルです。
営業管理はつまるところ、ファネルの管理に過ぎません。ファネルを下に進めていくことが営業活動です。

各アクションごとのファネルを設計します。

ターゲティングでは、優先度に合わせたファネル。マーケティングでは興味関心度に合わせたファネル。セールスでは受注確度に合わせたファネル。ファン化ではファン度に合わせたファネルです。

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こんな感じです。詳しくは後ほど横軸解説にて。

C. ベストプラクティス

ファネルの定義を社内の共通認識としてハッキリ共有します。
「何をもってそのファネルなのか」を社内の誰もがわかる形で定義します。その定義も仮説に過ぎないので、絶えずメンテンスする意識を持ちます。

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D.  アプローチ

では、各アクションで具体的にどのようなアプローチ方法があるのかを洗い出していきます。

どうやってリスト作りするか。
どうやってマーケティングするか。
どうやってセールスするか。
どうやってファン化するか。

を考えるということになります。

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これで全部埋まりましたので、詳しく横軸で、1.ターゲティング、2.マーケティング、3.ベストプラクティス、4.ファン化についてお話ししてまいります。

◾️横軸に詳細

1. ターゲティング

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ターゲティングです。
初期スタートアップで最も需要な部分であり、ここがイマイチだとその後の全てのアクションの歯車が狂います。事業のビジネスモデルや戦略が大切になってきますので、明確な設計が必要です。

①リストを作成し顧客の母数を把握
まずはその事業を提案できる対象をできる限り全てピックアップします。この母数が売り上げの天井になります。

広く様々な業界に提案可能なサービスの場合は何万件という母数になり、業界がセグメントされたサービスは数千件となるかもしれません。まずはトップラインを知りましょう。

例)リストピックアップ方法
- 帝国データバンク
- SPEEDA
- 外部リスト作成会社
- 作業外注
- メディアからピックアップ
- Googleアラート
など

②優先度を定義し顧客を振り分け
続いてピックアップしたリストを優先度で振り分けます。ピックアップした会社の情報を抽出します。そして、営業戦略や優先度が立てられる項目を追加します。

売上高
従業員数
広告予算
業態

など

これにプラスして独自の切り口を項目として追加します。
ここかなり大事です。

〇〇のツールを使っている会社(ITリテラシーが高い)
〇〇に広告を出している会社(広告出稿予算がある)

など

ここの抽出が難しいほど、競合のリストと差別化できるわけです。ここが明確に絞れるほど、戦略が明確なはずです。

例)Basicなタグ
# 業種
# 決算期
# ブランド力
など
例)Customなタグ(独自な切り口)
# 他サービス導入有無
# 広告出稿情報
# LTV予測
# 調達タイミング
# サイトトラフィック
# 媒体掲載情報 
など

③議事録からのフィードバックで改善
最後に、運用することを忘れてはなりません。ある程度タタキのリストができたら、どんどんアクションし、ヒアリング結果や受注案件の分析をして、
ベストプラクティスを目指す。

「やっぱりリストの項目にSNSに広告出してるかどうかは必要だな」など。

A:戦略や状況をみて定義を緩めたり検証する
B:議事録フィードバックで定義のメンテナンス

まとめ:ターゲティング

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2. マーケティング

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マーケティングです。
先に振り分けた優先度Aファネルの顧客に対して、簡単でいいので興味関心度をスコアリングしてファネル化していきます。

①ファネル定義し顧客を振り分け
顧客の状況として、下記のようなタグを設定し、タグが多ければ興味関心度が高いと定義していきます。

例)興味関心度タグ
# メルマガ反応
# ホワイトペーパー
# 資料要求
# 他社比較中
# 見積もり依頼
# セミナー参加
# デモ依頼
# イベント名刺
など

②次のファネルに進めるアクション
上記のタグを収集して、興味関心スコアリングを上げるため(ファネルを進めるため)にとるべきアプローチ方法を洗い出します。

例)インバウンド
- メディア・PR
- イベント セミナー
- リファラル
- 問い合わせ
- ホワイトペーパー
など
例)アウトバウンド
- メールマケティング
- テレマーケティング
- セールスレター
- 展示会
など

③議事録からのフィードバックで改善
最後に、こちらも運用することを忘れてはなりません。興味関心度タグによるスコアリングが合っているかどうか、どんどんアクションし、ヒアリング結果や受注案件の分析をして、ベストプラクティスを目指す。

A:議事録フィードバックでアクション手法のメンテナンス
B:議事録フィードバックでスコアリングのメンテナンス

まとめ:マーケティング

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3. セールス

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セールスです。
ここでは優先度が高く、スコアリングも高い顧客に対して商談を設定していきます。大事なのは、ものすごく当たり前なのですが、「議事録をとる」ということと「確度を決める」ということです。

①ファネル定義し顧客を振り分け
BANTを参考にしてもいいですし、自分の事業で「この情報聞けたら確度高い!」ってものを検証。

仮説ができたら、議事録フォーマットに落とし込み、メンバー全員がそれを顧客に聞きます。これにより確度管理を社内で標準化します。一度決めたフォーマットを常に受注案件からメンテナンスすることも忘れずに。

例)確度定義
# 予算
# 決裁者
# タイミング
# テストクロージング
# 次回ミーティング
# 申込書
# 予算承認
など

②次のファネルに進めるアクション
商談後、確度を設定できたら、確度を上げるために、先ほど決めた確度定義タグで落ちている部分を攻めていきます。

「#予算」が落ちていたら、予算を把握できるようなアプローチを、「#決裁者」が落ちていたら、決裁者まで辿り着けるようなアプローチを。落ちているタグが多くて、確度が低い場合はマーケティングに戻します。

③議事録からのフィードバックで改善
ここでももちろん、一度決めた確度タグや議事録フォーマットも常に受注案件からメンテナンスします。

A:議事録フィードバックでアクション手法のメンテナンス
B:議事録フィードバックで確度管理のメンテナンス

まとめ:セールス

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4. ファン化

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ファン化です。
受注した顧客にファンになってもらいます。パフォーマンスを出すというのは大前提ですが、プラスしてファンになってもらえるようなアプローチを実施します。SaaSはもちろん、スポットの商材もアップセルやおかわり発注を狙うために、ここのアクションは重要です。

①ファネル定義し顧客を振り分け
ここまでと同じように、「これをしてくれていたらファンだよね」というものをタグ化して、ファネルを設計します。

例)ファン化定義タグ
# コミュニティ参加
# インタビュー
# 紹介してくれる
# 定例会議
# パフォーマンス
# 使用頻度
など

②次のファネルに進めるアクション
そして、ファン化ファネルを進めるために、上記タグで落ちている部分の提案をしてきます。いわゆるオンボーディング、カスタマーサクセスの領域ですね。

例)オンボーディング&カスタマーサクセス
- 導入支援
- オンボーディング
- メルマガ
- インタビュー
- 定例ミーティング
- コミュニティ
- ウェビナー
- 発信してもらう
など

③議事録からのフィードバックで改善
くどいですが、ファン化の定義やアプローチ方法もメンテナンスが大事です。受注した顧客の受注後の振り返りミーティングなどの議事録からフィードバックを得ます。

A:議事録フィードバックでアプローチ手法のメンテナンス
B:議事録フィードバックでファン化定義のメンテナンス

まとめ:ファン化

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さて、長々とお話ししてきましたが、スタートアップは時間がありません。
特に初期段階では、最速で最小単位でも仮説検証を回さねばなりません。

そこで、第3章「とはいえ、まずは....」をお送りします。


第3章 とはいえ、まずは....

とはいえ、まずは....

①リファラル営業
②一つのファネルでやる

を最速でブン回しましょう。

①リファラル営業

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ここまで、スタートアップ営業のファネル例を話しましたが、初期でぶっちゃけ一番大事なのは「リファラル営業」です。

①最優先リストつくる

②リファラル探しまくる

③最初のファンを探す

④何が何でもそのファンを成功させる

これができれば、営業もマーケティングも幅が広がります。この最小単位での仮説検証を最速でブン回しましょう。

リファラルで、ファンになってもらえて、成功させることができないと、そもそも、戦略だてて営業をしても無駄足になってしまうケースがあります。
「勝ち筋」をひとつでも多く最速で手に入れていきます。

②一つのファネルでやる

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元も子もない話ですが、ここまで 1.ターゲティング、2.マーケティング、3.ベストプラクティス、4.ファン化、4つのアクションごとにそれぞれ細かくファネルを設計していくお話をしました。

が、本当に初期段階は優先度Aの顧客リストに対して、一気通貫の1つのファネルでも十分です。初期スタートアップは上記4つのアクションを1人や2人で回すことが多いので。

大事なのはファネルの定義の明確化(タグ化)と、ファネルを進めるために落ちたタグを追加するためのアプローチ、定義(タグ)のメンテナンスです。

おわりに

長々お付き合いいただきありがとうございます。本記事をシェアしていただければ、泣いて喜びます。また、この内容自体もアップデートし、運用していくつもりですので、皆様の考え方などもご教示いただけたら幸いです。ケーススタディしたいです。

冒頭にもお話ししましたが、全ての事業に合致する営業オペレーションは存在しません。

自分の事業、ビジネスモデル、戦略などに合わせた管理方法や営業設計があるはずです。そこを考えることが醍醐味だと思っています。

本記事が少しでもその参考になれば幸いです。

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みなさまの事業を提案された企業がみんなハッピーになりますように。

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