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これまでの仕事の話③本屋

本屋は、なぜか落ち着く。
静かで、本に囲まれた独特な雰囲気がそうさせるのだろうか?

今回は、本屋で働いていたことを振り返ってみようと思う。


本屋の仕事内容

本屋の仕事といえば、どんなことが思い浮かぶだろうか?
楽そうなイメージをもたれている方もいるかもしれないが、本屋はなかなかの肉体労働だ。

仕事内容としては、レジ・接客・本の整理・荷受け・付録セット・売り場作り・店内清掃など…。

このなかで、荷受けが肉体労働だった。
毎朝、その日入荷する本を運ぶのだが、運送会社は店まで運んでくれないので取りに行かなくてはいけない。
大きな荷車のようなものと台車を使って、多いときは何往復もする。

本はとにかく重い。
夏は汗だくになりながら、運んでいた記憶がある。

楽しかったことは、付録をセットすること。
一冊ずつセットするのは時間がかかるが、開店前にするので世間話をしながらできるのが楽しかった。

本屋なのにCD担当

みんなそれぞれの担当をもち、売り場を任されるのだが、私はCDを担当していた。
本がメインの中に、小規模でCDも取り扱っていたのである。

音楽は好きなので、いち早く新譜をチェックできるのが楽しかった。
POPを書いて、売り場を作るのもやりがいがある。

ちょうどSuperflyがデビューしたての頃で、「彼女は売れる!」とPOPで大々的に推していた。
瞬く間にSuperflyは人気のアーティストになり、うれしかったのを覚えている。

本よりも音楽に詳しくなってしまっていた。

棚卸しが大変

大事な仕事の一つとして、棚卸しがある。
この棚卸しがとにかく大変で、もう二度とやりたくない。

やり方は二人一組になり、1人は値段と冊数を読み上げ、1人は電卓で計算していく。
これを一冊一冊、全ての本を行わなければいけない。

読み上げも計算も間違えられないので、とても神経を使う。
終わった頃には、どっと疲れていた。

店長が意地悪な人で、私が辞めるときに何ヶ所も他店の応援に行かされたのが印象に残っている。

職場の雰囲気がいい

本屋は私がこれまで働いてきた中で、人間関係がいい職場ベスト3に入る。
男女の人数の割合もバランスよく、店長を除いていい人ばかりで雰囲気もよかった。

これまで女性ばかりの職場で働いてきた私にとって、職場に男性がいるのが新鮮だった。

そのなかで、仲良くなった男性が1人いた。
Oさんとしよう。
当時、付き合っていた人がいた私は、恋愛相談をよくOさんにしていた。
男性の意見が聞けるのは、とても参考になる。

Oさんは前には出ないタイプだがおもしろい人で、私は謙虚でおもしろい人が好きなので、自然と惹かれていった。

恋の行方

ほんのり好意はもっていたものの、付き合っていた人がいたので気持ちに蓋をした。

それから月日は流れ、付き合っていた人とは別れてしまう。
別れたことはショックが大きく、すぐ次にいく気持ちにはなれなかった。

心に穴があいたような気持ちのまま仕事を続け、少し経った頃。
Oさんの新しい仕事が決まり、他県に行くことになってしまう。

もう会えないの??

そう思ったら「このまま離れるのは嫌だ」という気持ちが強くなり、Oさんに思いきって気持ちを伝えることにした。

気持ちを伝えると、お互い好意をもっていることがわかり遠距離恋愛…かと思いきや、最後は私が振られてしまうことになる。

詳細はわからないが、Oさんは遠距離恋愛に自信がなかったのだろう。
私も勢いだけでいこうとしていたが、先のことを考えると不安だらけだった。
結局は、これでよかったと思う。

仕事の話から恋愛の話になってしまった。
職場恋愛なんてないと思っていたが、惚れやすい私にはありえる話だと実感した。

今、本屋さんは閉店し、だだっ広い空き地になっている。
当時の私の心を表しているようだ。

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