『私たちにはことばが必要だ』
そんなタイトルの本を読んだ。韓国のフェミニズムの本だ。
韓国の状況は日本によく似ている。ジェンダーギャップ指数は先進国でもとりわけ低く、女性の権利が侵害される事件・出来事が多々発生する。家事育児の時間は女性が圧倒的に長く、賃金所得は女性のほうが低い。男性が優位で、権力を持つ側に立っている。
この本は、女性たちに『言葉』という武器を配っている。もちろん、無理に使わなくてもいい。使うかどうかは自分自身で決める。そもそも相手にする必要も、義務もないのだから。
武器は、誰かを傷つけるものではなく、自分の身を守るためのものだ。女性たちが戦う理由はそれだけで、男性をどこかに追いやりたいわけでも、敵対したいわけでもない。
男性たちは、理解しなければならない。なぜ彼女たちは戦っていて、自分たちは戦わずして暮らすことができているのか。男性たちが理解するためにどれほど女性たちが説明に努めているのか。そうして、ようやく理解した男性がどうして理解のある人だと褒められなければならないのか。
こうした痛烈な批判をうけて、男性である私たちは何を考え、何を変えなければならないのか。
(男性である)私たちにも、ことばは必要だ。多くの女性たちが語る日々の経験を、正面から見つめ、捉え直した言葉が。
カミソリのジレットが、男性に行動を促す広告を出し、話題になっている。
ジレットは、「僕らは信じる(We Believe)」と題された広告動画の主旨について、「いじめなど、『男だから』という言い訳で見逃されるような、"有毒な男らしさ"を象徴する問題行動を指摘すること」だと説明している。
男性にもできる行動はきっとある。現状を認識し、身の回りのことから少しずつ変わって、組織も変えられるように議論をする。たくさんの組織が変わっていけば、社会も変わる。
わたしたちは、たくさんのことばを知らなければならない。とりあえず、ジレットのカミソリを買いたくなった。
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