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「 史上最強の哲学入門 〜 東洋の鉄人たち 」からの思想


2022/3/19

事象①

事象①机の上に、丸い玉が二つあって、片方がぶつかって、止まっていたもう片方が動き出す。

事象①をもう少し具体的にわかりやすく説明する。

現象②

パチンコ玉を2つ並べて、左の玉を止めておき、右の玉をぶつけると、右の玉は止まり、左の玉は動く。

左の玉をAとして、右の玉をBとする。玉Aを固定しておき、玉Bをぶつけると、玉Aは動き出し、玉Bは止まる。

   Ⓐ          Ⓑ
       Ⓐ ← Ⓑ
    ⒶⒷ
← Ⓐ   Ⓑ

という事象があった時、これは、私の視点で起こった現象である。
私以外の視点からでは、違った現象になる。

現象③

鏡の中の私の視点では、この事象をどう捉えるか?

鏡の中なので、左右が逆転する。

右の玉を止めておき、左の玉をぶつけると、左の玉は止まり、右の玉は動く。

左の玉をAとして、右の玉をBとする。玉Bを固定しておき、玉Aをぶつけると、玉Bは動き出し、玉Aは止まる。

Ⓐ         Ⓑ
 Ⓐ → Ⓑ
     ⒶⒷ
         Ⓐ Ⓑ →

左右が逆転しているだけでは、ないことに注意したい。
左の玉をAとして、右の玉をBとしている。
これは、私たちが、左から、順番にアルファベットの順番で、記号ⒶⒷを割り振っているからに他ならない。
鏡の前の私の視点と、鏡の中の私の視点では、アルファベットの振り方が逆になっているのだ。

事象①としては同一であり、動いている玉と止まっている玉も物質として同じである。

私が鏡の前の視点の現象①と、鏡の中の私の視点の現象②では、左右が入れ替わっている。
そして、その現象を表現するときの記号ⒶⒷも入れ替わっている。

視点によって、左右も割り振る記号も異なる。
事象①としては、何の変化もない。
それをどういった視点で観察するかによって、全然違う現象になってしまう。

左右の視点を上下に変換させると、また、全然違った思考になる。

現象④

下の玉が止まっていて、上の玉が上からぶつかって、上の玉が止まって、下の玉が下に動く。


  ㊤
  ↓  ㊤
㊦ ㊦ ㊦ ㊤ ㊤
            ㊦
           ↓ ㊦

下の玉㊦って、なんで、最初止まっているんだっけ?
空中に静止しているのか?
その後も、上の玉㊤が止まっているのなんでだっけ?

事象①を左右を上下に視点を変えただけなのに、違和感を持つ。
左右にはなくて、上下にあるもの、重力である。

私たちは、重力のある世界に住んでいるから「 上下にあるものは、何かに支えられていなければ、下に落ちる 」と思ってしまう。「 物体は、空中に浮かばない 」という常識に囚われている。

事象①を左右を上下に視点を変えただけなのである。視点を変えただけで、事象は変わっていない。でも、私たちが「 なるほど 」とすんなり理解できないのは、私たちが、重力という世界に住んでいて、それが当たり前だと考えていて、常識にしか思えないからだ。

でも、事象①を左右を上下に視点を変えただけなのである。

現象⑤

上の玉が止まっていて、下の玉が下からぶつかって、下の玉が止まって、上の玉が上に動く。

        ↑ ㊤
        ㊤
㊤ ㊤ ㊤ ㊦ ㊦
   ↑ ㊦
    ㊦

現象④を逆さまにしただけである。
事象①を左右を上下に視点を変えただけなのである。

現象④の違和感どころではない。
意味がわからない、もはや、空想の世界である。
私たちに日常生活では決して見ることない世界である。

似たようなことであるとすれば、風船であろうか。風船が空に上がっていくのを毎日、そして、1日に何回も見ていれば、この違和感も少しは和らぐのかもしれない。

私たちは、日常から離れている世界を理解できない。
それが離れれば離れるほど、どんどん、理解できなくなっていく。

でも、事象①を左右を上下に視点を変えただけなのである。

現象⑥

事象①机の上に、丸い玉が二つあって、片方がぶつかって、止まっていたもう片方が動き出す。

机が、全く完璧な無色透明なテーブルになったとしたら?
-
「 空中に浮いてる玉がぶつかった 」くらいしか認識できない。マジックの世界にしか見えないので、物事を正しく認識することすらできない。「 丸い玉が二つあって、片方がぶつかって、止まっていたもう片方が動き出す 」ということすらわからなくなる。事象①の机が、無色透明になっただけで、もう、現実を捉えることすら、おぼつかなくなる。

事象①机の上に、丸い玉が二つあって、片方がぶつかって、止まっていたもう片方が動き出す。

机が、全く完璧な無色透明なテーブルになったとして、そのテーブル下から見ていたとしたら?

「 空中に浮いてる玉が落ちてきそうで怖い 」無色透明&重力の影響で、恐怖という感情を抱く。

もしかしたら、怖くなって、目を閉じるかもしれない。そうしたら、もう何も見えない。「 丸い玉が二つあって、片方がぶつかって、止まっていたもう片方が動き出す 」という事象が起こっていたとしても、それを認識することすらきない。

目を開けていても「 玉が動いた 」くらいしか認識できない。恐怖という感情は、人間の認知度を下げる。

事象①の机が、無色透明にして、下から見たら、現実を直視すらできなくなる。

現象⑦

100mくらい離れる。机くらいしか認識できない。
机の上にある、玉は見えない。

「 事象①机の上に、丸い玉が二つあって、片方がぶつかって、止まっていたもう片方が動き出す。」ということが起こっていることを認識できない。というか、玉がぶつかることすら、見えないし、わからないのだから、関係ない。

自分には、見えないところで起こっていることは、わからないのだからどうしようもない、もはや、玉のことなんて、どうでもいい。

誰かが、机の上の状況を説明してくれる。
「 玉が動いた 」
「 玉がぶつかった 」
そう言われても、見えないのだ。

見えないからどうしようもない、説明されても、見えないものは見えない。
やっぱり、どうでもよくなってしまう。

でも「 事象①机の上に、丸い玉が二つあって、片方がぶつかって、止まっていたもう片方が動き出す」は事実である。

現象⑧

事象①机の上に、丸い玉が二つあって、片方がぶつかって、止まっていたもう片方が動き出す。

現象②パチンコ玉を2つ並べて、左の玉を止めておき、右の玉をぶつけると、右の玉は止まり、左の玉は動く。

自分が左の玉になる。

自分が左の玉になったときの視点では、ある瞬間に、急に目の前から、玉が迫ってくる。銀色の自分と同じ大きさの玉が迫ってくる。

死ぬかもしれない。

自分と同じサイズの鉄球が迫ってきて、避けられないとしたら、ぶつかって死ぬかもしれない。怖い、怖い、ぶつかる、ぶつかる、あれっ、急に、銀色の玉が離れていっている。いや、もしかしたら、自分が動いているかもしれない。なんか、わからないけど、命拾いした。

現象⑨

事象①机の上に、丸い玉が二つあって、片方がぶつかって、止まっていたもう片方が動き出す。

現象②パチンコ玉を2つ並べて、左の玉を止めておき、右の玉をぶつけると、右の玉は止まり、左の玉は動く。

自分が右の玉になる。

自分が右の玉になったときの視点では、ある瞬間に、急に体が引っ張られる。目の前の玉に、磁石のように体が引っ張られて動いていく。

死ぬかもしれない。

このままだと、自分と同じサイズの鉄球に、ぶつかって死ぬかもしれない。怖い、怖い、ぶつかる、ぶつかる、あれっ、急に、銀色の玉が離れていっている。いや、もしかしたら、自分が動いているかもしれない。なんか、わからないけど、命拾いした。

現象⑩

事象①机の上に、丸い玉が二つあって、片方がぶつかって、止まっていたもう片方が動き出す。

宇宙から見る。

人もいない。誰もいない。もう何も見えない。重力もない。空気もない。何もない。自分が生きているのか、死んでいるのかすらわからない。自分が存在しているのかすらも、定かでない。ただ、意識だけがある。なんか、よくわからないけど、意識はある。

極視点という思想

私たちの視点は、様々である。

この現象①〜⑩も湯浅の視点でしかない。他にも無限にあるだろう。

湯浅の視点を変えながら、極視点というところまで展開した。
※極視点というのは、湯浅の造語である。

極視点は、悟りの境地である。
極視点は、仏陀の悟りの境地である到達点を、湯浅なりに解釈したものである。

仏陀は「 私は存在しない 」っていう。
意味が、わからない。

意味は、わからなくてもいいけど、意図の解釈は、必要だ。
物事を様々な視点で解釈して、拡張していくことで、意図に近づいた気がしないでもない。

意味は、わからなくてもいいけど、自分なりの解釈はあったほうがいい。
自分なりの解釈をするための、自分なりのやり方は、磨いておいたほうがいい。

  • 世の中の出来事や、自分にまつわる様々な出来事を、自分のメガネを通して、捉えなければならない。

  • 自分のメガネを通して見た世界を、自分のフレームに収めなければならない。

  • 何を見て、どう感じて、いつ、どこで、どの部分を抜き出して、フォーカスを当てるのか。

君は、何を写真に収めるんだい?


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湯浅淳一
あなたの琴線に触れる文字を綴りたい。

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