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ククブクの味見

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海外の料理本のことならククブクにお任せ! 優れたデザイン性があり、コンセプトにひとと風土と文化が見える海外の料理本「cookbook」を紹介するマガジン「ククブク」を、noteで…
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2020年10月の記事一覧

ポストコロニアルなcookbookの成熟期

Eaterが選んだ2020年秋のcookbook その6 春と秋はcookbookの出版が重なるシーズン。 新型コロナの影響があったとはいえ、2020年の秋シーズンもたくさんのcookbookが発売されています。 そんななかから、オンラインフードマガジン「Eater」が選んだ17冊をちょっとずつご紹介しています。 前回のストーリーでは、世界の人気シェフ、ヨタム・オットレンギのフレーバーを追求するcookbookと、ビャンビャン麺にフィーチャーしたNYの中国・西安料理レス

アナゴン・クムクム・チョウバチョウ・ゲツリ・シンシンニョーッ!

Eaterが選んだ2020年秋のcookbook その5 今秋発売のcookbookのなかから、オンラインフードマガジン「Eater」が選んだ17冊をご紹介しています。 前回のストーリーでは、アメリカの人気料理家が書いた、人気料理ばかりを集めた「最初の一冊」にぴったりなcookbookと、ノンアルコールドリンクの可能性を追求するcookbookをご紹介しました。 アメリカでは特に若者を中心にノンアルコールドリンクが流行っているということで、今後日本でも認知が高まってくるに

ノンアルコール・モータリゼーションの時代に

Eaterが選んだ2020年秋のcookbook その4 今年の秋に発売されるcookbookのなかから、オンラインフードマガジン「Eater」がピックアップする17冊をご紹介しています。 前回のストーリーでは、メキシコの家庭料理75種類以上を収めたブログ発のcookbookと、ニューヨークのパイ専門店による「完璧なバランス」のパイが作れるcookbookをご紹介しました。 『Pie for Everyone』はピザ作りのcookbookのように、最初に何種類かの生地作り

ライフ・オブ・パイ

Eaterが選んだ2020年秋のcookbook その3 ホリデーシーズンを目前に、今年の秋に発売されるcookbookの新刊17冊を紹介しているオンラインフードマガジン「Eater」。 この記事の中身を少しずつ読んでいってます。 前回のストーリーでは、オーストラリアにあるアフガニスタン料理店の初のcookbookと、腸にやさしいサワードウを使った甘いお菓子のcookbookをご紹介しました。 インドと中東のはざまにあるアフガニスタンは、料理もその両方からの影響が感じら

アフガニスタンは落ち着かない

Eaterが選んだ2020年秋のcookbook その2 今年の秋に発売されるcookbookの新刊のなかから、オンラインフードマガジン「Eater」がピックアップした17冊を順番に紹介しています。 前回のストーリーでは、オーブン用のブリキの平皿1枚で作る、ベイキング料理のcookbookをご紹介しました。 著者はイギリスの人気料理コンペティション番組『グレイト・ブリティッシュ・ベイクオフ』の初代王者でしたね。 ちなみに『グレイト・ブリティッシュ・ベイクオフ』は、現在第

虹のかなたにブリキの皿の魔法料理が

Eaterが選んだ2020年秋のcookbook その1 お待たせしました! 毎年春秋にお届けしている、フード情報サイトEaterのcookbook新刊情報。 その2020年秋バージョンが公開になったので、本日から何回かに分けて読んでいきたいと思います。 2020年秋のエントリーは17冊。 アメリカでは年末年始のホリデーシーズンに向けて、この時期にcookbookがどどっと発売されるのですが、 17冊というのはやや控えめですね。 今年は春に発売予定だったcookb

Re:もったいないから始まる環境保護生活

cookbookから環境保護をはじめる その3 アメリカの書籍紹介サイト「ブック・ライオット」(「書籍騒動」! かっこいい!)の8月25日付け記事をもとに、環境保護活動の助けとなるcookbookを10冊ご紹介しています。 前回のストーリーでは、Netflixドキュメンタリー『Cowspiracy:サステイナビリティ(持続可能性)の秘密』に連動したcookbook『THE PLANET BASED DIET』など、4冊をご紹介しました。 なにぶん気候変動という惑星規模の問

学ばざるもの食うべからずの時代へ

cookbookから環境保護をはじめる その2 アメリカの書籍紹介サイト「ブック・ライオット」の8月25日付け記事から、環境保護のためのcookbook10選という記事を読んでいます。 前回は2006年に発売されたオーガニックのガイドブック&レシピ集『GRUB』と、インド料理でヴィーガンを楽しむcookbook『ZAIKA』をご紹介しました。 「オーガニック」や「ヴィーガン」が、決して自己満足のものでなく、むしろ利他的、地球全体の将来のためにとりうるアクションであることが

異常気象のいま、世界は食の意識を変え始めている

cookbookから環境保護をはじめる その1 世界規模で異常気象が続いていますね。 一面がオレンジ色に染まったサンフランシスコなんて、もはやアンディ・ウィアーの『火星の人』の世界。 人間が住めなくなったら、地球の風景もこれが常態になるんじゃないかしらん? こうした異常気象(もはや「異常」ではない)は、環境破壊が原因だと言われていますが、実はCOVID-19などのこれまでにない新型ウイルスが発生するのも、