本当に思っていることを
表層的表面的な会話しかできないのがつまらなくて
もっと本当に心に思っていることを言葉にしたくて
詩を書き始めたと語る女詩人
彼女が毎日ながめた山のかたち
毎朝ながめた木のかたち
彼女の詩を読むと
涙がこぼれる
なにがつらいのかすら
わからなくなっていたことに気づいた
日々いろいろな人とたくさん話している
人前に立って話をする仕事までしている
でも
本当に思っていることは なにも言葉にできていない
言葉があふれるほどに
本当に思っていることと離れていく
一つずつでいいから
本当に自分が思っていることを 言葉にしてみよう
誰のためでもなく
自分のために
私の毎日
毎日ながめている山のかたち
毎朝ながめている子どもたちのすがた
(ノートに書かれていた断片より)