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枯井戸潤
2019年5月23日 09:18
証を探す暇もなく飼いならされた身体の奥で死滅しかけた闘争心がお前を呪っている岸壁にさしかかったら下を見るな骨を溶かす回顧を免れる術を身に付け屍を背に負ったまま生き恥を晒す覚悟を決めろ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・縦読み遊び
2019年5月16日 03:26
病の名を借りた虚無が僕の脳細胞を腐らせ始め少しずつ死んでゆくのを自覚しながら怠惰と諦観に身を任せると言葉は僕のもとを離れていった自らの感情に呼び名をつける術さえ失ってそれでも尚生きたがる自我を持て余す歪な器の中でとうに発酵した自己憐憫が鼻をつく酷く胸焼けのするその酩酊にも飽きた頃やっと踏み出したこの足は恒久的な怯えを刻むように今も震えている
2019年5月16日 22:59
僕は ずっと 枯井戸の底にいるこの枯井戸から水が湧いてくる事がもしあるのならば それは僕を 上まで運んでくれるだろうか それとも 溺れさせるのだろうか どちらでもいい この枯井戸から解放されるなら
2019年5月19日 15:39
真っ暗な公園のベンチに腰掛けてどこまで手が届くのかを 探ってみる 光と闇のハイコントラストの境界線に立ち 両側に片足ずつを置いたまま 卑劣な自己憐憫に溺れなくても存在を確かめられるのかを 探ってみる 何も不幸な事など在りはしない それでも闇に沈まなければ何も掴めない自分に イヤフォンで耳を塞いで外界から身を守るのはやめろ と もうひとりの僕が 逆らい難
2019年5月17日 09:20
生きたい と 紙に書いた見つめ続けるとそれはただの記号になった蛾がひらひらと舞い降り中身のない頭蓋に卵をびっしり産み付けると生きているかどうかすら判らなくなった苦悩は未だ形を成さない累積した紙屑の上で屍を晒すインクの滲みの造形に生きる意味を見出す僕が潜んでいる────────────────────これは、昔文筆スランプに陥った時 ある敬愛するアーティストの
2019年5月28日 11:36
長い年月を独り同じ場所で黙って佇んでいたそのピアノはそっと弾いてみると 調律の狂った哀しい音をたてた僕の一番最初の友達ずっと傍にいてくれた友達夢中になって遊んでそして 嫌いになった友達また遊んでくれる? と聞いたら調律師を呼んでくれ話はそれからだと言った
2019年5月21日 13:10
この期に及んで奇跡を待つ惨めな残骸が所在なさげに転がっている小さな部屋で口にするのも馬鹿馬鹿しいくらい仕様のない後悔を宥める始まらない物語それなのに終わらない 再生され続ける過去同じ季節が溶かし出す かの甘い夢を 獏が食べてくれるまで僕は食み続ける微かに香を残すこの指を部屋に鏡はないもうずっと昔に自己憎悪に焼かれてしまったから
2019年5月21日 13:15
存在が溶解していく 己にたったひと匙分の価値も在りはしないという苦しみも 幾多の甘やかな想い出も どちらも虚ろで まるで海の中で浮遊しながら他人の夢を見ているかのよう ここは何処だ? 思考が散り散りに霧散して 何ひとつ形を成さないのに 縋り付くようにペンを取る すべてが小さな羽虫の見ている夢ではないと 証明してくれる何かを 黄ばんだ紙の上で探す 探す
2019年5月19日 01:38
意識の右斜め後方から僕に無益な指示を与え続けていた声が聞こえなくなってからというもの僕は彼の沈黙のリズムに合わせて精神的貧乏揺すりを繰り返していたその振動はあまりに激しき為やがて家屋を破壊し僕自身を瓦礫の下に埋めてしまうだろう絹を裂く風音だけが聴こえる 瓦礫の下に