探る
真っ暗な公園のベンチに腰掛けて
どこまで手が届くのかを
探ってみる
光と闇のハイコントラストの境界線に立ち
両側に片足ずつを置いたまま
卑劣な自己憐憫に溺れなくても存在を確かめられるのかを
探ってみる
何も不幸な事など在りはしない
それでも闇に沈まなければ何も掴めない自分に
イヤフォンで耳を塞いで外界から身を守るのはやめろ と
もうひとりの僕が
逆らい難い強さで言い放つ
その声に従って不完全な静寂の中に身を投げると
夜は教えてくれる
無様なナルシズムを肥大化させることでしか
何ひとつ生み出せない事を
身体は緩い罰を受け続け
心はその理由もない罪に名を欲しがっている
僕は僕の存在が消えてしまう前に
探り当て
見つけ出さなければならない
鉛の扉の内側で僕を待ち続けている
その名を
そんなものはどこにもないという事実が
本当の罰だと
聞き分けのない僕はまだ
認める事が出来ないのだから
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