滲み
生きたい と 紙に書いた
見つめ続けるとそれはただの記号になった
蛾がひらひらと舞い降り
中身のない頭蓋に卵をびっしり産み付けると
生きているかどうかすら判らなくなった
苦悩は未だ形を成さない
累積した紙屑の上で
屍を晒すインクの滲みの造形に
生きる意味を見出す僕が潜んでいる
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これは、昔文筆スランプに陥った時 ある敬愛するアーティストの方に、書けなくなった時どうしますかと質問したら、 俗に言う「縦読み」で考えてみるとヒントをもらったので、それで書いてみたものです。
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