本当に寄り添うということ。コルチャック先生から学ぶ 本当の対人援助の姿勢
対人援助の世界やボランティアの世界では、寄り添うとか、伴奏型支援とか、安易に言われているが、本当に人に寄り添っている人はどれだけいるのか。自身の名誉欲や承認欲求ではなく、純粋な他者愛に基づいて寄り添っている人は、この世界には少ない。
もしいるとしたら、コルチャック先生である。コルチャック先生は、ユダヤ人孤児のために孤児院を設立し、そして最後には、200人の子供を見捨てることができず、一緒に強制収容所に行き、子供たちに寄り添い続け、その尊い命を失った。これが本当に寄り添うということである。そして、彼の尊い精神は、子供の権利条約というかたちに変わり、今もこの世界の子供たちを救い続けている。
もしコルチャック先生だったら、谷底に落ちてSOSを発する人を見たら、谷の上から励ますのでもなく、ロープを垂らして助けるのでもなく、自らの危険を冒してまでも、谷底に行き、手を差し伸べて、その人に寄り添うであろう。
対人援助やボランティアをしている若者に対しては、本当の対人援助について語る時に、コルチャック先生の精神を伝えたい。