AIの力で、日本の人材採用は変わるのか?
最近求人広告サービスや人材紹介サービスのCMで、「AIマッチング」という言葉をよく耳にします。
要するにこれは、転職サービスに登録した求職者の経歴やスキルを、AIがスクリーニングして、その人に合う企業を判断・マッチングさせる。
という技術になる訳ですが、こうした新しい技術は日本の採用現場の救世主となりえるのか?
筆者の所感としては、アメリカや欧米諸国では非常に有益な技術かもしれない。が、日本ではまだ難しい。
というのが正直なところです。
なぜか?
このAIマッチングは、あくまでスキルマッチングであり、人間性マッチングではない。
戦前より日本人が働く上で大切にしてきた、その人の人柄や協調性までは測れないからです。
和を重んじる日本人の性質とは、正直相性が悪い。
そして決定的なのは、もしスキルマッチングが主流になると、人材の短期転職が当たり前な社会が到来するということ。
これをプラスと捉えるか、マイナスと捉えるかは、その方の立ち位置によるでしょうが、人が辞めてまた採用をして…というサイクルが短スパンで繰り返されると、中小企業の体力がもたない。
言うまでもなく日本経済を支えているのは、9割を占める中小企業であり、その中小企業が採用する人にもっとも望んでいることは、「長く働いてくれること」ですから。
かたやアメリカや欧米諸国は、もともと個のスキルを重視するお国柄で、短期転職が当たり前。AIマッチングはアメリカや欧米諸国には非常に有益な技術と前述したのは、そういった背景からです。
AIによるスキルマッチングが日本に定着するかどうかは、人材業界に身を置く人間としては非常に興味深いですが、それでも我々は日本を支える中小企業の味方でありたい。
安心して長く働ける場所を探す、求職者に寄り添える存在でありたい。
そんな想いで求人サイトじょぶるを運営しています。
この記事をご覧になっている方の中には、人事に関わるポジションの方も多いかと思いますが、今や様々な採用手法が溢れすぎていて、取捨選択するだけで一苦労でしょう。
AIマッチングをはじめ、最先端と謳われている採用手法が最適解とは限りません。
世間の空気に惑わされず、自社に合う採用手法を、じっくり模索してみてくださいね。