【人事労務的視点】鬼平犯科帳・決定版第2巻【小説・マンガから学ぶ】
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私は、今まで様々なところ(現実社会でもネット上でも)で、鬼平犯科帳は、社会人のバイブルであるということを話してきましたし、noteでも下記のように記事にもしております。
ですが、具体的に「作品内容の、どういったところが現代でも人事労務的に役立つのか」ということはまだ記述していなかったということに気づきましたので、各巻でどのあたりが具体的に役立つ部分なのかということについて、書いていくシリーズにしていきたいと思います。
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1⃣ 第二巻各話のあらすじ
1.蛇の眼
長谷川平蔵は、剣友・岸井左馬之助を見舞った帰路で立ち寄った蕎麦屋にいた客を怪しみ、その後を尾行したが巻かれてしまう。
その男は、江戸で盗みを働き・平蔵へ暗殺者を送っていた大盗賊団の一員だった。
2.谷中・いろは茶屋
火付盗賊改方の同心・木村忠吾と、いろは茶屋の芸妓・お松。
二人は好き合っていたが、同心の忠吾にはそれほどの蓄えは無く、ついに資金が底をついてしまう。
しかし、忠吾の遊び金のために、お松の他の客・川越の旦那はぽんと十両をくれた。
3.女掏摸お富
平蔵は実母の生家・三沢家を訪ね、その足で王子権現によろうとすると、途中で鼻の頭に目立つほくろが付いている女性を見かける。
平蔵は、先日、鼻の頭にほくろのある女掏摸の話を聞いたばかりだった。
4.妖盗葵小僧
盗賊改方の密偵・小房の粂八が営む船宿「鶴や」に、明らかに様子のおかしい妙な二人組が現れた。
二人の店は大名屋敷へ出入りも許されたようなかなりの資産家だが、ある時から店の雰囲気ががらりと変わってしまったという。
5.密偵(いぬ)
めし屋「ぬのや」の亭主・弥市は、盗賊改方の与力・佐嶋の信頼出来る密偵の一人である。
あるとき、弥市の昔の盗賊仲間であった乙坂の庄五郎から、「ある男が裏切り者のお前の命を狙っているそうな」と告げられる。
6.お雪の乳房
若い頃から諸国を股にかけた盗賊・鈴鹿の又兵衛も60歳になった。
しかし、盗賊改方の活躍や寄る年波には勝てず隠居を考える。
部下へ渡すおさめ金(=退職金)を都合するため、江戸で盗みを計画するが、そんな折、又兵衛の姪・お雪は盗賊改方の同心・木村忠吾と良い仲になってしまう。
7.埋蔵金千両
岡山の浪人・太田万右衛門と名乗っていた小金井の万五郎は、名の聞こえた医者の診察を受けるものの、一向に回復する気配がないどころか悪化の一途をたどる。
寿命を悟った万五郎は、下女・おけいに千両ほどの隠し金の在り処を話し、掘り出すことを頼む。
すぐにおけいは出発したが、その日に診察に来た医者によって、万五郎はすっきり完治してしまう。
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2⃣ 本巻で、人事労務的に注目して欲しい・役立つエピソード
1.女掏摸お富
ポイントは、
① 情状から、初めはお富を「そっとしておいてやろう」とした
② その後、お富が悪の道へ踏み込もうとしていたところで「お富のためを思って捕まえる」ことにした。
というところです。
今も昔も、相手に対して(その段階で)厳しいことは行いにくいものです。
しかし、本人の為(先々のこと)を思うのであれば、厳しいことを行う必要があります。
また、初めに決めたことでも、状況によっては柔軟に変更する必要もあります。
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2.妖盗葵小僧
ポイントは、
① 捕まった葵小僧が最後の悪あがきに対して、平蔵は、全責任を自分が取ることで独断専行に走った。
というところです。
基本的に、慣例やルールというのは守らなくてはいけないものです。
平蔵のように、組織の長であればなおさらです。
しかし、守ることで世の中が乱れることが明らかな場合、守らないことによって、自分自身が激しい批判を受けることが間違い無くとも、世の中のことを考え独断専行に走った、という管理職として素晴らしい行いをしています。
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上記のように、鬼平犯科帳は人事労務に携わっている方(特に管理職の方)向けだけでなく、社会人全般に役立つバイブルと言って良いぐらいに、様々なエピソードが満載です。
皆さんの近くのコンビニ等の雑誌コーナーを見ると分かるように、鬼平犯科帳は小説だけでなく、マンガなど様々な媒体で出版されておりますので、皆さんの馴染みやすい形で読んで頂ければと思います。
また、TVドラマでも度々再放送されていますので、映像から興味を持つ方も多い作品であり、そちらのほうが感情移入しやすいことも間違い無いです。
時間が出来ましたら、第三巻についても記述したいと思います。
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