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【要約/ビジネス書】文系AI人材になる【野口竜司/東洋経済新報社】
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『はじめに』
今年は暖冬と言われていますが、突然雪が降ったりポカポカ陽気になったりと、体調を崩しやすい日が続いております。しかし、部屋で読書に勤しむことはそういった外の気候が全く関係ありませんので、最近読んで印象に残ったり、買ったまま積んでいたりしたビジネス本の感想を書こうと思います。
私に刺さった部分だけの要約ですので、内容に少しでも興味を持たれた方は、是非とも購入&全文の精読をおすすめ致します。
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ジャケ買いビジネス本シリーズです。
世間一般も私自身もAIというシステムに対して、何となく凄いもの・これから実際にどうなるのかが分からないものと思っていました。
しかし、表紙に「統計・プログラム知識は不要」と書かれているように、AIについて、文系人間に分かりやすい表現で書かれています。
本作を読むことで、文系人間が「これからの進み方・何が必要なのか」についての指針になる本だと思います。
本作の要点は以下になります
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第一章 AI社会で職を失わないように
1.AI失職は変えようのない事実だが、AI職がどんどん生まれる
「産業革命」「モータリゼーション」「IT革命」…。どんな時代でも職が無くなるのと共に、新しいタイプの職業が生まれる。AIについても、多くの「AI関連職」が生まれることが見込まれる。
2.仕事についてのスタイルは、分業のバランスで5つに分類される
①人だけで仕事をする
間接的にAIの補助が必要になる可能性があるものの、基本的に人だけで仕事をする従来型の仕事
(例)管理業務、クリエイティブ業務など
②人の仕事をAIが補助する
もともと人が行っていた業務を、AIが一部を代行・補助する仕事。
(例)営業業務、教育業務、企画・執筆業務など
③人の仕事をAIが拡張する
人が出来ない事・人がすることが難しいことをAIが拡張する仕事。
(例)高度な専門業務、予測分析業務など
④AIの仕事を人が補助する
AIがメインで業務を行って、足りない部分を人が補助する仕事。
(例)データ入力業務、電話応答業務など
⑤人の仕事をAIが完全に代行する
人の仕事をAIが完全に代行する仕事であり、AIによって無くなってしまう可能性が高い仕事。
(例)監視業務、注文・会計業務など
※AIを使って自身の価値を高める、「人間とAIの共働き」スキルを高めることが、これからの時代に必要になる。
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第二章 文型のためのAIキャリア
1.AIを作るのか、使うのかの判断能力が重要に
AIは作れなくとも使えれば良いし、AIを上手く使うことが出来る人がビジネスを動かす。
そして、理系AI人材は「AIを作り、現場で使いこなすためのシステム作り」をするが、文系AI人材は、「理系AI人材が行わない、AI活用に必要なすべてのことを行う」必要がある。
2.文系AI人材になるための4つのステップ
「文系AI人材」の広範囲の仕事領域において、共通に必要となるのは「AIと働くチカラ」である。
そのために、
① AIのキホンを丸暗記
② AIの作り方をざっくり理解
③ AI企画力を磨く
④ AI事例をとことん知る
という四ステップを学習する必要がある。
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第三章 AIのキホンは丸暗記で済ます
1.AI、機械学習、ディープラーニングの違い
一番広い意味を持っているのがAI、その中に機械学習が含まれる。
そして機械学習の一つの手法にディープラーニングがある。
ただ、ディープラーニングが特別な存在だったため、機械学習が脚光を浴び、AIの世界が急速に発展した。
2.三つの定義
① AI
人間と同様の知能を実現させようとする技術のこと。。
② 機械学習
学習により特定のタスクを実行できるようになるAI。学習に当たっては主に人が特徴(目の付け所)を定義する。
③ ディープラーニング
機械学習の一種。人間の脳の神経細胞(ニューロン)を模した学習法から発展。主にマシンが特徴(目の付け所)を自動定義する。
3.AI分類を機能別にすると4タイプ
① 識別系AI
見て認識するタイプのAI。人間が行ってきた「様々な単純作業」を担っていく。
(例)不良品の振り分け作業、テーマパークでの顔認証による入場など
② 予測系AI
考えて予測するタイプのAI。人間が行ってきた「データから先の予測を行い、判断を下していた作業」を担っていく。
(例)ローンの審査、ネットワーク監視など
③ 会話系AI
会話するタイプのAI。人間が行ってきた「会話をしながら行う作業」を担っていく。
(例)施設内の会話による案内、チャットボットや音声対応によるコールセンター対応など
④ 実行系AI
身体(物体)を動かすタイプのAI。前述した①~③までのAIを組み立てて成り立つAI。
(例)自動運転、工場内・倉庫内作業など
4.AI基礎用語を丸暗記する
アルゴリズム、アノテーション、ニュートラルネットワークなど。
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第四章 AIの作り方をザックリ理解する
1.AIは特長づかみの名人
AIは「ビッグデータがあれば精度が上がる」という事実から、AIは「たくさんのデータを丸暗記している」というイメージがあるが、そうではなく、AIは「たくさんのデータから特徴をつかんで法則を見つけ出している」と理解する。
2.AIは万能ではない
現代のAIは、「データを数値で把握しているだけ」であって、「データの意味合い・内容を理解している」という訳では無い。
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第五章 AI企画力を磨く
1.「変化量と実現性」を担保する
AIアイデアについては、AI導入後の変化量と実現性を重視する。AIは何でも出来ると過大評価をしてはいけないし、過小評価をすることもいけない。感性と論理を行き来することで、AI企画を小ぶりにしないことが重要。
2.AI企画の解像度をあげるには5W1Hが重要
① Who:誰のためのAIか
顧客の為・取引先の為・従業員の為、まずは誰を対象にするかを起点としてプランニングを始める必要がある。
② Why:なぜAIが必要か
満足・便利・売上げ・付加価値を増やすのか、不満・不便・コスト・作業時間を減らすのかを考える。
③ Which:どのタイプのAIか
第三章で説明した「識別系・予測系・会話系・実行系」のどのタイプを使用するのかを考える。
※「誰のために」×「なぜ?何のために」×「どのタイプの」AIを使うのか
までまとめると、企画が深まっていく。
④ What:どんなAIか
親しみやすく・内容が分かり易いように「名称」を決め、「AIによって出来ること」を書けば、「AIによって解決されること」までまとめることが出来る。
⑤ How:どう分業するのか
第一章で説明したように、人とAIが協働する場合には、その分業割合によってAIのタイプを変更しなくてはならない。AIに任せる範囲を狭くすることで、AI完成と運用のコストが低くなる為、導入のハードルが低くなることも多い。
⑥ When:いつまでにどう用意する
AIを「使うのか・作るのか」の方針を決めることから、どのように完成することが出来るかまで、スケジュールを立てることが重要。
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第六章 AI事例をトコトン知る-業種別×活用タイプ別の45事例
① JINS、似合うをAIでレコメンド
ディープラーニングを駆使し、自分に合ったメガネを探すことが出来る。
② 日経、100年分の新聞記事をAIで読み取り。精度95%
約100年分の新聞記事について、AIによるテキストデータ化を推進。古い新聞の文字についても自動で読み取れるAI技術を確立。
③ 日立製作所と三井物産、AIで配送計画するスマート物流
車両ごとの配送先・配送日時の割り当てや配送ルートの策定、熟練者が数時間から数日かけて作成していた配送計画作業を一時間以内でAIが代行するといった、AIによる配送最適化サービスを開発。
④ トヨタ、自動運転と高度安全運転支援で二重に安全を確保
主体はドライバーであり、安全運転の支援が主眼として置かれている。
⑤ ブリヂストン、AI工場で品質担保しタイヤを量産
タイヤ成形工程をAIにより自動化・自動制御。ボトルネック工程において、生産性は二倍・品質は15%向上。
⑥ JFEスチール、人物検知AIで作業者に安全を
AI画像認識技術を利用することで、立ち入り禁止エリアに作業者が侵入した場合に、ラインを自動停止させるなど、従業員の安全を確保。
⑦ 電通、天然マグロの品質をAIが判定
一人前の目利き職人になるには、約4000匹の目利きと約10年間の日数が必要の所、85%の評価が一致するAIを開発。
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第七章 文型AI人材が社会を変える
① AIによる「消費者」への変化
暮らし・情報取得・買い物の仕方・移動や対人コミュニケーションのあり方など、生活のあらゆるシーンにおいて、大きな変化が生み出されているしこれからも生み出される可能性が高い。
② AIによる「会社」への変化
手書き・電話・FAXなどのツールで行っていた業務について、業務の遂行ツールが大きく変化する可能性が高い。
③ AIによる「働き手」への変化
ブルーカラーだけでなく、ホワイトカラーへの影響も必至。
※ AIを作る専門家である「データサイエンティスト」については、各企業で体制が整備されつつあるが、AIを使いこなす「AI文系人材」はまだまだ不足している。
文系AI人材が社会をリードする時代が近い。
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私の記事は「簡単」にまとめることが基本なのですが、上記のようにかなりの分量になってしまったことで分かると思いますが、内容についてはかなり充実しています。
そして、私の記事内に記述してなくとも、かなり身になった内容は沢山ありました。
現状の正しい認識と、これから将来についての行動指針にもなり、凄くためになったビジネス本でした。
文系の方ならば、是非とも読んでもらいたい一冊です。
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