社会不適合者はいても、人間不適合者はいない
■石器時代の脳でスマホを操っている
現代は、かつてないほど技術が発展した
しかし、生きづらさを感じるのは、
私たちの脳自体の進化がそこに追いついていないから
生物は何万年もかけて進化をしていく
しかし人間は、たった１００年でこれまで生物が
抱えていた飢餓の問題を解決してしまった
そして生物としての正義でなく、
人間の世界の正義として世界を再構築した
その変化のギャップが生きづらさにつながっている
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社会不適合者はいても、人間不適合者はいない
現代は、かつてないほど技術が発展し、高度で複雑な世界になっています。
しかし生物学の研究では、人間の脳の構造が根本的に進化するとためには、何万年という単位が必要と言われています。
これを踏まえると、身の回りの技術や道具は発展しても、私たちの脳みそ自体は、石器時代と同じものを使用していることになります。
もしかしたら、現代人の悩みや苦しみ、生きづらさは、生物として進化しきれていないエラーなのかもしれません。
物事を考える際につい私たちは、今の価値観や認識から考えようとします。
例えば、倫理や、道徳というものは、現代社会に必要なものですが、その歴史自体は人類学から考えればかなり最近にできたものであり、無意識に馴染んでいるものではありません。
私たち人間も動物のように自然とともに生きていたことを考えれば、食料を確保すること、子孫を残すことを目的として、合理的になるように肉体も精神も設計されているはずです。
例えば、暴力的な犯罪者に男性が多いのは、生物学的に考えれば雄自体が、暴力や奪うことなどして食料を確保したり、雄同士が争い、生存競争に大きく関わっていたからだとされます。
同じ理由で女性がお金持ちの男やステータスの高い男に惹かれるのも、生物が本来もつ安定した環境で子育てをしたい、より強い子孫を残したいという、雌の行動としては、合点がいきます。
現代の人間社会は、たくさんの歴史を記録し、反省し、生物の本能のままではなく、極めて人間的な社会を望みました。
しかしこれは、本来人間が動物として持っている習性や本能を意図的に封印することを意味します。
そして現代人の苦しみは、ここにあるのです。
私たちの設計は、そもそも石器時代ベースであるのに、システムだけが発展したため強引に人間らしく生きているともいえるのです。
何も自然の本能のまま生きることが正しいことだとは言うのではありません。
ただ、長い人類の歴史から考えれば、現代のルールに適応できないことは、不思議なことではないのです。
最近の言い方をすれば、社会不適合者が現れるのは、当然なのです。
そして、社会不適合者は、生物的な背景を考えれば人間適合者なのかもしれません。
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