すぎっち

平成11年司法書士試験合格、登録24年目の司法書士です。甘いものとジンジャーエールが大好きです。ここでは読んだ書籍の感想とお薦めの実務書の紹介のみをアップしていこうと思います。

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平成11年司法書士試験合格、登録24年目の司法書士です。甘いものとジンジャーエールが大好きです。ここでは読んだ書籍の感想とお薦めの実務書の紹介のみをアップしていこうと思います。

最近の記事

赤ずきん、ピノキオ拾って死体と出会う。

前作『赤ずきん、旅の途中で死体と出会う。』の続編です。 今回の題材は、『ピノキオ』・『白雪姫と7人の小人』・『ブレーメンの音楽隊とハーメルンの笛吹男』・『三匹の子豚』で、連作になっています。 今回も童話を大胆に改作し、悪意を混ぜた残酷劇に仕上げていますが、前作よりは少しマイルドになっています。 私的には、赤ずきんがピノキオのために一所懸命なところに好感が持てたので、前作よりも本作の方が好みです。

    • むかしむかしあるところに、やっぱり死体がありました。

      『むかしむかしあるところに、死体がありました。』の続編です。 今回は、『かぐや姫』・『おむすびころころ』・『わらしべ長者』・『さるかに合戦』・『ぶんぶく茶釜』が題材となっています。 「竹取探偵物語」は、ハードボイルドタッチの内容で密室殺人を解決していく内容です。 「七回目のおむすびころりん」は今流行りの「時間ループ」ものなのですが、着想は良いものの、さすがに7回は回数が多すぎますし、「一回飛ばし」とか妙な出来事が入ってくるので、途中で訳が分からなくなったきらいがありました。

      • 世界でいちばん透きとおった物語

        「話題の本」ということで読んでみました。 今のところ、今年で一番面白い本だと思います。 ミステリーとしては、数多く張られた伏線の鮮やかな回収が見事でした。 それ以上に驚いたのは、本に施された仕掛けです。 最初から少し違和感を覚えながら読んでいましたが、ラストでその違和感に納得し驚愕しました(これ以上書くとネタバレに・・・)。 電子書籍化もできないし映画化も漫画化も無理なことに納得です。

        • 俺ではない炎上

          『六人の嘘つきな大学生』、『九度目の十八歳を迎えた君と』、『教室が、ひとりになるまで』で、その華麗なる伏線の張り方に注目していたので、本作は注意深く読み進めました。 途中、「?」と思うところがあり、「なるほど。今回のトリックは〇〇トリックだな」と目星はついたのですが、肝心の真犯人については見当がつかず、結末を知って「そうだったのか!」と納得しました。 近時、SNSでの炎上や他者を傷つける行為が問題となっていますが(私も被害に遭ったことがあります)、その多くは悪意ではなく無自

          やらかした時にどうするか

          失敗したときにどう対処するか、失敗を糧にどう成長すべきかについて、高校生・大学生をターゲットに書かれた本です。 実は、昨年事務所のメンバーが大失敗をしてしまいまして、「どうしたら同じような失敗を起こさないか」を考えるために購入しました。 失敗の原因を解明する「逆演算」、新たな価値あるものを生む「創造的思考」と「思いつきノート」など、ポイントが簡潔に書かれてあり、大変勉強になりました。

          やらかした時にどうするか

          ポワロと私~デビッド・スーシェ自伝~

          2014年に刊行された『Poirot and Me』の邦訳版です。 刊行された当時、英和辞典を片手に頑張って読みましたが、私の拙い和訳はものすごく堅苦しく、非常に読みにくかったので、きちんとした邦訳が刊行されるのを心待ちにしていました。 そして昨年ようやく刊行されたのです。 ポワロを演じたデビッド・スーシェ氏による自伝でして、「名探偵ポワロ 」以外にも「名探偵ポワロ」撮影時に携わった他のドラマ・映画・舞台のことも書かれています。 また、全70話で共演した俳優陣、スタッフ、

          ポワロと私~デビッド・スーシェ自伝~

          『名探偵ポワロ』完全ガイド

          NHK等で放映された『名探偵ポワロ』全70話を英国文化研究の視点から解説した本です。 テレビ版の『名探偵ポワロ』全70話を解説した本は、これが初めてですし、読みごたえがあります。 ただ、多くの情報を盛り込みすぎて、文字が小さいのが難点。 新書サイズではなく、A5サイズで刊行していただきたかったです。

          『名探偵ポワロ』完全ガイド

          教室が、ひとりになるまで

          またまたご無沙汰しております。 『六人の嘘つきな大学生』が面白かったので、「他の作品も読んでみたい」と思い買ってみました。 ある高校で起こった不可解な自殺を遂げたクラスメート達の謎を追うミステリーです。 犯人は割と早い時期でわかるので、あとは「どのようにして犯行を行ったのか?」と犯人の動機を解明していく展開です。 『六人の嘘つきな大学生』と同じく、本筋から外れていそうな何気ない会話だったり、あらゆる細かな描写が、意味のある伏線として全て回収される構成が素晴らしく、作者の筆

          教室が、ひとりになるまで

          六人の嘘つきな大学生

          ご無沙汰しております。 この本も京都新聞で紹介されていたので、面白そうだと思って読んでみました。 大人気企業の就職活動最終選考で起こった「事件」とその「犯人」を巡るミステリーです。 とにかく巧みに張り巡らされた伏線と叙述トリックが素晴らしく、最終ページまで展開される作品の構成に圧倒されました。そして、結末の切なさに涙してしまいました。 物語中、「月」が象徴的な存在として登場してきます。 それは、人間には誰しも様々な一面があり完全な善人・悪人などいない(月は地球からは表側し

          六人の嘘つきな大学生

          僕の神さま

          京都新聞の日曜版の「書評」コーナーで紹介されていたので、面白そうだと思って読んでみました。 タイトルからすると、ほのぼのとしたミステリーを想像していたのですが、それは第1話の捨て猫、亡くなったおばあちゃんの桜茶を巡る話だけで、第2話以降は、DV、殺されたと噂される同級生の女の子と「呪いの本」、エピローグ(伏線の回収と謎の解明)と段々テーマが重くなっていきます。 僕(主人公=佐土原)のように大人に頼るというのが小学生らしい解決方法なのですが、神さま(水谷君)のやり方は違いま

          僕の神さま

          赤ずきん、旅の途中で死体と出会う。

          前作『むかしむかしあるところに、死体がありました。』の続編です。 今回の題材は、『シンデレラ』、『ヘンゼルとグレーテル』、『眠れる森の美女』、『マッチ売りの少女』で、連作になっています。 前作は、アリバイ、ダイイング・メッセージ、倒叙、叙述トリックといったトリック主体でしたが、本作はトリックという点では薄味なのですが、その代わりに、童話を大胆に改作し、悪意を混ぜた残酷劇に仕上げています。 特にマッチを夢見る麻薬に見立てて、「薬物依存」をテーマにした「少女よ、野望のマッチ

          赤ずきん、旅の途中で死体と出会う。

          半沢直樹~アルルカンと道化師~

          もはや「国民的ドラマ」となった『半沢直樹』ですが、最終回直前に刊行された最新刊です。 時系列的には、第1作『俺たちバブル入行組』より前の出来事を描いています。ですので、懐かしの浅野支店長や小木曽(←覚えていらっしゃいますか??)が出てきますし、中野渡頭取もまだ頭取になる前です。 本編は、1つの出版社を巡るM&A案件と、1枚の絵画を巡るミステリーが交錯し、最後に2つとも無事に解決という流れです。 流行語にもなった「倍返し」も痛快ですが、本作では、半沢を陰から助ける取引先の

          半沢直樹~アルルカンと道化師~

          リーダーシップについて

          経営者を育てるアドラーの教えwww.amazon.co.jp1,540円(2020年10月10日 22:22時点詳しくはこちら)Amazon.co.jpで購入する

          リーダーシップについて

          むかしむかしあるところに、死体がありました

          『一寸法師』・『花咲かじいさん』・『つるの恩返し』・『浦島太郎』・『桃太郎』といった昔話をミステリ仕立てにするアイデアが光っている秀作です。大変面白かったので、一気に読んでしまいました。 ネタバレになるので、詳細は書けませんが、「一寸法師の不在証明」では、アリバイトリックと見せかけて、実は・・・というトリックに「そういうことか!!」と驚いたり、「花咲か死者伝言」では、ダイイング・メッセージに隠された意味と意外な人物が持っていた欲望に戦慄を覚えたり、「つるの倒叙がえし」では、

          むかしむかしあるところに、死体がありました

          あなたのスマホがとにかく危ない

          この本は、すべてのスマホユーザーに読んでいただきたい本です(特にこれからお子様にスマホを持たせようと考えておられる親御様は必読だと思います)。 スマートフォンの重要性、個人情報を悪用されないようにするための具体的な方法、SNSとの上手な付き合い方などが、できるだけ専門用語を少なくして、非常にわかりやすく書かれています。

          あなたのスマホがとにかく危ない

          「大東建託」商法の研究

          第1作『大東建託の内幕』に続く第2弾です。 著者の丁寧な調査に基づく、同社の「一括借り上げ(サブリース)で資産運用」システムの問題点、多額のローンに苦しむアパート経営者の方々の証言、崩壊する企業モラル(契約を取るために犯罪に手を染める社員、パワハラが横行する職場、社員が鬱病をはじめとする精神疾患を発症したり、自死に至ったりする原因となる強烈な「成果主義」)が克明に書かれています。

          「大東建託」商法の研究