六人の嘘つきな大学生

ご無沙汰しております。
この本も京都新聞で紹介されていたので、面白そうだと思って読んでみました。

大人気企業の就職活動最終選考で起こった「事件」とその「犯人」を巡るミステリーです。
とにかく巧みに張り巡らされた伏線と叙述トリックが素晴らしく、最終ページまで展開される作品の構成に圧倒されました。そして、結末の切なさに涙してしまいました。

物語中、「月」が象徴的な存在として登場してきます。
それは、人間には誰しも様々な一面があり完全な善人・悪人などいない(月は地球からは表側しか見えないけれど、裏側も存在する)ということを表していて、著者の「就職活動」への強烈な問題提起を通じて、物語の真髄なのだと感じました。

久しぶりに「ドラマ化してほしい」と感じる作品に出会えました。