むかしむかしあるところに、やっぱり死体がありました。
『むかしむかしあるところに、死体がありました。』の続編です。
今回は、『かぐや姫』・『おむすびころころ』・『わらしべ長者』・『さるかに合戦』・『ぶんぶく茶釜』が題材となっています。
「竹取探偵物語」は、ハードボイルドタッチの内容で密室殺人を解決していく内容です。
「七回目のおむすびころりん」は今流行りの「時間ループ」ものなのですが、着想は良いものの、さすがに7回は回数が多すぎますし、「一回飛ばし」とか妙な出来事が入ってくるので、途中で訳が分からなくなったきらいがありました。
「わらしべ多重殺人」は、同じ人が何回も殺されるという落語の「算段の平兵衛」のような謎が、わらしべ長者の物語と上手く溶け合っていて、なかなか楽しめました。
「真相・猿蟹合戦」は、猿が復讐に至るまでの過程から、実行後の後日談まで計画がよく練られていて、スリリングな展開でした。
「猿六とぶんぶく交換犯罪」は、交換殺人がテーマとなっており、なかなかうまい工夫が施されています。
今回は、全体的に後味の悪いイヤミス系が多く、好き嫌いが分かれるかもしれませんが、私は十分に楽しめました。