脱凡人脳
”普通は存在しない”
みなさんは凡人でしょうか？そもそも凡人とはなんなのか？
私も例に漏れず、凡人だった時期を過ごしていたこともあります。
ここではっきり言っておきますが、凡人を否定するつもりは無く、学術的に凡人＝普通といった概念を理解したいという個人的な好奇心から、記事の執筆にあたりました。
今回は、2025年こそは凡人で終わりたくない方に向けて、普通という概念を多角的な視点から解剖して、世の中を正しく理解できる内容にします。
一般的な普通の概念
普通という概念は辞書で以下のように説明されます。
一般的に「特別ではなく、ありふれた状態や性質」という形で説明されます。たとえば、日本語の辞書では、「特に変わった点がなく、ごく一般的であること」や「多くの人や物事に共通して見られる様子」といった表現が用いられます。この説明は、普通が特別な特徴を欠き、日常的な範囲に属するものを指していることを示しています。
一方、英語の辞書では、普通（ordinary）は「特別な特徴を持たず、標準的であること」や「通常の出来事の範囲で期待されるようなもの」と説明されます。これにより、「普通」は、何か際立った点がない状態であるという普遍的な意味が強調されます。
このように、辞書の説明に共通するのは、「普通」とは特別ではなく、多くの人々に共通する標準的な状態や性質を指しているという点です。ただし、「普通」という言葉の具体的な意味は、文化や文脈、使われる場面によって異なる解釈を伴うことがあります。そのため、辞書の説明はあくまで基準を提示するものであり、その概念は多様な場面で異なるニュアンスを持つこともあります。
脳科学的な視点から見る普通
普通という状態が脳科学的にどのような問題を孕んでいるかを説明させていただきます。
1. 脳の可塑性と刺激の必要性
脳は新しい刺激や学習によって神経回路を再構築する能力を持っています。このプロセスはシナプス可塑性と呼ばれ、学習や記憶、創造性に重要な役割を果たします。しかし、「普通」という状態は、新しい刺激が少なく、既存のパターンの繰り返しにとどまりがちです。この結果、脳が新しい回路を形成する機会が減り、神経回路の退化や単調化が進む可能性があります。
研究によると、新しい体験を積極的に行う人々は、海馬（記憶を司る脳領域）の体積が増加し、記憶力や認知機能が向上することが示されています。一方、単調な生活や変化のない環境に置かれると、海馬の体積が縮小し、認知機能が低下するリスクが高まることが分かっています。
2. 報酬系の低下によるモチベーションの喪失
脳の報酬系（主に中脳腹側被蓋野から前頭前野に至るドーパミン回路）は、達成感や快楽を感じるときに活性化します。新しい挑戦や成果を得ることで、ドーパミンが分泌され、やる気や幸福感が得られます。しかし、「普通」の状態では、目立った達成感や変化が少なく、報酬系の活性化が低下する傾向があります。
長期的に報酬系が低下すると、意欲の喪失やうつ症状のリスクが高まります。たとえば、職場で単調な作業を続けている人々が「燃え尽き症候群」を経験することは、報酬系の低下が関与していると考えられています。
3. 単調な環境と認知症リスクの関係
認知症に関する研究では、環境が単調で刺激が少ない場合、認知症のリスクが高まることが示されています。たとえば、ロンドンのタクシードライバーを対象とした研究では、複雑な地図を記憶する必要がある人々は、海馬が大きく、認知機能の維持が優れていることが分かっています。この結果は、「普通」の状態から脱却し、複雑なタスクをこなすことが脳の健康に良い影響を与えることを示唆しています。
確かに普通に生きれば、物質的には困らないし、枠からもはみ出ることなく社会的な体裁は保てるかもしれませんが、脳科学的には良い状態では無いということが証明されています。
普通じゃない生き方をするには
普通とはある意味で常識という言葉に置き換えることができます。
では、普通では無い生き方をするためにはどうすればいいか。
常識を疑う視点を持つ。これ以外にありません。
例えば、労働者がなんの疑いもなくやっているフルタイム勤務。
これ高度経済成長期の名残だって知っていますか？
フルタイム勤務は、高度経済成長期において労働者の安定した雇用を実現し、生産性の向上を図る手段として定着しました。しかし、21世紀に入ると、働き方に対する価値観が変化し、従来の固定化された労働形態に対する課題が浮き彫りになってきました。フルタイム勤務は、労働時間や場所、業務内容が固定化されやすく、労働者にとって心理的負担となるケースが多く見られます。
例えば、単調な日々の繰り返しは、仕事に対するモチベーションの低下や「燃え尽き症候群」のリスクを高めます。さらに、雇用の一元化は労働者が多様な経験を積む機会を制限し、イノベーションを阻害する可能性もあります。これに対し、柔軟性を持った働き方への関心が急速に高まっています。
デュアルワーク型労働
デュアルワーク（複数の仕事を同時並行的にこなす働き方）は、フルタイム勤務に代わる新しい働き方として注目を集めています。2000年から2025年にかけて、フルタイム勤務の割合が80%から55%へと減少する一方、デュアルワークを選ぶ労働者の割合は5%から30%に増加しています。この変化は、労働者が自由を求め、個々のライフスタイルに合わせた働き方を重視する傾向を反映しています。
この流れを支える要因として、テクノロジーの進化があります。インターネットの普及やリモートワークの一般化により、時間や場所に縛られない働き方が実現可能となりました。また、働き方改革や副業解禁など、政府の政策もこの動きを後押ししています。
デュアルワーク型のメリット
デュアルワーク型の働き方は、以下のような点で労働者個人だけでなく社会全体にメリットをもたらします。
1. 自由と楽しさの追求
デュアルワークは、労働者が自身の興味や得意分野に基づいて仕事を選べる点が大きな特徴です。この自由度は、内発的動機づけを高め、仕事への満足感を向上させます。調査によると、フルタイム勤務の満足度が65%にとどまる一方、デュアルワーク型では85%の労働者が高い満足感を示しています。
2. 知見の転用とイノベーション促進
異なる職場で得たスキルや知識を他の仕事に応用することで、新しい発想やアイデアが生まれやすくなります。これにより、企業間での相乗効果が期待され、イノベーションが加速します。特に、創造性や課題解決能力が求められる分野で、デュアルワーク型の効果が顕著に表れます。
3. 心理的リスクヘッジ
1つの仕事に依存する働き方は、職場環境の悪化や解雇のリスクを伴います。一方、デュアルワーク型は、複数の収入源を持つことで、経済的・心理的な安定感を高めます。これは、労働者がより積極的にキャリアを追求する後押しとなります。
4. 柔軟なスケジューリング
シフト制を活用することで、労働者は個々のライフスタイルや家庭の事情に応じて働き方を調整できます。この柔軟性は、ワークライフバランスの向上につながり、特に育児や介護などの負担を抱える人々にとって重要な要素となります。
5. 就業場所の多様性
複数の職場で働くことは、日常に新しい刺激をもたらし、マンネリ化を防ぎます。これにより、労働者は常に新鮮な視点で仕事に取り組むことができ、個人の成長と社会的価値の向上が期待されます。
日本社会への適応性
調和を重視する日本社会では、デュアルワーク型の働き方が特に適している可能性があります。従来のトップダウン型の経営モデルから、ボトムアップ型の発想が求められる中で、個人の多様な経験やスキルが企業全体の成長を後押しします。さらに、多様な働き方が広がることで、若年層から高齢者まで幅広い層が労働市場に積極的に参加するきっかけとなるでしょう。
結論
デュアルワーク型の働き方は、労働者に自由と柔軟性を提供しながら、社会全体の生産性と創造性を高める可能性を秘めています。従来のフルタイム勤務が抱える限界を補完し、より多様で包括的な働き方を実現する鍵となるでしょう。日本社会においても、このモデルを積極的に導入することで、個々の幸福感と社会的調和を両立させる未来が期待されます。
疑問力
疑問を生み出す力、いわゆる「疑問力」は、物事を深く掘り下げるための重要なスキルです。
この力を育むには、社会情勢や身の回りで起きる出来事を単なる情報として受け取るだけでなく、「自分ごと」として捉える視点が欠かせません。そして、その中から「自分ならどうするか？」という問いを立て、考え続けることが疑問力を鍛える最善の方法だと考えています。
この視点を持つことが貴方の人生を劇的に変える秘訣です。
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世の中の構造や疑問を紐解いていくと、なんとなく方向性がぼんやりと見えてきます。今は多様性の時代と口では言いながら、それが都合よく使われているように思います。
本当の意味で多様とは何なのか？
日々自分にこれを問いながら生き続ける姿勢が求められています。
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