嵯峨天皇と空海が作った「日本」の物語。
昔、日の本のひとは様々な厄災を怨霊による祟りと恐れ、怯え暮らしていた。
新都平安京に真の平安をもたらす二つの日輪、嵯峨天皇と空海の人生を軸…
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嵯峨野の月#146 最終話 平安時代
最終章 檀林10平安時代
嘉祥三年(850)夏のお昼前のことである。
宮中に参内する為に馬を進めていた参議、小野篁は朱雀大路の上でふと辺りを見回し、地方からやってきた旅人、物資を運ぶ荷車、頭に籠を乗せて客を呼び込む行商人の様子を見ながら…
この都もやっと名前の通り本当の平安京になりつつある。
としばし感慨に浸った。
だがここにいる名も知れない民が明日明後日の不安もなく真の平安を得る為には