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「今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は」ジャルジャル福徳秀介 を読んだら感想がめっちゃ長くなっちゃった奴

※ネタバレあり

「ゼヒ、ヨンデクダサイッ」

どうも!福徳大好きっ子ちゃんです!

7/26、ジャルジャルの単独ライブに行ったついでに、福徳のサイン本を買った。中には写真と直筆サインと可愛い犬のスタンプ。福徳っぽい。

実はずっと興味があったこの本。ジャルジャルタワーの動画の最後に福徳が「ゼヒ、ヨンデクダサイッ」と毎回宣伝してくるので、脳内は読まなきゃいけない危機感でドボドボに洗脳されていた。

・・・というのは嘘で、ジャルジャル福徳秀介としてではなく、作家としての福徳が気になっていた。

オリジナルブックカバー

まず、、、、
感覚が近いなーと思う部分もあって、読んでて共感する部分が多かった。
所々クスッと笑えて、ほっこりして、たまに、無意識なのかわからないエロさ。そして泣ける。
毎日空を見上げてみようかなあ
一日一日を大切にしないとなあ
もしかしたら今日は人生にとって大切な一日になるのかもなあ
え?自分ってこんな素直な感想が出てくる人間やった?

お笑い芸人が書いた本と言うにはあまりにも勿体なさすぎるなあ。
ずっとこの人の頭の中が見てみたいと思ってたけど、やっとそれが少し見えた気がして嬉しい。

福徳がよくチャラ男番長のTwitterでファンから寄せられる相談に答えてるけど、アンサーがいつも素敵だなと思っていた。『チャラ男番長の格言』も沢山残してて、考え方が素敵。この本にはそんな福徳の素敵なメッセージが詰まっている。

↓本の中にも出てくる言葉。

独自の文章はセンスで満ち溢れている。
帯にもあるように、まさに純度100パーセント。
一切穢れのない綺麗な文章。

福徳ならではの視点や綴り方で、そんな考え方や生き方があるのかと気付かされた。
こんな風に生きたい。そう思った。

私は『幸せ』のことを、『さちせ』、『好き』のことを、『このき』と、読みます。それは、『幸せ』を少しでも早く伝えたくて、『好き』を少しでも時間をかけて伝えたいからです。

この本の中に出てくる様々なメッセージ。

それらは全て、福徳のオリジナルの言葉だが、こんな考えを持って生きているのかと感心されられる。こんな考えを持てる人間になりたいな〜。


細かすぎて伝わらない感想

この本の冒頭、

「雲は空にしかいられない。」亡くなった祖母の言葉。自分の居場所は必ずどこかにある。それがたくさんある人もいれば、雲のように、たった一つしかない人もいる。

もうロマンチック。心にジーンときた。このあとも何度も空の描写が出てくる度いいなと思う。

私は現役大学生として小西に共感することが多かった。
この本のキーワードでもある"孤独"については、本当に考えさせられた。
「雨が降れば、雨傘をさす。日傘は友達が少ない僕の盾。」痛いほど気持ちがわかる。大学内にて、周りには沢山のグループの輪。そんなイケイケ学生たちに「あいつ一人や」と思われないためにあえて日傘をさして変な奴を演出する小西。

「気が合う奴としか友達にならない」「交友関係は狭く深く」「友達多い方がダサい」

まるで私を見ているようでイタイ。



あと、おばあちゃんの言葉。

「みんなと違う方がいい。みんなと同じやったら少しの違いが気になって疲れる。人とあからさまに違ってる方が楽に生きられる」

「背中はその人の全て。どれだけ顔を化粧しても背中だけは化粧できない」

「日曜日は未知曜日」

「くだらないことは、「下らない」上り続けよう」

人生何周目?という程、ステキな考え方だ。

小西へのふくとくの投影

所々小西に福徳み溢れてる。
犬のサクラが好きなところ。ジョギングするところ。何考えてるかわからんところ。坂に「自分坂」桜に「自分桜」と名づけるところ。「ジャポネーゼ」の美味しいサンドウィッチより列に並ぶというお洒落を楽しんでるように見えるところ。

世の中から少しズレてる。

でもそこに関しては感覚が似ていると思った。

あと、
犬が辛い時に寄って来て待っていてくれるとか。人間の負の塊を吸収してくれるから寿命が短いのかもしれないこととか。
「悪いものを吸収して身代わりになってくれているのか。」これは考えたことがなかったな。

「明らかに美味しそうに・・・・・・舐めている。」ここの福徳らしさ。

ゴミ取りネットはわたしは出会ったことないけど、そんな小さなおもろいこと。そうゆうのが好きなんやろうなあ。テレビの音量最大にするとか。しょうもない、くだらないこと。一番おもろいこと。そうゆう感覚ってええなあ。空と雲と、白眼と黒目のコントラストが目につくとことか。
あと、マスターに対しての触れていいとこ悪いとこの境界線への気遣い。これは山根と似てる。山根も小西も桜田さんも、同じ福徳が生み出した人間だということがわかる。

山根

親友の山根に関しては、最初出て来た時後藤の顔が思い浮かんできてしまって笑いそうになった。「おーい!こにっしゃんー!学食行こうやねん」いやどんな方言やねん。でも山根の、笑って良いところとあかんところがはっきりしているのが彼の魅力であり、人間が大切にしないといけない感覚だと思う。

桜田さんと小西

桜田さんと小西の似た感じ。お洒落で気取った今時大学生じゃなくて、少しサブカルチックな男女。サブカルチック、というには勿体ないか。コーヒーより紅茶。あー、そんな関係性。「目の下のシワを指でなぞりたい」「彼女に僕の存在をマーキングしたい」変態的だがロマンチックな言葉。

関係ないけど、股間のくだりとか、『初恋クレイジー』を大音量で流して告白するとき小西の「聞こえていると勘違いしている奴」とかはジャルジャルらしさがあったな

後半

小西が本当にひとりぼっちになってしまってからの盛り上がりが凄くて、一気にこの本の世界に入り込んだ。福徳の作家としての才能なんやろな〜

桜田さんが待ち合わせに来なかった理由がさっちゃんの死と繋がった時は驚かされた。
さっちゃんが亡くなったことは予想できたけど、姉妹とか、最後にそんな展開が待ってたか。

さっちゃんの死

お父さんからの手紙
「誰かに手紙を書き続けるだけの人生でいい。」
自分に死がくることを誰よりも理解しているからこそ、生み出される文章。何故こんな文章が書けるのか。

あと、末期の認知症でずっと小西を自分の息子と勘違いしていたのに、突然「ん?徹やん。騙したなー」と大笑いした祖母。「雲は空にしかいられない。雲の居場所は空だけ。」

小西がサクラのように犬のフリをして桜田さんに飛びつくシーンは、この辛い状況での必死のユーモアで、なんとも言えない感情になる。あとエロい。

さっちゃんの葬式の描写がやけにリアル。桜田さんが、咲の友達は良いけど、親戚に対しては出て行って欲しいと思うところとか。本当に親が亡くならないと理解できない感情だと思う。この場面では、実際福徳さんが父親を亡くした時に抱いた感情に近いものもあったりするのかな、と思った。

今日の空が一番好き

本当に素晴らしい本だった。出会えてよかった。
人生において良いものに触れれてよかった。

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