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改(かい@3分で読める物語)イラスト男子🎨
2023年5月25日 00:40
これは絶望なんかじゃなくて自分の弱さを知ったということ。何もできない自分に気付いたということ。それでいて、何からすればいいかわからないということ。世界一の作家になりたかった私はどの映画も見れなくなった。どのミュージカルも、どの劇も。目の前の全てがすでに才能の結集したチームが作り上げる最高のエンターテイメントだった。私が、一人でできることが勝てる世界はどこにもなか
2023年5月25日 21:59
から揚げが昔から大好きだった。一体いつからだろう。「からあげマニアのカラッと日記」を更新し始めたのは。あげる記事がない、と思うとネットで有名な唐揚げ屋さんに行っては、そのレビューを書いて、ブログを更新していた。とりわけ今日はなぜか、あげる記事がないと思ったのは同じだったが、ふと我に返っていた。憎たらしい過去だ。昔はもっとアグレッシブだった。やりたいことはとことんやる。空回
2023年5月20日 19:49
私の夢は、愛する人からお花をプレゼントされること。ロマンチスト?と言われるかもしれないけれど憧れるじゃん?そりゃあ。何を憧れたっていい。何を目指したっていい。人生はそう、自由だ。私は気ままに生きると決めた。外に一切出られない、出てもマスクを外せないそんな世界がやっと終わって世界に色が弾け出す。私の色が、弾け出すのだ。パリにヴェネツィア、バルセロナ。どの街も、その街
2023年5月19日 16:28
「やってしまった…。」サンタはうなだれていた。秋から始まるおもちゃの準備大忙しのサンタさんプレゼント入れる大事な袋ほつれに気づきやしなかった。今日は12月24日の夜。一軒目に到着するまでは順調だった。袋を取ろうとした時に、大変なことに気づいた。袋のほつれが広がって破れた穴からおもちゃが全部袋を飛び出し消えてった。「おもちゃが、一つもない…。」困ったサンタは考えた
2023年4月23日 22:43
1.-主人公-慎ましく生きるシンデレラは、王子様や貴族たちとパーティに行くような、華やかな世界など噂話でしか聞いたことがなかった。テレビもスマホもないこの絶対王政の時代のフランスに、そんな世界を映像として想像しうるはずもなかった。強欲な義姉とも違い、心優しいシンデレラはその招待状に、好奇心こそ"そそられる"ものの、何とも形容し難い”怖さ”も感じていた。仮にいきなり、一国のトップ
2023年5月7日 22:17
「ホントに見た目も可愛いし、動き一つとっても愛嬌があるよなあ。」三毛猫のレオは、鼻高々だった。「オイラ世界一かわいい猫になって、都会のペット屋さんで大金持ちに飼ってもらうんだからな!」「レオちゃんならなれるよ!」「ホントに羨ましい!応援する!」1-真似をする-オイラ、本当はすごくなんかないんだ。みんなはあんまり知らないだけで、”NyaoTube”で勉強してるんだ。カリスマ
2023年5月3日 11:50
「苦いのやなんだよなあ。ステゴサウルスの背ビレは苦い。おなかとせなかが ひっつくくらいおなか空かせて 歩いていたらせっかく獲物を見つけたのにステゴサウルスじゃテンション下がる。これ、マジでティラノサウルスあるある。」ぶつぶつ呟きながら、歩いてる。ティラノサウルスのポニーは、田舎暮らし。街に行ったことがなかった。ある日、お母ちゃんが地響き起こしながら猛ダッシュで帰ってきた。
2023年5月1日 21:26
1-世界の扉-「ナイアガラの滝、迫力すげえ!なんだよこの龍みたいに長いお城!」アルトは、画面の中の世界に胸を躍らせていた。「ママ!パパ!オレが大きくなったら、絶対世界旅行に連れてってあげる!」それがアルトの口癖だった。2-うねり-大学生になったアルトは、国際交流や平和教育を学ぶため、留学の準備を進めていた。突然、彼のナイアガラの滝が映る待ち受け画面に現れた通知と共に
2023年4月28日 20:45
なんかもう、目標探すのも面倒くさくなっちゃって。春になったとはいえ、夜は冷えるな。ベンチで話そうと言ったのは、私だけど。1-失望-私は失望されると思いつつ、重い口を開いたが、彼から返ってきたのは予想外の言葉だった。「いいねえ。すげえなあ。」え?いいの?彼は、なんでも表面的に褒めるような人じゃない。何が良くて、何が大事かをきっちり伝える人だし、意見が違う時は、私の意見を尊
2023年4月26日 00:45
画面を閉じろ。上にスワイプするたびに、感動もしないコンテンツが次から次へ、やってくる。画面を閉じたいのに、こいつが時間と脳を蝕んでいく。なんだか気分が悪い。何時間見てるだろうか。1.-ケンカ-「スマホばかり見ないでよ」カオリとケンカしたばかりだった。でも、俺は悪くない。お前がスマホばかり見てたのが先だ。俺は、お前がスマホを見始めるまではスマホを見ないって決めてる。
2023年4月21日 22:04
茂助(もすけ)「なあ、今晩合コン行かへん?」けんた「行かへんわ。俺ケンタウロスやぞ」「俺行くねんけど、一人これんくて、人数足りてないねん」「俺はそもそも単位が人かもわからんねん。匹かもしれん」「…けど話すの得意やからカバーできるやろ」「カバーしきれてないな。ケンタウロスやぞ」「えー。頼むわ。俺多分今日あんまり喋られへんと思うから、盛り上げ手伝ってや。」「なんで喋られへん
2023年4月20日 21:49
もうすぐ俺の、公式戦初打席がくる。1-壊れる-1ヶ月前。たまたま、3年のユウさんのいない日だった。7番ショートで、代わりに俺の名前が呼ばれた。チームスポーツは向いてない。仲間と座席を争い合うなんて、したくない。負けるのは辛い。でも勝つのは、仲間を負かすこと。だからもっと辛かった。そんな俺が、呼ばれた。ああ辛いなあ。活躍したいのに、活躍なんかしたくない。誰が3
2023年4月19日 00:23
「お前、タレントの〇〇の振る舞い真似してるだけだろ?ハガネってお前ホント、オリジナリティねえよな。」1-トゲ-カンタの言葉は、胸の奥までグサリとトゲが刺さったみたいな感覚だった。「うるせえな...お前みたいに正論かざして悪口言って、何も生産してないヤツに言われたくねえんだよ。」口ではそう言い返した。でも正論言って、言い負かそうとしてるのはオレも一緒だった。。。2-
2023年4月16日 23:04
1-バカ-フリーターだってのに、バイトを辞めた。オレを叱ってくれる人だったけど、意見が合わなかったから辞めた。“学生”が抜けてないオレの甘えって分かってた。けど、そんな自分を正当化したかっただけ、ホントは。2-知覚-数少ない、自分を叱ってくれる大切な人って分かってた。春になって新卒社員として働き出したあいつらは、着々と結果を出してる。辞めたからからこそ、あいつらが正