絶望のハック
1-バカ-
フリーターだってのに、バイトを辞めた。
オレを叱ってくれる人だったけど、意見が合わなかったから辞めた。
“学生”が抜けてないオレの甘えって分かってた。
けど、そんな自分を正当化したかっただけ、ホントは。
2-知覚-
数少ない、自分を叱ってくれる大切な人って分かってた。
春になって新卒社員として働き出したあいつらは、着々と結果を出してる。
辞めたからからこそ、あいつらが正しいって思う。
なんでなんだろうなあ。腹が立つ。
どう頑張っても人は
失って初めて、大切なものに気付くんだ。
ああちくしょう！
オレも例外無く、その一人。
自分にとって、とても大切な人を失ったんだ。
3-真理のハック-
そういうもんなんだね。
ああ、そうかい。
真理とかいうヤツよ。
だったら、望んで失ってやる。
俺は大切なものを、自ら失って手放す。
切り捨ててしまえ。
そうすりゃ大切さに気づけるんだろ！？
さあどうだ。
悲しくなれよ.....オレ.....。
そして俺よ気付け...！
ショックを受けろ！辛いと思え！
オレには
“ショックが必要”
なんだよ！！
なんで大切な人を失った！？
愚かな理由はどこだ！？
それは
おのれがくだらんプライドを持ち合わせたからだ。
チクショ。
ザコいんだよ、オレ。
だから失ったんだよ。
無駄なプライドなんていらない。
失って初めて自分のザコさに絶望する。
だから失え。
とっととザコな自分を塗り替えるために。
オレは、捨てるべきザコいオレが現れたら
望んで大切なものを捨ててやるよ。
オレは、
希望のために絶望してやる。
________改(かい@3分物語)